見出し画像

精神保健福祉士を目指すあなたに③~養成校のこと~

今回は私自身が精神保健福祉士になるにあたって通っていた養成校について書いていきたいと思います。

養成校の概要については、各々で調べた方がいいでしょう(丸投げ)。

だって養成校に通う要件(四年制大学卒業など)があるし、学校によって通信制があるし、かかる費用も様々です。

 

私が書くのは、私自身の経験です。入校した決め手や、入校後のよかったこと、しておけばよかったこと。就職して9年経った今、そんなこんなを振り返っていこうと思います。

 

 

学校の決め手

 

さて、私は高校を卒業後、四年制大学へ進学。3年生の時に精神保健福祉士という資格を知り、その道へ進もうと決めたわけです(以前の記事を参照)。


 

しかし調べてみると、これまでのように毎日通学する学校と、通信制の学校もあるではありませんか。また当時住んでいた県内には複数の学校があったので、どう決めたものかと当時の私は迷っておりました。

 

といっても、通信制の学校は候補には挙がりませんでした。当時の私の通信制のイメージはチャレンジ〇年生。中学校の頃にチャレンジしたチャレンジは数ヶ月も続かず断念。また学校に通わない代わりに働きに行くというイメージもなく、送られてくる教材で毎日勉強なんて無理だ、と判断していたのです。

そこで複数ある通学方式の学校が候補に挙がります。当時住んでいたアパートから通える範囲には2つの学校。とりあえず見学を申し込みました。ここでもう結構勇気を振り絞っていた当時の私。ああ、あの時の私はとても自信がなくて、とても就活はできなかったろうなあ。

 

最初はA校。こちらは後に見学するB校に比べると昔からある学校でした。建物の印象は暗く、正直あまり印象に残っていない見学でした(これ比較対象としてどうなの)。

対してB校。当時割と最近できており、また都会のランドマーク的な建物の一部が学校というおしゃれさ。正直「ここに通うの?俺が?」と自信のない私は引き気味。しかし、対応してくださった先生がとても親身に話を聞いてくれました。それが営業的なニュアンスも含んでいたのは当時あまりひっかからず。今思っても、営業的な側面はあっただろうけれど、当時の自分に合わせて話しの内容を考えてくれていたし、学校の魅力だけでなくて学費が高い点もあけっぴろげに話してくれていました。そして何より、先生が「どこで学んでも同じ精神保健福祉士としての仲間を作りたい」的なことを言ってくれて、応援してくれたことを覚えています。その先生の言葉や内容で、この学校で、この雰囲気で学びたいなと思いました。

 

大学の担当教授に相談してもB校の先生たちはいい先生だよ、と言われたのも大きかったのですが。正直大学生の私にはそこまで深く考える力はなかった。

でもこれって結構大事だと思うのです。そこに通う自分をイメージして、わくわくできるか、対応してくれた人の下で学ぶことをいいと思えるか(見学担当の先生は別の校舎に異動になっていましたが)。

私の決め手は「見学時の対応がよかったから」という何とも短絡的な理由でした。

 

 

学校に通ってよかったこと

 

1つは「仲間」と一緒に学べたこと。これに尽きるとも言えます。

養成校は「精神保健福祉士になりたい」という希望がない限り通ってこない場所です。同じ目標を持った仲間が毎日いる場所というのはモチベーションの維持に大きく関わりました。特に年上のクラスメイトは一度就職したけど資格を取りたくて、という人たちだったので、腹のくくり方が一段違ったように思います。そんな中でお互いに問題を出し合ったり、励まし合ったりして苦楽を共にできるのはこれまでにない経験でした。

 

これまで真面目に考えてきたことを発表する場所はあまりなかった私。大学のゼミは温度差を感じていたので考えを言うのをためらうこともありました。でもB校ではみんなが自分の想いをストレートに気恥ずかしさなくやり取りできる雰囲気がありました。褒め合うし、注意もし合う。そんな関係の中で、自分の考える「福祉職」とか「精神保健福祉士像」、「精神障害者について」、「自分自身について」などなど話し合う経験ができたのです。

