2020年4月 詩「恋愛代数」「過食」
詠題:日替わり弁当
恋愛代数 森田玲花
土曜の真夜中、新宿には毎週流星群が降っていることを私しか知らない。区役所通りのコンビニで言い訳のためのビールを買って散歩をすると、横を歩く男女の固く結ばれた手のひらが発光し、淡くまたたいて空へと還っていく。あっちは真っ赤に、こっちは緑に。気づけば彼ら彼女らは一晩過ごすための宿泊施設で愛を囁くために消えていき、それがそのまま天の川になる。恋人たちの歌は鳴り止まないけど、本物かどうかなんて私にはもちろんわからなくて、ぽっかりと空いて