ちょも

企業人事の端くれ。なんちゃって読書感想文note住人。読書感想文と自称コラムなど。文章…

ちょも

企業人事の端くれ。なんちゃって読書感想文note住人。読書感想文と自称コラムなど。文章ときのこが好き。最近は展覧会巡りも。

マガジン

  • 【読書感想文】まとめ

    読書感想文の集合体。

  • 【展覧会】文化芸術巡りの軌跡

    行った展覧会の備忘。

最近の記事

  • 固定された記事

「水樹奈々」という女性を11年追いかけ続けて気づいた僕にとっての彼女の存在(21,942文字)

なんだかんだもう一年くらい前に書いた文章がCドライブでその役目を終えようとしていた。当時は一気に書きなぐったもの。ちょくちょく追記していった文章だったけど、結局面倒になり、途中ですっかり公開することもなく、見ないようにしていた文章。 いや、完結させることができなかった文章。それをこうやって一年ぶりくらいに完結させにやってきた。2万文字と少しの文章なんて誰が好き好んで読むのかわからないけれど、どうぞ。 公開にあたり、大文字小文字、半角全角などを直そうと思ったが、そんなことし

    • 【読書感想文】海辺のカフカ/村上春樹

      好きな作家を聞かれて、私はまず彼の名前を口にする。それはおそらく17歳の時に「海辺のカフカ」と出会ったところから始まっている。 私の入り口は「海辺のカフカ」だった。だからこそ、私にとってはずっと大切な物語だ。今回手に取ったのに特に理由はない。なんとなく読み直したくなったから。彼の小説の多くを何度か読み直している。「海辺のカフカ」も3度目だ。 前回は大学生の時であり、それはもう10年以上も前のこと。当時、田村カフカくんと比較的近い年齢だったのに対し、今は酷く離れている。おそ

      • 【読書感想文】何者/朝井リョウ

        朝井リョウ氏は個人的に好きな作家のうちの一人であり、文庫になっているものはほとんど読んでいる。また、単行本も購入することがある程度には彼の作品のファンである。 ただ、いくつか読んでいない作品があって、その一つがこの「何者」である。 なぜ、読んでいなかったのか。その理由こそが、この物語のテーマに重なってきてそうなのだが、怖かったのだ。この物語は、僕にグサグサと容赦なくナイフを刺してくる。それがわかっていたから読めなかった。 数年前に映画ではこの作品を一度通っている。なので

        • 【ライブレポ】原始五年巡回公演「喫茶・愛のペガサス」@ロームシアター京都(2024.01.30)/ずっと真夜中でいいのに。

          まさに圧巻のパフォーマンスだった。 興奮した、感動した。こんな簡単な言葉では伝えられないような気持ちになった。それはつまり愛であり、エーリッヒ・フロムの言うところの「愛するということ」なのかもしれない。 本来は、2023.12.14に開店されるはずだった京都公演は、ACAね氏の体調不良により中止に。ただ奇跡的に振替公演が行われ、それが2024.01.30だったわけだ。今日は、この振替公演の模様に加えて、私と「ずっと真夜中でいいのに。」について、書けるところまで書いてみたい

        • 固定された記事

        「水樹奈々」という女性を11年追いかけ続けて気づいた僕にとっての彼女の存在(21,942文字)

        マガジン

        • 【読書感想文】まとめ
          28本
        • 【展覧会】文化芸術巡りの軌跡
          6本

        記事

          【日記】1月に考えたいことをつらつらと。

          2024年になった。そして、もう随分と経過している。ような感覚になっている。 ということで、新年の抱負のようなものを書くつもりはないのだが、ぼんやりと今年やりたい、というか、今やりたいと思っているようなことを書いていきながら、その輪郭が少しでも明確なものになっていけばよいなと思いながら書くことを今日の記事の目的とする。 まずは、直近のイベント系。1月末にずっと真夜中でいいのに。のライブがある。昨年聞きまくったアーティストであり、どうしても生で彼女のパフォーマンスを、そして

          【日記】1月に考えたいことをつらつらと。

          【日記】さよなら2023年(4,641字)

          2023年大晦日。毎年の如くこのタイトルで記事を書く。 過去のブログ時代から含めるとおそらくもう10年以上、このタイトルで書いている。ここまでくるともうやめられない。意地だ。コンコルド効果はこのケースには当てはまらないだろうから維持しても良いだろう。 ということで、この時くらいしか読み返さない昨年の記事を読んでみた。 どうやら、昨年は自分にとってはイマイチな一年だったようだ。それは前回のエントリでも触れたとおり、なんとなくそうだったんだろうなぁということは想像がつく。

          【日記】さよなら2023年(4,641字)

          【日記】今年の漢字2023

          2023年ももうすぐ終わり。 昨日仕事納めだったので、今日から年末年始休暇。年始は休暇を取ったりで9日からのスタートなので、結構長めの休暇である。 という書き出しから始めると、今年の振り返りをしてしまいそうになるので、それはまた別で書くとして、今回は今年の漢字について。 毎年書いているような気がするので今年も。と思って調べたら、今年で3回目らしい。 振り返ってみると、一昨年は「常」、昨年は「悩」と、それほどポジティブな印象がない文字が並ぶ。昨年は大きな変化があったが、

          【日記】今年の漢字2023

          【読書感想文】52ヘルツのクジラたち/町田そのこ

          タイトルに惹かれて。本屋大賞受賞作ということもあり、ずっといつか読みたいと思っていて、私にとってその時が来たのが、2023年11月だった。 圧巻。ダラダラと読み進める小説もある中、本作は一気読みに近いペースで読み終えた。 読了場所は、近所のホーリーズカフェ。ちょうどベビーカーに乗せた息子が気持ちよさそうに眠っている時だった。 物語の終盤、そんな息子の顔を見てかどうかはわからないが、新しくできたそのカフェの端っこの席で1人涙していた。そんな読書体験をくれた本書である。

