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(~'21/11/11)特許法121条 拒絶査定不服審判

(~'21/11/11)特許法121条 拒絶査定不服審判

 さて、拒絶査定不服審判からは、短答式試験にもよく出題される分野であり、実務でも結構使う規定になります。

 拒絶査定不服審判は、簡単に言うと、審査官が間違って拒絶査定した場合の出願人の救済のために設けられています。

 詳しく書くと、拒絶査定不服審判は、拒絶査定の妥当性について審理判断し、審査に対する続審としての性格を有する準司法的行政手続です(121条1項)。
 特許法は真に保護に値する発明の

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(~'21/09/21)特許法93条 公共の利益のための通常実施権の設定の裁定(公益裁定)

(~'21/09/21)特許法93条 公共の利益のための通常実施権の設定の裁定(公益裁定)

この記事は、'21/09/21までの過去記事です。最新記事は、こちらをご覧ください。
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 特許法93条は、特許発明の実施が公共の利益の為に「特に」必要である場合に経済産業大臣の裁定により強制的に通常実施権を設定する制度です。
 特許権は独占排他権であるため、特許権の存在が公共の利益を害し、国民に多大な損害を与える事が考えられます。そのような場合には何らかの

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実用新案法48条の14 無効理由の特例

実用新案法48条の14 無効理由の特例

 外国語実用新案登録出願の明細書等が、国際出願日の明細書等の範囲ではないことは無効理由になります。。

・実用新案法48条の14

(無効理由の特例)
第四十八条の十四 外国語実用新案登録出願に係る実用新案登録無効審判については、第三十七条第一項第一号中「その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき」とあるのは、「第四十八条の四第一項

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実用新案法48条の13の2 訂正の特例

実用新案法48条の13の2 訂正の特例

 本条では、外国語実用新案登録出願に対して、実14条の2第1項の訂正を行う場合、国際出願日の明細書等の範囲で訂正できることを規定しています。

・実用新案法48条の13の2

(訂正の特例)
第四十八条の十三の二 外国語実用新案登録出願に係る第十四条の二第一項の規定による訂正については、同条第三項中「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは、「第四十八条の四第一項の国

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実用新案法48条の13 実用新案技術評価の請求の時期の制限

実用新案法48条の13 実用新案技術評価の請求の時期の制限

 本条は、国際実用新案登録出願における、実用新案技術評価の請求時期を規定したものです。
 
 国際実用新案登録出願の場合、国内処理基準時の経過後でなければ、実用新案技術評価の請求をすることができません。

・実用新案法48条の13

(実用新案技術評価の請求の時期の制限)
第四十八条の十三 国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、第十二条第一項中「何人も」とあるのは、「第四十八

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実用新案法48条の12 登録料の納付期限の特例

実用新案法48条の12 登録料の納付期限の特例

 本条は、国際実用新案登録出願の登録料の納付期限を規定したものです。

 国内出願の場合、出願時(出願と同時)に登録料を納付します。
 一方、「国際」実用新案登録出願の場合、「国内書面提出期間内又は国内処理の請求時まで」に、登録料を納付します。

・実用新案法48条の12

(登録料の納付期限の特例)
第四十八条の十二 国際実用新案登録出願の第一年から第三年までの各年分の登録料の納付については、第

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実用新案法48条の11 出願の変更の特例

実用新案法48条の11 出願の変更の特例

 本条は、特許法184条の16に対応した規定です。
 本条では、国際出願(特許出願)から実用新案登録出願への変更の時期制限について規定されています。

 日本語特許出願、外国語特許出願の両方で、国内移行の手数料納付後でなければ、実用新案登録出願への変更はできません。

・実用新案法48条の11

(出願の変更の特例)
第四十八条の十一 特許法第百八十四条の三第一項又は第百八十四条の二十第四項の規定

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実用新案法48条の10 実用新案登録出願等に基づく優先権主張の特例

 本条では、実用新案法8条の読み替えで、優先権主張を伴う出願が、出願公開された場合における効果が規定されています。
(実8条は、特29条の2の拡大先願に対応する規定です)

 日本語実用新案登録出願では、タイミングが「実用新案掲載公報の発行」から、「実用新案掲載公報の発行又は国際公開」に変更されます(実48条の10第2項)。

 外国語実用新案登録出願では、(i)拒絶する側の明細書等が国際出願日に

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実用新案法48条の9 実用新案登録要件の特例

 本条は、実用新案法3条の2の規定を国際出願に適用するための規定です。
(実用新案法3条の2は、特許法29条の2に対応した規定です)

 本条では、実用新案法3条の2の出願公開を、出願公開又は国際公開と読み替えています。つまり、拒絶する側の出願が国際出願である場合、出願公開又は国際公開がなされることにより、他の出願を拒絶する(又は、無効理由が発生する)ことになります。

・実用新案法48条の9

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実用新案法48条の8 補正の特例

実用新案法48条の8 補正の特例

 本条は、国際出願の補正期限(補正可能期間)を規定しています。

 準用する特184条の7第2項、184条の8第2項、PCT28条(1)、PCT41条(1)の補正は、実2条の2第1項ただし書の期間に限定されません。PCT28条、PCT41条の補正は、PCTの規定が直接適用されます。

 外国語実用新案登録出願の場合、国際出願日における原文範囲で補正ができます。言い換えれば、誤訳訂正書を出さなくても

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実用新案法48条の7 図面の提出

実用新案法48条の7 図面の提出

 実用新案法では、特許法とは異なり、図面は必須の書類です。

 しかし、PCT制度上は図面提出が必須ではないので、国際実用新案登録出願に図面が含まれていない場合も考えられます。このような場合、特許庁長官から図面提出命令がなされます。図面提出命令がなされても図面を提出しない場合、出願が却下されることがあります。

 ただし、提出した図面の内容によっては、新規事項追加となることがあります。この場合、図

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実用新案法48条の6 国際出願に係る願書、明細書等の効力等

実用新案法48条の6 国際出願に係る願書、明細書等の効力等

 本条は、特許法184条の6に対応した規定です。
 本条は、国際特許出願の国内段階における願書、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書について規定しています。

・実用新案法48条の6

(国際出願に係る願書、明細書等の効力等)
第四十八条の六 国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。
2 日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書

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実用新案法48条の5 書面の提出及び補正命令等

実用新案法48条の5 書面の提出及び補正命令等

 本条は、特許法184条の5に対応した規定です。

 本条は、国際実用新案登録出願の国内段階への移行に必要な書面(国内書面)の提出について規定しています。

 特許法とは異なり、実用新案法では、出願と同時に登録料を納付することになっています。このため、登録料を国内書面提出期間内に納付しない時は、補正命令がなされます。

 また、国内処理の請求(特許法での出願審査請求に相当)には、所定事項を記載した

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