マガジンのカバー画像

精神保健福祉士を目指すあなたへ

21
僭越ながら精神保健福祉士を目指す方に伝えたいことを書いていきます。主に私の経験や今感じていることが主。頻度は不定期。コメントや問い合わせフォームでリクエストとかいただけると嬉しい。
運営しているクリエイター

#相談員

相談員のセンスとは

相談員のセンスとは

「センス」と呼ばれるもの。
これはなかなか見えないもので、でも仕事をしていると確実に存在しているものだと気付きます。
自分自身がやっている様々な工夫や、気付きの数々をこの言葉で終わらせるのは簡単です。
後輩を指導する時にこの言葉を使わないように意識をしますが、これがなかなか難しい。

私のことは一度棚上げしますが、正直私が従事している業務、相談員という業務はセンスに左右される部分が大きいと思ってい

もっとみる
面談の準備と構成

面談の準備と構成

先日、新人と車中で話していた時のこと。
面談の際の質問の内容について聞かれました。新人からすると、何を聞いていいのかわからない時があるようです。

私も働き始めた当初は、どのようなことを聞いたらよいのか迷うことは大いにありました。聞く内容、聞き方、その必要性、タイミングなどなど。
質問の方法や仕方、というよりも、面談に臨む際の準備と言っていいかもしれません。
面談の前にどのようなことを整理している

もっとみる
相談者の捉え方

相談者の捉え方

相談員を始めて今年度が10年目になります。

1年目と比べればそれはそれは様々な点で取り組み方が変わったのだと思います。

良くも悪くも、ですね。

今年度から新人が入ってきました。
事業所内ではあまり込み入った話はできませんが、車で移動する時にはいろいろと話をしています。
その中で業務のことというよりも、相談員としての取り組みの姿勢や視点、考え方を話すこともあります。
そこに関心を持って聞いてき

もっとみる
バイスティックの7つの原則~非審判的態度~

バイスティックの7つの原則~非審判的態度~

先回は「受容」についてまとめました。

今回は「非審判的態度」についてまとめてみます。

非審判的態度とはいつも通りwikiから抜粋。

“ワーカーは善悪を判断しないとする考え方。善悪の判断はクライエントがおこなうものとする。否定されることは信頼関係に影響するので、受容の観点からもこの考え方が要求される”とあります。

つまり、クライエントが話すことの意味や意図はクライエント側にあるので、ワーカー

もっとみる
バイスティックの7つの原則~受容~

バイスティックの7つの原則~受容~

先回の記事では「統制された情緒的関与」についてまとめました。

今回は「受容」についてまとめます。

「受容」とは何か、私自身の理解も交えながら、実際の支援の場でどのように意識しているかを記載します。

受容とはいつも通りwikiからの抜粋になります。
“クライエントの考えはクライエント自身の個性であるため、頭から否定せず、どうしてそのように考えたかを理解する必要がある。ただし、受容とは反社会的な

もっとみる
バイスティックの7つの原則~統制された情緒的関与~

バイスティックの7つの原則~統制された情緒的関与~

先回の記事では「意図的な感情表出」についてまとめました。

今回は引き続き、バイスティックの7原則のひとつである「統制された情緒的関与」についてまとめます。

「統制された情緒的関与」とは何か。私自身がどのように理解し、日々の支援で意識しているのかを振り返ります。

統制された情緒的関与とは再びwikiから抜粋します。
“ワーカー自身がクライエントの感情に呑み込まれないようにすること”とあります。

もっとみる
バイスティックの7つの原則~意図的な感情表出~

バイスティックの7つの原則~意図的な感情表出~

前回の記事ではバイスティックの7原則より、「個別化」を取り上げました。

今回は「意図的な感情表出」についてまとめてみます。
こちらの原則の内容と、それに対する自分の意見や支援場面での意識について記載していきます。

意図的な感情表出とは“クライエントの感情表出の自由を認めること。特に否定的な感情や独善的な感情を表出させることでクライエント自身が自分の外的・内的両面の状況を俯瞰しやすくすることを目

