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オタクパパの映画レビュー

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記事一覧

実写版ドラゴンボールを観たいなら

実写版ドラゴンボールを観たいなら

久しぶりにポカンと口を開けた。すごい、あまりにもすごい。
2013年に公開されたスーパーマン映画『マン・オブ・スティール』。
単体ではなくって他のヒーローとのコラボ映画はこの後も作られているが、 スーパーマンの単体映画としては最新のものだ。(2024年時点)

ドラゴンボールの実写映画があるとすれば、これが一番イメージに近い。
サイヤ人編あたりの感じの超人バトルが極めてリアルに実写化されている。

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熟年パパになってからが面白いダイ・ハード4.0

熟年パパになってからが面白いダイ・ハード4.0

ダイ・ハードは3までが面白い、4以降は観なくていいと言っている人がいた。
そして周りの知り合いが誰もダイ・ハード4.0を観ていなかった。
だからダイ・ハード4.0の魅力を書く。

ダイ・ハード4.0はめっちゃ面白いんだぞ。まずは事件の規模。
1の事件の舞台はビル一棟、それが2では空港一つになり、3でニューヨーク市全体に拡大する。
そして4.0の事件はアメリカ全土を巻き込んだサイバーテロだ。

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オッペンハイマーはエンタメ映画

オッペンハイマーはエンタメ映画

オッペンハイマーについてちょっとだけ残しておく。
なんだか一般的には科学の功罪とか、戦争犯罪とか、イデオロギーとか。
アカデミー作品賞効果も相まって真面目で難しい映画みたいなイメージが強いようだ。

でもこれは数々のエンタメ映画を制作したノーラン監督の映画。
メメント、ダークナイト、インセプション、インターステラー、テネット。
ダークナイトに至っては元がアメコミだし。

もちろん真面目なテーマ

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正直、IMAXじゃなきゃ!っていう映画ってそんなにある?:IMAXハラスメント

正直、IMAXじゃなきゃ!っていう映画ってそんなにある?:IMAXハラスメント

IMAXハラスメント。今名付けた。
なんでもかんでもハラスメントって名付ける文化はあんまり好きじゃないんだけれど、まあエンタメの話で、実害少ないから。
と、言い訳をしながらも、あんまりいい傾向じゃないなぁと思っている話をする。

IMAXハラスメントとは、大作映画を見た人が「この映画はIMAXで見なきゃ意味がない!」と他人に押し付けること。
まぁ、直接押し付けられた人は少ないでしょうけれども。

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「〇〇は観なくていい」は猿の支配を招く〜猿の惑星:キングダム〜

「〇〇は観なくていい」は猿の支配を招く〜猿の惑星:キングダム〜

映画、猿の惑星シリーズリブート版の4作目、キングダムが劇場公開中。
旧シリーズの第1作、猿(類人猿、以下エイプと書く)に支配されている世界観に近づいていることにワクワクした。
この映画のエイプたちは英語をしゃべって村を作ってエイプ同士で争っている。ここまできたらエイプもほとんど人間だ。

まあ旧シリーズもエイプが文明を持ったら人間同様に愚かなことをするという話だった。エイプ通した人間風刺、文明風

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保守的なファンと革新的な制作者【ゴジラ×コング】

保守的なファンと革新的な制作者【ゴジラ×コング】

国産ゴジラの『ゴジラ-1.0』とハリウッド版ゴジラの最新作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』が劇場公開中のゴールデンウィーク。
日米ゴジラが同時に劇場公開されるなんて夢のようだ。
と感じるアラフィフのゴジラファンです。

映画館も家族連れで賑わっていて、ティーンもキッズもたくさんゴジラを観ている。
どちらのゴジラも見終わったあとに友達と話すティーン、親と笑顔で話しているキッズたちの風景。
彼らたちに

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いくらAIが進化しても大切な人との心の交流はサボっちゃダメっていう映画

いくらAIが進化しても大切な人との心の交流はサボっちゃダメっていう映画

この映画には大人と子どもが出てくる。
子どもに慣れていない大人と、新しく出会った大人に戸惑っている子ども。
2人は新しい関係を模索する。

この映画にはAI搭載のおもちゃが出てくる。
おもちゃは自身で学習して知識を増やしていく。
周りとの「人間関係」が、人間に追いつき、人間よりも上手くなっていく。

子どもには寄り添い、大人とは交渉する。
下手したら人間の大人と子どもよりも巧みなんじゃないってくら

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忙しいという文字は心を亡くすと書くから忙しいという言葉は使わないほうがいいって言いますけど逆だと思うんです

