眠い森林
2021年にかけての更新です
詠題:「火」 存在生命意義線 森田玲花 爪先に灯るような劣情から髪全体にこびりつく情念まで、全部まとめて飲み込んでみせてよ。どこにも行けない形状記憶のカッタ…
詠題:「演劇」 傍観者 森田玲花 私と私が手を取り合うとき、 指先では一種の諦めが通過し 知らない名前を交換こしあう もういいよ の繰り返し 秘密をまとえば絶世…
詠題:「祈り」 寧日 森田玲花 燃える青さを忘れるなかれ 今宵の星はワット数が足りぬ (欲情 あまりにも 世界は 不安定 舐めとって ぐちゃぐちゃに そのまま…
詠題:車 スルー&ペースト 森田玲花 容量いっぱいのピーナッツがあるとして、 解決法は捨てるか飲むか、吐き出すか どうあがいてもモンブランになれないのです だか…
詠題「許し」 みんな私のことが好き 森田玲花 グレーとブルーが入り混じる 十六時の空は窮屈で 膝を抱えて両手をあわせて 埋まらないマス目に祈りを捧ぐ 共感しまし…
詠題:ガチャガチャ 累卵 森田玲花 選ばれなかったXYZ 札束ごときに殺されて 上から目線の言付けに 相番振りわけ袋詰め 待っているから、でておいで ワーストエ…
詠題:日替わり弁当 恋愛代数 森田玲花 土曜の真夜中、新宿には毎週流星群が降っていることを私しか知らない。区役所通りのコンビニで言い訳のためのビールを買って散…
詠題:なし(各自自由) エチュード・アルゴリズム 森田玲花 正しい響きで発声しなさい へばりついた悲しみは タールで溶いても流せずに キリンの瞳を夢見てる 春の…
詠題:温暖化 カンフル計画 森田玲花 眠気は背骨からやってきて 曇天に恋して綻んでいく 結論だけが道じゃないのに 抱きしめることしか今日はできない 咲き乱れて、…
詠題:こたつ 脱却 森田玲花 帰りたくない翌日は 噛み砕いた言葉がつっかえて カフェインの雨に打たれてる 惰性に燻され逆剥けた 地球に半分埋まって溢れる前、 指先…
詠題: #404美術館 漂着しない鍵たち ねむみえり ここは宇宙でした 何もかもを生んで殺した 愛はすべてを許してくれるはずだったのにね 裏切ったのならごめんなさい …
詠題: #404美術館 会えないあなたへ 森田玲花 まばたきの音が告白だと気付いたのは 本当の名前を知らないことと地続きだから 見せつけるための交換会、 気付いて世…
詠題:タピオカランド 売り切り 森田玲花 振り返らない背中は 甘くなった夜空のオリオン座越しに 境界線がぼやけてとろける 愛で太った夏の夢 あと一口が飲み込めな…
詠題:夢中 計画的偶発性理論 森田玲花 二重に泳ぐ月を見てよ 食べた眠気は消化できず わたしたちはみんな 奇数になってしまったよ 分かり合えない煙たさ 全部舐め…
詠題:宙 エンドロール 森田 玲花 正義の刃は抜けなかった。が 終わりのはずなのに 今日も世界中で言葉が燃える (慈しみを持って月を半分に割りなさい 与えなけ…
詠題:本 切り裂きアイデンティティ 森田 玲花 近頃、定義が曖昧だ 明日がどっちかわかんない 招待状と目指すは黒猫 言葉を使って生きねばいけない なる早税を支払…
2021年9月30日 18:38
詠題:「火」存在生命意義線 森田玲花爪先に灯るような劣情から髪全体にこびりつく情念まで、全部まとめて飲み込んでみせてよ。どこにも行けない形状記憶のカッターで、地平線に一本の血潮の線を引く。バンクシーのように誰にも知られない天才になりたかったあの頃を、順番にエスカレーターで荷運びしたら、重量オーバーになって秋が来た。欲しいと願うなら差し出しなさいとどこかの神が言うほど、両手に差出せる言
2021年8月31日 18:08
詠題:「演劇」傍観者 森田玲花私と私が手を取り合うとき、指先では一種の諦めが通過し知らない名前を交換こしあうもういいよ の繰り返し秘密をまとえば絶世の美女駅構内ではネズミが轢かれたそれを片目に私はキスした見て見ぬ振りする姿を見かねて私は私に罰を下した乗っ取るのか 乗っ取られるのか私が私か 私が私か全部フラペチーノにしたら灰皿がわりにありったけの笑いを
2021年8月2日 16:52
詠題:「祈り」寧日 森田玲花燃える青さを忘れるなかれ今宵の星はワット数が足りぬ(欲情 あまりにも 世界は 不安定 舐めとって ぐちゃぐちゃに そのままに ずるいだけ の ささくれ じくじく じわじわ コンマ数秒 の 目線 ピューリタン 目隠し いけない すがって 壊して)サイヤクせよサイアクは誰無血革命だって紅色(美しさ は 嘘 まみれて ほどこして ほどいて 一斉レ
2021年6月30日 10:09
詠題:車スルー&ペースト 森田玲花容量いっぱいのピーナッツがあるとして、解決法は捨てるか飲むか、吐き出すかどうあがいてもモンブランになれないのですだから、すべてが晴れるまではせめてノーブレーキで生きるしかない何回考え直してみても人間にはなれない女でした。誰もいない噴水の隅で指輪を鳴らしてだらしない蜜事バレる前にストゼロ含んで、高速代に換金してよ消費されるくら
2021年5月31日 18:19
