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卒業制作『恋愛感情の翻訳』について

今回からは、大学の卒業制作について話していこうと思います。
前回に引き続き、長期に渡って連載していくことになりそうなのですが、最後までお付き合いいただけると幸いです。


私は今年の3月まで、美術大学デザイン系の学科に所属していた。

私の学科では、卒業制作のテーマは自由で、本当に何を調査しても、何を制作しても許される雰囲気だった。

一生に一度の卒業制作。
「せっかくなので自分が1番楽しいと思える内容をやりたい!」という思いから、私は『恋愛感情』をテーマに制作することにした。

私は、“恋愛感情”が好きだ。
片想い失恋などの、人に対する強い感情を表現しているものに惹かれる。
誰かを一途に想い続け、報われなくて傷ついて情緒不安定になって、それでも尚諦めきれなくて。
そういった、繊細で美しくて綺麗で尊い感情がとにかく大好きで、
眩しくて、キラキラと輝いていて、尊くて、切なくて、美しくて、痛くて、胸の奥が締め付けられるような、心が浄化されていくような感覚に陥る。

私自身にとって1番「心を動かす」存在であり、私自身にとって1番「心に寄り添ってくれる」存在である“恋愛感情”をテーマにすることで、「人の心を動かす」「人の心に寄り添う」ということについて考えていった。

具体的には、「恋愛感情」をテーマに、「自分自身の経験」「Googleフォームでのアンケート」「楽曲の歌詞」「昔の和歌」といった4つの観点から、調査・分析・考察をしていった。

そこから、『恋愛感情の翻訳』というタイトルで、「“私”による翻訳」「“現代の若者”による翻訳」「“現代の作詞家”による翻訳」「“古の歌人”による翻訳」の4冊の冊子を制作した。

この冊子は主に文章によるものだが、4冊合計で1000ページ超え22万文字超えといった大作となってしまった。
「卒制というよりも卒論っていう感じだね」といったことを周りから言われたりもした。
確かに卒論に近いかもしれないが、一般大学の卒論のように決められた書き方や縛りもないので、本当に好き勝手書くことができ、楽しくて仕方がなかった。
また、その表紙となるビジュアル等も制作していった。

「“私”による翻訳」
「“現代の若者”による翻訳」
「“現代の作詞家”による翻訳」
「“古の歌人”による翻訳」


最初は、本当にこのテーマで良いのだろうか、他の人のようにもっとしっかりした内容を研究した方が良いのではないか、と色々考えていたが、
自分が1番やりたいテーマを選んだおかげで、最初から最後まで本当にずっと楽しくて仕方がなかった。
結局は自分のやりたいことを突き詰めるのが1番なんだな、と学ぶこともできた。

中途半端にしたら批判されそうなテーマだとも思ったので、意地でも手を抜きたくはなくて、ゼミの教授に「終わらないからこの部分はやらない方が良い」と言われた部分も無視してやり続けたり、終わらなさすぎて講評直前まで作業していて、助教さんに怒られてもめげずに頑張ったりしてきた。
手を抜いてまで無理矢理完成させて卒業するくらいなら、卒業できない方がマシだと思いながらやってきた。
卒制のためなら命を賭けてもいい。
そのくらいの覚悟でやってきた。

そのおかげで、自分の満足がいくまでやり抜くことができたと思う。
こんなに1つの課題に向き合うことができたのも、やり抜くことができたのも、今回が初めてだった。

展示当日も、沢山の方に作品を見てもらうことができ、沢山のコメントをいただくこともでき、「冊子のデータを送って欲しい」という言葉も沢山いただけて、本当に幸せだった。
こんなに沢山の人に自分の作品を見てもらえる機会なんてこれまでなかったので、本当に感極まってしまった。

(余談だが、「“私”による翻訳」の冊子では、自分が過去に好きになった人に対して感じた感情なども山ほど書いている。その冊子を作る元となった「大学時代に好きだった人」張本人にも私の作品を見てもらうことができたのは、本当に嬉しくて恥ずかしくて幸せで、なんとも言えない不思議な感情だった。)


今回は大まかな説明となってしまいましたが、次回以降、それぞれの冊子の内容を元に、自分自身の恋愛観・過去に感じた恋愛感情「恋愛のアンケート」の結果今回の卒業制作を通して感じたこと など、色々と述べていこうと思います。
今後とも、よろしくお願いします!

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