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子どものあくびから新たな事実に辿り着いた話

先日水曜日の3時間目にかれこれ数年の付き合いの女の子が来てくれました。雑談をしながら勉強をしていますと、彼女があくびをしました。少し時間が経つと2回目のあくびが出ました。私は、


「今日は何だか眠そうやね。お疲れかな?」



っと声をかけました。すると彼女は、


「そうなんだよね。実は昨日家に帰ったのが遅くて。」



っと話してくれました。そこから色々とあった事を話してくれました(守秘義務のため詳細は伏せます)。まあその話し自体は一見大きく注目する所もなくそういう事もあるよねぐらいの話しだったのですが、いくつか引っかかるワードと言いますか言葉や出来事の裏からチラチラと見え隠れするものがありました。私はこのような場合チラチラと見え隠れするものを点としてそれぞれを繋ぎ合わせた時にそれが線になったり面になったりするかを頭の中で考えます。要は推察や憶測のみで推し量っていくのではなく、簡単に言うと証拠を集めてそれが推察の可能性をどれぐらい引き上げるかを見ていっています。この時の私の出した答えは、


これはきっと面になるからすぐに学校に報告



だった訳なんです。その後、副校長先生と養護教諭の先生にご報告させて頂きました。結果としましては、その子の兄弟の事で今児童相談所が絡んでいるとの事でした。今回私が報告した事も児童相談所と共有すると言う事になりました。副校長先生にはこんなに話しを聞き出せるなんてあなたしか出来ないよ〜っと言って頂きましたが、カウンセラーさんの中でも出来る方は沢山いらっしゃります。


2回のあくびから児童相談所に報告する話しまでに話しが大きくなったと言う事なんです。もちろん私はその子のご兄弟に何かあった事は全く知りませんでした。では、私がなぜあくびに引っかかってそこで声をかけたかと言うポイントをお話ししていこうと思います。箇条書きで簡単に説明していきますと、


①水曜日の3時間目にあくびはあまりない


月曜日はあくびが増えます。土日など休日を挟んで生活リズムが崩れたりお出かけしたりでいつもとは違う生活になり十分に睡眠が取れなかったり疲れが残っていたりします。連休明けも同じような事があります。水曜日は比較的1週間の中でまだ余力が残っている曜日です。これが金曜日なら疲れが溜まって来る時期ですのでまた変わって来ます。あと3時間目と言うのもポイントで、ギリギリまで寝ていてまだ眠くて1時間目にあくびが出る子や5時間目に給食を食べた後に眠くなりあくびが出る子は居ます。曜日と時間が1つのポイントで水曜日の3時間目にあくびが出るという事は何かの要因があり相当眠い事が一つの可能性として推察されます。



②ゲームをしないしYouTubeも見ない


この子はゲームをしません。ゲームをする子はどうしても夜遅くなってしまう事がありますが、この子はやらないのでその可能性は消えます。YouTubeも普段聞いている話しからそんなに見ない事がわかっています。動画を見ていて遅くなった可能性もこの時点で低くなります。


③今まであくびをする事などなかった


いつも夜遅くまで起きている、今まではそんなに遅くなかったけど最近は遅くなって来ている、生活リズムの乱れからよくあくびをしている、など来てくれている子全員の状況をさりげなく聞き取っていて把握しています。そのまま確定させるのではなく状況は常に変化していますので、定期的にさりげなく聞き取りながら頭の中で情報を修正していっています。この子の場合今まであくびをした事もなければ生活リズムも乱れておらずここであくびをした事が初めての変化となります。



ざっとはこんな感じです。正直③だけで声かけをする理由としては足りているのですが、これはこの子だけの情報となります。そこに客観的に見た時の判断基準として①と②を加える事により、より可能性を高めた推察へと導いて行く事が出来ます。そして、最後はこれらの過去と現在の点と点を結んでいきまして声かけをするかを選択していく事になります。


っとまあ私の頭の中を少し解説してみました。私の仕事はこのようにあくび一つを見逃さない技術を基本技術として身に付けておく必要があります。私たちのような現場の前線でやっている人間の思考って何を考えていて何をしたいのか中々わからないですよね。時には今回のようにどのように進めているのかお伝えしていければと思っております。このようなアプローチをトライアンドエラーで数え切れないぐらいに日々行っています。大きな何か手ごたえや成果が無くとも日々数え切れないぐらいの見えないトライアンドエラーを繰り返しています。私より上の技術の方も沢山いらっしゃり、そういう方々から沢山指導を受けて来たので今の私があります。これどう思います?◯◯さんならどう解釈しますか?と聞きまくって来ました。どの仕事でも同じだと思いますが、私もこの人はと思う方々には声をかけまくり教えを乞いて来ました。まだまだ全然足りませんがこれからも日々勉強と経験の積み重ねです。少しでも何かの参考になれば幸いです。

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