忙しいという文字は心を亡くすと書くから忙しいという言葉は使わないほうがいいって言いますけど逆だと思うんです

これは古代からの警告なのですよ。

あんまり忙しくしていると心を亡くすから気をつけやっていう。

その警告を忘れないために忙しい時は忙しいって言うべきだ。

そんな感じでめっちゃ忙しい時に見た2本の映画を貼っておきます。

どっちもめっちゃ面白いので騙されたと思って見てください。

騙されるから。

あ、うそうそ。

ほんまに期待を遥かに超えて面白かった2本です。

ゴジラとかゴールデンカムイみた

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観客が頭空っぽにして楽しめるのは作り手が考え尽くしたおかげである

観客が頭空っぽにして楽しめるのは作り手が考え尽くしたおかげである

えらいものを見てしまったので書く。
令和5年から6年は、ジャンルもの映画の一つの到達点だったんじゃないか。
オタク・マニア・ファンが心酔する最新作が生まれた令和5年から6年。

あれこれ言われながらも愚直に作り続けられたシリーズたち。
うるさがたのオタク・マニア・ファンはこれまでこう言ってきた。
最初のから見ないとわからないよ。

ウルトラマンならマンとセブン、ゴジラなら初代の白黒ゴジラ、ロボット

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人情ドラマがヌルいと感じた人のために、公開3日目に気づいたゴジラ-1.0の恐ろしさ

人情ドラマがヌルいと感じた人のために、公開3日目に気づいたゴジラ-1.0の恐ろしさ

ちょとまて、ゴジラ-1.0って想像以上に恐ろしい映画じゃないか。
初日初回の初鑑賞時は、ゴジラは恐ろしいけれど人間ドラマは甘い映画だと思った。
だけれどもその歪さがいいんだとも書いた。

めっちゃヌルいハッピーエンドだと思った。
海中に沈むゴジラ細胞の復活はお約束で、それが人間ドラマのハッピーエンドに傷をつけることはない。
ところが、2度目の鑑賞でラストシーンの典子の首に蠢く黒いシミに気づいた。

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狂ったバランスを取り戻す方法をゴジラ-1.0に学ぶ

狂ったバランスを取り戻す方法をゴジラ-1.0に学ぶ

ゴジラ-1.0はゴジラが凄い。ゴジラが怖い。
でも人間ドラマがツッコミどころたくさん。終わりが甘すぎる。
というのが世間の感想の多数派のようだ。僕の初見の感想も同様だった。

それが2度目の鑑賞で前回の記事の感想に変わった。
ゴジラが怖い。ドラマも怖い。
なんてこった!ただただ怖い映画になってしまった。

これでは劇中の浩一のようにPTSDが発症する。フラッシュバックで夜しか眠れなくなった。

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ナメていたら噛みつかれた山﨑貴とゴジラ-1.0

ナメていたら噛みつかれた山﨑貴とゴジラ-1.0

昨日の記事で山﨑貴監督は甘いと書いた。
ゴジラ-1.0はゴジラの怖さとドラマの甘さの両方があるのがいいのだと。
ところが、2回目の鑑賞でその評価はひっくり返った。

僕はクリエイターは基本的にリスペクトするべきだと考えている。
「誰かが貧乏くじ引かなくっちゃならないんだよ!」
予告編にも使われたゴジラ-1.0内の台詞だ。

ゴジラに立ち向かうことも、人気シリーズの続編を作ることも貧乏くじを引く

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山崎貴が苦手な人にこそ観てほしいゴジラ-1.0

山崎貴が苦手な人にこそ観てほしいゴジラ-1.0

ありがとう。と感謝の言葉をまず述べる。
素晴らしいゴジラ映画を作ってくださって。
そして、国産ゴジラ映画をこんなに個性豊かにしてくださって。

僕は正直なところ、監督が山崎貴さんだということで不安も大きかった。
不安要素は山崎貴演出の特徴にある。僕が特に強く感じる特徴を3つだけ挙げる。
演技の過剰さ、芝居っぽい台詞回し、ストーリーの甘ったるさ。

これらの要素をここではまとめて「甘さ」と書かせ

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君たちはどう生きるかで観客全員が固唾を飲んだのはなぜか

君たちはどう生きるかで観客全員が固唾を飲んだのはなぜか

【君たちはどう生きるか】
初日に観ました。
どうしても、他人の感想が耳に入る前に観たくって。

事前広告がポスター1枚だけ。
情報何もなし。
舞台設定も主人公もお話も何にもわからない。

それなのにそれなりに埋まっている客席。
平日夕方なのに。
さらに、年齢層が小学生から高齢者まで幅広い。

全員が何にもわからないから、固唾を飲んで見守った2時間。
こんな空気の映画館も、こんな映画体験も初め

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