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保守的なファンと革新的な制作者【ゴジラ×コング】

国産ゴジラの『ゴジラ-1.0』とハリウッド版ゴジラの最新作『ゴジラ×コング 新たなる帝国』が劇場公開中のゴールデンウィーク。
日米ゴジラが同時に劇場公開されるなんて夢のようだ。
と感じるアラフィフのゴジラファンです。

映画館も家族連れで賑わっていて、ティーンもキッズもたくさんゴジラを観ている。
どちらのゴジラも見終わったあとに友達と話すティーン、親と笑顔で話しているキッズたちの風景。
彼らたちにとっては、日米ゴジラが同時公開されているのは別に夢でもなんでもなく当たり前の現実なんだろう。

ハリウッド版ゴジラシリーズが始まったのはもう10年前。
『モンスターバースシリーズ』と名付けられゴジラが出ないキングコング主役の映画も挟みながら今回の『ゴジラ×コング』で5作目となる。
ちょっと前のゴジラファンの間ではハリウッド版には否定的な意見が多かった。

私も最初は「ハリウッドゴジラも面白い。面白いけどちょっと違う。これはゴジラじゃない」と感じた。
しかし考えてみれば国産ゴジラも1作1作全部「違う」し、制作者は毎回試行錯誤をして前作とは「違う」ゴジラを作り続けてきた。
だからゴジラシリーズは日本で70年も続き、ハリウッド版も10年続いている。

ゴジラが続いているのは革新的な工夫を続ける制作者のおかげ。
もし、ファンにどんなゴジラ映画が観たい?と聞いたとする。
ほとんどのファンは「前の〇〇みたいなゴジラが観たい」と旧作を引き合いに出すのだ。

ファンは自分でゴジラを作れない。だから過去の自分の体験からしか観たいものを表現できない。
保守的なファンが多数派なのだ。
過去作が好きだからファンになった。だから自分の好きな過去作みたいなゴジラがまた観たい。

そんなファンの声を真に受けていたら、ゴジラはあっという間に衰退していただろう。
私も少し前までは自分の過去のゴジラ体験を引き合いに出して「ハリウッドゴジラは違う」と言い続けてきた。
しかし、新しいファンの声を聞いて気付かされた。

ハリウッドゴジラを楽しめなかったのは保守的な自分のせいだと。
国産ゴジラもハリウッドゴジラも分け隔てなく楽しんでいる新しいファンが支えるゴジラ。
未来は明るい。

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