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【読書感想文】52ヘルツのクジラたち/町田そのこ
タイトルに惹かれて。本屋大賞受賞作ということもあり、ずっといつか読みたいと思っていて、私にとってその時が来たのが、2023年11月だった。
圧巻。ダラダラと読み進める小説もある中、本作は一気読みに近いペースで読み終えた。
読了場所は、近所のホーリーズカフェ。ちょうどベビーカーに乗せた息子が気持ちよさそうに眠っている時だった。
物語の終盤、そんな息子の顔を見てかどうかはわからないが、新しくでき
【読書感想文】街とその不確かな壁/村上春樹(4,235文字)
ここ最近(といっても、10年くらい)は、彼の長編小説が出るとその週末に一気に読むことが多かった。というか、そのような読み方をしていた。
ただ、今回は、ゴールデンウィークに読み始めた後、まとまった時間を確保して読むことはせずに、週末に少しずつ読み進め、7/9(日)夕方ごろ、近くの喫茶店で読み終えた。
達成感と安心感。読み終えた後の率直でシンプルな感想。こう言っては何だが何も起きない。ただただ個人
【読書感想文】六人の嘘つきな大学生/浅倉秋成
「月─ ─地球からは絶対に裏側が見えないって。それを聞いてから、意味もなく考えちゃうんだよね。」
浅倉秋成.六人の嘘つきな大学生(角川書店単行本) (Kindle の位置No.378-379). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.
就職活動。それは学生にとっては、人格を変えてしまうほどの人生の一大イベントである。
大学入試とは違う人生の節目。入試当時も、これで人生の全てが決まって
【読書感想文】明日、世界がこのままだったら /行成薫
※ネタばれ含みますので、ご了承ください。
突然見知らぬ世界に迷い込んだワタルとサチの数日間の物語。
知り合いでもない二人は、ある朝、お互いの家の部屋と部屋がくっついた歪な世界で出会う。二人の他には誰も存在しない。
いや、もう一人サカキという女性がいる。突如、現れた彼女からこの世界の役割、仕組みを知った二人。来るべき日までに、文字通り、人生の答えを導き出す物語。
この話を読んでいる最中、僕は
【読書感想文】学び効率が最大化するインプット大全/樺沢紫苑
随分前に購入していたものの、しばらく積読になっていた本書。年明けっぽい本を探していた時にたまたま思い出し読んでみた。
本書にあるとおり、インプットした記憶を定着させるためには、とにかくアウトプットをすることが大切、とあるので、本書に倣い、本書をインプットしたアウトプットを記しておきたい。
ということで、まずは、欲張らずに3つの「気づき」を記しておく。
3つの気づき・インプットしたら、2週間で
【読書感想文】中国行きのスロウ・ボート/村上春樹
○はじめに村上春樹の小説については、長編・短編問わず、大学時代中心にほとんど読んでいる。
その後の新著についても、ほぼ発売日近辺に読んでいる。それほど、彼の作品が好きだ。一番好きな作家を聞かれれば、まず僕は彼の名前を挙げるだろう。
ただ、エッセイについては、まだ読んでいないものも多い。これについては、ここ4~5年程度で気が赴くままに読んでいる。なので、特に最近は、彼の文章に触れていないわけでは