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「指示待ち」は個人の問題?組織の問題?

働き方改革やコロナ禍でリモートワークが進む中で、課題となっていることの1つに「指示待ちの社員(個人)が多い」ことが挙げられる。業務に対して消極的になっていると、その業務が進まなくなり会社に悪影響を及ぼしてしまう。

確かに、社員自ら積極的に業務を行ってくれると会社としてはありがたいことであり、社員に対して自主性を求めることも理解できる。しかし、「個人(会社員)」と「組織(企業)」それぞれを見たときに、「組織(企業)」にも「指示待ち」になっている部分があるのではないかと考える。「木を見て森を見ず」ではないが、全体を客観的に俯瞰的にみると「組織(企業)」にも「指示待ち」状態から改善すべきところがあるのではないかと思う。

今回はその「指示待ち」について、個人&組織それぞれの立場に対して、自身の経験も踏まえ問題提起していこうかと思う。

【Ⅰ】個人における「指示待ち」

まず、個人(会社員)レベルから見た「指示待ち」について。
これは単純に「いま担当している仕事に興味があるか・興味を持てるか」ということです。会社から与えられた仕事に対して自分から進んで行おうという気持ちがあれば、上司からの指示に対して、先を読んでまで仕事に取り組むことができるはずだ。(先の読みすぎは少しすれ違いを生むかもしれないが)

しかし、それに興味がなく、ただ「やらされているだけ」というモチベーションであれば、積極的にやりたいとは思わないし、やるとしても上司に言われてやっと重い腰を上げてすることにすぎず、当然出来のいいものにはなりません。だからと言って、全くその仕事を放棄するようならば、会社は今後その人の面倒は見なくなるでしょう。(=解雇)

なので、個人レベルにおける「指示待ち」を改善したいのであれば、現在もしくはこれから担当する仕事について、「その目的や依頼した理由を依頼者に聞いてみる」というのが第1手段だと考える。上司からその人に仕事を依頼するからには、上司にも依頼することへの責任が伴う。それを利用して、上司にそれらについて聞いて理解できると「やってみようかな」と思い、仕事に対しポジティブな姿勢に変わるのではないだろうか。それが進化していくとその仕事に対する興味に変わってきて、指示を待たずとして自分から取り組むことができると思う。

しかし上記のことを行ってみても、「依頼内容に納得できない」などのネガティブな気持ちが残る場合は「思い切って断り、違う人に頼むよう提案する」「違う部署への配置転換を希望する」などといった方策を取ることになるだろう。昨今の働き方改革の影響で、かつてのような”上からの指示が絶対”という時代ではなくなったので、いまの仕事に対して納得できない・不満がある箇所があれば、上司に対して進言してもよいと思う。ただそのためには、それなりの確固として理由と、こうすればよいのではという代替案が必要である。上記のように思い切って断ることができれば、自分にとっては気持ちが軽くなり、他の仕事に対するパフォーマンスが上がるほか、会社にとってもその人の特性をまた1つ知ることになり、今後のキャリア構成に繋がるのではないかと思う。

【Ⅱ】組織における「指示待ち」

続いて組織における「指示待ち」について。
これは2つあり、「経済を作っている主体の1つであることを自覚する」ことと「組織自らがバージョンアップしていくことが必要だ」ということである。

まず「経済を作っている主体の1つであることを自覚する」というのは、経済学で経済を構成しているのは「政府(行政)」「企業」「家計」の3つであると定義されている。それだけ企業に課せられた、その国の国力を上げるための責任というのは相当なものである。その責任を果たすためには、企業自らがイノベーションを起こしたり、効率的な働き方に変えて生産性を上げることなどが挙げられる。しかし、現状を見ると、日本企業単独ではイノベーションは起きづらく、海外企業との提携などで初めて事業転換などが急速に進んでいる(2010年代の電機業界のように)。
また、テレワークや長時間労働の是正なども、問題が世間に明るみになって、政府が法制化などして実際に要請してから初めて取り組み始めているというのは、今回のコロナ禍で感じた。なので、総じてみると「日本企業は海外や国からの指示待ち」状態になっているのではないかと考える。会社内では、社員に対して「指示待ち」をなくすように取り組んでいるかもしれないが、その前にまずは会社そのものが「指示待ち」状態になっていないか客観視することが必要ではないかと思う。社員が指示待ちになっているのも会社側に原因があるのかもしれない。それに気づき改善していけるようなスタンスでいることが重要ではないだろうか。

「組織自らがバージョンアップしていくことが必要だ」というのは、上記のことに付随した形になるが、時代が目まぐるしく変化していくなかで、組織内に自浄作用&世代交代がないと、古い考えでしか行動することができず、上記のような「指示待ち」状態に繋がっていくのではないかと思う。失敗を恐れず、働き方改革等に積極的に取り組むことが、今後の生存戦略ではないかと考える。


まとめ

これまで個人及び組織における「指示待ち」について述べてきたが、この2つを合わせると「日本全体が指示待ち」になっているということになる。最近では政府も地方自治体や国民などからの声があってようやく動くという「指示待ち」になっているので、誰かから自発的に発信していくという習慣がますます薄れてしまっているのではと危機感を持っている。個人・組織それぞれの問題点を整理&理解したうえで、どう改善すればよいかというのを早急に考える必要があるだろう。

同調圧力・リスクを取ることを恐れずに自分から動くような環境になると、日本の活力は今後も高まってくるのではないのかなと思う。

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