 

もう1つは講師が講師である前に精神保健福祉士の先輩でいてくれたことです。

講師である以上、国家試験の合格率を上げることが学校から求められます。なので、制度や歴史など、試験で出ることに重きを置いておけばいいはずです。しかし、まず言われたことは、B校では「現場での即戦力の育成」を目指すということ。講師の先生からは、精神保健福祉士は「①技術②知識③倫理観」から成ると言われました。このうち国家試験では①と②が問われます。しかし、現場に出て学校で学んだ①と②が通用するかというと、まあそんなことはないわけで。

③の「倫理観」がない限り、現場に出ても対象者や同僚と話がかみ合わない、不利益を生じさせる可能性がある、その現場ごとの①と②が身につかないと説明されました。その上で、B校では③の精神保健福祉士としての倫理観の育成に重きを置いていると言われました。それは本当のことで、授業時間の多くの時間でグループワークを通じてテーマに沿った意見交換をおこなうことができました。

これが本当に大きかった。倫理観という言葉と一緒に言われた「自己覚知(自分の性格や考えの傾向などがいかに支援に影響するかを自覚すること)」を深める機会になりました。現場に出てからも常々この言葉を思い返して、学校ではいい経験ができたと振り返っています。先生ありがとう。

 

 

学生時代もっとしておけばよかったこと

 

まずもっと意見交換すべきでした。

いや、伸び伸びとしていたわけですが、もっともっと、苦手かもと思っていた人ともすればよかったのです。これはどこまでやっても足りるものではないとつくづく思います。

 

そしてアルバイト。

恥ずかしながら、親の脛をかじりつくした学生生活でした。

バイトをすることで本当に多くの体験ができたのではないかと振り返って思うことが多くありました。職種はなんでもいいのだと思います。単純に、現場に出てからの引き出しが多くなると思います。いや、多くなるチャンスが増えるが正しいか。

経験したことが多いということは、相談相手との共通点が増える可能性が上がるということだと思います。共通点があればいいわけではないですが、より相手の感覚に近づけるのではないかと思っています。

一方で、「バイトをあまりしなかった」という経験値を自分は持っているとも思っています。なので、どちらがいいというわけではないのかも。この辺はもう言葉遊びなのかもしれませんね。

 

 

まとめ

 

 

私の場合、学校は通いたいと思っていました。そして見学先の先生が信頼できそうだと思ったことから、通う学校を決めました。今にして思うと、学校のことよりもどんな先生がいて、どんな生徒が通っているかを重視していたのかもしれません。

 

通学して実際にクラスメイトに会う方が、個人的には資格取得にも、卒業後の業務にもプラスになると思います。モチベーションの維持や、辛い時に支え合う仲間がいるのは大きいよ。毎日会っていたから、卒業後も定期的に集まってそれぞれの話題を持ち寄ることもできたしね。当時の住まいから大きく引っ越した今も、たまたま当時のクラスメイトが近くにいるので、お互いに仕事の愚痴を酒のつまみに楽しみますよ(なおコロナ禍)。

 

バイトを含めて経験できることは多く経験した方がいいと思います。でも「経験しなかった」という経験が武器になることもあるのがこの仕事の面白いところ。あなたのその劣等感や失敗体験が、ある日とんでもない武器になることもあるのです。私はそう信じています。いや、武器にするのです(洗脳ではない)。つまりは使いようです。大丈夫、身になっている。

 

精神保健福祉士になるための養成校の決め方私編。

決め方については酷く短絡的で参考にならないですね(元も子も)。

大事なのはあなたの納得。私はこの轍に納得しています。だからよし!

 

迷っていることがあれば質問をば。私なりにお答えします。

以上、ニッチな記事でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?