          【読書感想文】52ヘルツのクジラたち/町田そのこ

          【読書感想文】流浪の月/凪良ゆう

          気持ちの良い読後感ではないが、この感じが僕は大好きだ。 久しぶりにそんな作品に出会えた気がする。いつもの如くどのようなタイプの作品か一切知らずに、何かの拍子にデジタルデータで購入していた本書を手に取った8月。 文と更紗、そして梨花の物語。あまりにも悲しい。ただ悲しいというのは僕の欺瞞であって、当人たちにはただの迷惑でしかないだろう.それがわかっていてもなお、僕はそれすら含めて悲しいと感じている。 ◯感想 これを読んでそれなりにものを考えてわかった気になっている自分は愚

          【読書感想文】流浪の月/凪良ゆう

          【読書感想文】街とその不確かな壁/村上春樹(4,235文字)

          ここ最近(といっても、10年くらい)は、彼の長編小説が出るとその週末に一気に読むことが多かった。というか、そのような読み方をしていた。 ただ、今回は、ゴールデンウィークに読み始めた後、まとまった時間を確保して読むことはせずに、週末に少しずつ読み進め、7/9(日)夕方ごろ、近くの喫茶店で読み終えた。 達成感と安心感。読み終えた後の率直でシンプルな感想。こう言っては何だが何も起きない。ただただ個人的な話のように感じる。だけどそれが私にはとてつもなく心地よくて、優しくて、安心で

          【読書感想文】街とその不確かな壁/村上春樹(4,235文字)

          【映画感想】シン・仮面ライダー

          〇前書き 久しぶりに映画を見にいった。新宿ピカデリーで見た「すみっコぐらし」以来だと思う。特に映画が好きなわけでもない自分がなぜこの「シン・仮面ライダー」を見にいったのか。そのあたりを序章としたい。 理由があるとすれば、それはTikTokの広告だ。それ以外の理由は見つけることができない。この広告が私の厨二心を存分に掴んで離さなかったのである。 ショート動画の広告としては、個人的には完璧だった。内容はよくわからないが、なんだか登場人物がそれっぽいことをいう。そして、雰囲気

          【映画感想】シン・仮面ライダー

          【日記】GW2023前半(トレイルランの魅力等)

          前書き 2023年のGW真っ只中である。今年の私のGWは、4/29~5/7までの9連休。実に贅沢だ。 2月の京都マラソン、3月のドイツ出張、そして年度末にかけて新体制の準備等。この数カ月は実に突っ走ってきた。4月後半からは少しマシになったが、それでも少しゆっくりしたいと思っていたタイミングでのこの連休。 やりたいことはたくさんある。読みたい本もたくさんある。書きたいこともたくさんある。ある種恵まれているのだろうが、どうも全てを消化することは難しいようだ。優先順位というや

          【日記】GW2023前半(トレイルランの魅力等)

          【日記】さよなら2022年

          2022年大晦日。先日、今年の漢字というエントリを書いたばかりだが、今回は、総括的な何か。 上の記事を書いてからそれほど日が経過してないことから、余裕を持って書いていないことが窺い知れる。書きたいのに、書けない。書く時間はあるはずなのに、どうも重い腰が上がらなかったこの一年だった。 総括と言えば聞こえは良いが、毎年、同じような基準でそれっぽく一年を振り返っている。仕事、家族、読書、ランニング、その他趣味など、について。まずは記録系。 【記録系】 まずは、毎年つけている記

          【日記】さよなら2022年

          【日記】今年の漢字2022

          もうすぐ2022年も終わり。 なんだかんだでいろいろあった一年だった。引っ越し、異動、知らないメンバーとのチームなど。プライベートでも、年々自分の時間が無くなっていっている。noteを書く頻度も今年は少なかったし、おそらく読書量も少なかったように感じる。 ということで、今回は今年を漢字一字でさくっと振り返ってみたいと思う。ちなみに昨年もやりました。 昨年は、「常」だったらしい。それほど、特に変化がなかった一年だったのだな、と過去記事を見て思い出す。それでいうと、今年は変

          【日記】今年の漢字2022

          【読書感想文】拝啓 人事部長殿/髙木一史

          人事の端くれとして、読んだ。 著者の言っていることはごもっとも。わかる。たぶんそうだ。僕も同じように当時、小熊英二氏の「日本社会の仕組み」を読んだ。 今の会社での人事暦は8年ほど。そんな自分が、僭越ながら、本書に対しての稚拙な意見のようなものも含む、感想文を書いていきたい。 まず、前提の整理から。 本書の課題設定(テーマ)は以下のとおり。 「どうすれば、社員が閉塞感を覚えず、幸せに働ける会社をつくることができるのか」 この課題の背景にある問題の原因については、「無

          【読書感想文】拝啓 人事部長殿/髙木一史

          【展覧会】アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO|京都市京セラ美術館/ポップとアート

          久しぶりに展覧会へ行ってきた日曜日。10月にも関わらず、天気はすごく良くて暑いくらいだ。 今回行ってきたのは、アンディ・ウォーホル展。アートのことに造詣が深いわけではないがこの名前は知っている。 知っているアーティストの展覧会というのも珍しいので、時間があれば行きたいとは思っていた。 そして、今日その展覧会へ行くことができたので、備忘のための感想めいたものを帰り道の喫茶店にて、記しておきたいと思う。 ○前提 アンディ・ウォーホルと聞いて、知っていたのは、せいぜいマリ

          【展覧会】アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO|京都市京セラ美術館/ポップとアート