もっとみる
バイスティックの7つの原則~個別化~

バイスティックの7つの原則~個別化~

「バイスティックの7つの原則」をご存じでしょうか。
社会福祉士や精神保健福祉士などの支援職には馴染みのある対人援助のテクニックです。

対人援助は人と人のことなので、どうしても相性というものが影響します。それはつまり、支援にはその支援者ごとの「色」が出るということ。要は対応に幅が出るわけです。
そりゃまあ、人ですからね。ですが、その幅がとんでもなく広いのも考えものです。
対人支援における原則、基本

もっとみる
障害とはなんぞや

障害とはなんぞや

「障害」と呼ばれる状態を始めて知ったのはいつだったでしょうか。

「障害とはなんぞや」という視点は、支援をする上で出てくる疑問で、その後の支援の検討や、支援者の自己研鑽を行う上で必要な視点だと考えます。

今回は私が「障害」と呼ばれるものを知っていった経緯について振り返り、支援者として関わる中でどのように捉えるようになったかをまとめてみます。

「障害」との出会いと変遷私は小学生の頃、道徳だか総合

もっとみる
精神保健福祉士を目指すあなたへ⑦~「きく」ことについて~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑦~「きく」ことについて~

みなさんは「きく」こと、得意でしょうか。
「きく」といってもいろいろな種類がありますね。今回は特に「質問する」といった意味での「きく」について書いてみようと思います。

学生の方はグループワークや演習で面談のロールプレイをしたことがあるのではないでしょうか。
私の場合、精神保健福祉士の養成校で先生を対象者と見立ててロールプレイをしました。自身の設定は精神科に勤めるワーカー。初診で来た対象者に対して

もっとみる
精神保健福祉士を目指すあなたへ⑥~未経験だからこその強み~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑥~未経験だからこその強み~

経験がない職域に飛び込む、または初めて働く。
その時に福祉業界が選択肢に入る方もいらっしゃるでしょうか。
「未経験歓迎」とよく求人情報に記載されています。その意味はいろいろとあるのだと思います。
私が今回書いていこうと思うのは、「未経験の方に仕事の上で何を求めるか」という点です。これは個人的な意見になりますが、未経験の人にこそ求めたい、期待したいことがあるのです。
これは福祉分野に就職を希望してい

もっとみる
精神保健福祉士を目指すあなたへ⑤~介護業務と相談業務~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑤~介護業務と相談業務~

昨今、介護の現場の厳しさや、処遇改善が言われております。
私の勤める法人には、介護(この場合は直接処遇=利用者の身体に触れる仕事を指しましょう)の現場が数か所あります。複数ある事業の過半数が介護業務を伴うものなので、私の所属する相談事業(相談員)は少数派。

今回は、同じ法人(会社)であるけれど、自分の担当する業務が違うために収入が変わってくる点から、介護業務と相談業務の違い、相談業務の中でもさら

もっとみる
精神保健福祉士を目指すあなたに④~新卒で相談員になるには~

精神保健福祉士を目指すあなたに④~新卒で相談員になるには~

相談員になりたい!と思っている方はどれだけいらっしゃるでしょうか。

今回は特に「新卒で相談員になるには」というテーマで考えてみようと思います。

こちらで話す「相談員」とは障害者福祉の中の「相談支援専門員」が最も近いものと思っていただけると幸いです。

 

「相談員」というものを私がどう捉えているかは過去の記事を参照してみてください。

また私が相談員として働くに至った経緯も過去に掲載している

もっとみる
精神保健福祉士を目指すあなたに③~養成校のこと~

精神保健福祉士を目指すあなたに③~養成校のこと~

今回は私自身が精神保健福祉士になるにあたって通っていた養成校について書いていきたいと思います。

養成校の概要については、各々で調べた方がいいでしょう(丸投げ)。

だって養成校に通う要件(四年制大学卒業など)があるし、学校によって通信制があるし、かかる費用も様々です。

 

私が書くのは、私自身の経験です。入校した決め手や、入校後のよかったこと、しておけばよかったこと。就職して9年経った今、そ

もっとみる