詠題「許し」みんな私のことが好き 森田玲花グレーとブルーが入り混じる十六時の空は窮屈で膝を抱えて両手をあわせて埋まらないマス目に祈りを捧ぐ共感しましょう 海の淵まで願わくばひとりぼっちでもかみさまになって地球をつつみ誰一人欠けないように 涙の真綿で愛してるなんて言い訳がもういいかい、に変わる頃私の言葉は切り刻まれてどこにも行けないもうさよならだbeg ね
2020年6月1日 00:37
詠題:ガチャガチャ累卵 森田玲花選ばれなかったXYZ札束ごときに殺されて上から目線の言付けに相番振りわけ袋詰め待っているから、でておいでワーストエンドサークルでわたしは赤い血が出ないないものねだり ねむみえり何度回しても落ちてくるのはいらない私の片腕でした積み上げた銀のコインは音を立てて崩れてしまったしあの子の正体も分からないまま部屋に充満する腐臭
2020年4月30日 22:23
詠題:日替わり弁当恋愛代数 森田玲花土曜の真夜中、新宿には毎週流星群が降っていることを私しか知らない。区役所通りのコンビニで言い訳のためのビールを買って散歩をすると、横を歩く男女の固く結ばれた手のひらが発光し、淡くまたたいて空へと還っていく。あっちは真っ赤に、こっちは緑に。気づけば彼ら彼女らは一晩過ごすための宿泊施設で愛を囁くために消えていき、それがそのまま天の川になる。恋人たちの歌は
2020年4月1日 21:44
詠題:なし(各自自由)エチュード・アルゴリズム 森田玲花正しい響きで発声しなさいへばりついた悲しみはタールで溶いても流せずにキリンの瞳を夢見てる春のまたたきをなぞるだけ遠くで聴こえる分裂が凍結している背中だろう生存戦略 ねむみえり届かない声でできた沈殿物混ぜるな危険希死念慮が発生します狂ってしまわないように適切に瀉血している秒針に乗って遠ざかる心臓
2020年2月29日 18:33
詠題:温暖化カンフル計画 森田玲花眠気は背骨からやってきて曇天に恋して綻んでいく結論だけが道じゃないのに抱きしめることしか今日はできない咲き乱れて、吸って吐くショートカットで世界を征服五時の鐘が鳴らないせいマーガレットが舌を剥く分離された足元と耳鳴り ねむみえり世界は大渋滞ゆらゆらと動く水面には死んでいったものたちの影何処へもたどりつけない僕たちに溶
2020年2月1日 00:21
詠題:こたつ脱却 森田玲花帰りたくない翌日は噛み砕いた言葉がつっかえてカフェインの雨に打たれてる惰性に燻され逆剥けた地球に半分埋まって溢れる前、指先から二度と愛が紡げないさようならなんて言ってたまるかちぎる ねむみえりここはぬるま湯落ちていく体温を感じてもどこへも行けないことは暗黙の了解だねやがて息絶えていく私たちだから言葉を使うことはやめようどこへ
2020年1月2日 22:49
詠題: #404美術館 漂着しない鍵たち ねむみえりここは宇宙でした何もかもを生んで殺した愛はすべてを許してくれるはずだったのにね裏切ったのならごめんなさいでも確かにここでは誰かの信号が点滅していましたもう一度、生き返るまで、何度も呼んで------------------2019年3月から開始した「眠い森林」。活動2年目のとなる2020年は、毎月のnote更新の
2020年1月2日 22:48
詠題: #404美術館 会えないあなたへ 森田玲花まばたきの音が告白だと気付いたのは本当の名前を知らないことと地続きだから見せつけるための交換会、気付いて世界に証明して刻んでよシーツの密度が冷たくなったら両手をひらいて突き落としてね------------------2019年3月から開始した「眠い森林」。活動2年目のとなる2020年は、毎月のnote更新の他にも様
2019年12月28日 16:30
詠題:タピオカランド売り切り 森田玲花振り返らない背中は甘くなった夜空のオリオン座越しに境界線がぼやけてとろける愛で太った夏の夢あと一口が飲み込めない忘れたことさえ忘れちゃうなら心拍数、全部捧げようね幻影 ねむみえりあの国が幻であったように君も僕も幻である僕たちが消費していた青春はどこかから運ばれてきた舶来品の一部それは了承済みであったね重なった夢
2019年11月30日 16:22
詠題:夢中計画的偶発性理論 森田玲花二重に泳ぐ月を見てよ食べた眠気は消化できずわたしたちはみんな奇数になってしまったよ分かり合えない煙たさ全部舐めとってあっち向いてよ痛いだなんて言わないでここが明日かそっと教えて点描画 ねむみえり幸福という甘味をただ頬張るだけの生活は幻だろうか振り返れば刺される過ぎ去りし私の影だ手をつないで一緒に鏡の
2019年10月31日 20:45
詠題:宙エンドロール 森田 玲花正義の刃は抜けなかった。が終わりのはずなのに今日も世界中で言葉が燃える(慈しみを持って月を半分に割りなさい 与えなければ、両手を差し出せないわ)あなたの声と私の声が同じなはず、ないのにねちゃんと息継ぎできることをていねいに、ていねいに祈っているよ消滅 ねむみ えりふわり飛んで君を捨てたさよなら、可愛い人ちぎれた指
2019年9月25日 21:25
詠題:本切り裂きアイデンティティ 森田 玲花近頃、定義が曖昧だ明日がどっちかわかんない招待状と目指すは黒猫言葉を使って生きねばいけないなる早税を支払ってくれいいから黙ってジャンプでララバイとか考えているうちに爪が欠ける肉片と情緒 ねむみ えり人の生活を覗きたい因数分解してみたいいかに生きてきたんですかいかに死んでいくんですか冠婚葬祭何も間に合わな