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精神保健福祉士を目指すあなたへ

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僭越ながら精神保健福祉士を目指す方に伝えたいことを書いていきます。主に私の経験や今感じていることが主。頻度は不定期。コメントや問い合わせフォームでリクエストとかいただけると嬉しい。
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記事一覧

学生時代の大切な学び

学生時代の大切な学び

卒業して10年が経過するけれど、学生時代の実習日誌を振り返ることがある。
当時は精神科病院と多機能(B型+自立訓練+相談事業)事業所の2ヶ所で実習の受け入れをしていただいた。

それぞれに思うことはあったけれど、やっぱり最初に体験した精神科病院での職場実習は大きな経験になっている。
精神科病院に入院されている患者さんに対して感じたこともあるけれど、そこで実習担当として関わってくれたワーカーが今考え

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相談員のセンスとは

相談員のセンスとは

「センス」と呼ばれるもの。
これはなかなか見えないもので、でも仕事をしていると確実に存在しているものだと気付きます。
自分自身がやっている様々な工夫や、気付きの数々をこの言葉で終わらせるのは簡単です。
後輩を指導する時にこの言葉を使わないように意識をしますが、これがなかなか難しい。

私のことは一度棚上げしますが、正直私が従事している業務、相談員という業務はセンスに左右される部分が大きいと思ってい

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面談の準備と構成

面談の準備と構成

先日、新人と車中で話していた時のこと。
面談の際の質問の内容について聞かれました。新人からすると、何を聞いていいのかわからない時があるようです。

私も働き始めた当初は、どのようなことを聞いたらよいのか迷うことは大いにありました。聞く内容、聞き方、その必要性、タイミングなどなど。
質問の方法や仕方、というよりも、面談に臨む際の準備と言っていいかもしれません。
面談の前にどのようなことを整理している

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相談者の捉え方

相談者の捉え方

相談員を始めて今年度が10年目になります。

1年目と比べればそれはそれは様々な点で取り組み方が変わったのだと思います。

良くも悪くも、ですね。

今年度から新人が入ってきました。
事業所内ではあまり込み入った話はできませんが、車で移動する時にはいろいろと話をしています。
その中で業務のことというよりも、相談員としての取り組みの姿勢や視点、考え方を話すこともあります。
そこに関心を持って聞いてき

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バイスティックの7つの原則~非審判的態度~

バイスティックの7つの原則~非審判的態度~

先回は「受容」についてまとめました。

今回は「非審判的態度」についてまとめてみます。

非審判的態度とはいつも通りwikiから抜粋。

“ワーカーは善悪を判断しないとする考え方。善悪の判断はクライエントがおこなうものとする。否定されることは信頼関係に影響するので、受容の観点からもこの考え方が要求される”とあります。

つまり、クライエントが話すことの意味や意図はクライエント側にあるので、ワーカー

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バイスティックの7つの原則~受容~

バイスティックの7つの原則~受容~

先回の記事では「統制された情緒的関与」についてまとめました。

今回は「受容」についてまとめます。

「受容」とは何か、私自身の理解も交えながら、実際の支援の場でどのように意識しているかを記載します。

受容とはいつも通りwikiからの抜粋になります。
“クライエントの考えはクライエント自身の個性であるため、頭から否定せず、どうしてそのように考えたかを理解する必要がある。ただし、受容とは反社会的な

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バイスティックの7つの原則~統制された情緒的関与~

バイスティックの7つの原則~統制された情緒的関与~

先回の記事では「意図的な感情表出」についてまとめました。

今回は引き続き、バイスティックの7原則のひとつである「統制された情緒的関与」についてまとめます。

「統制された情緒的関与」とは何か。私自身がどのように理解し、日々の支援で意識しているのかを振り返ります。

統制された情緒的関与とは再びwikiから抜粋します。
“ワーカー自身がクライエントの感情に呑み込まれないようにすること”とあります。

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バイスティックの7つの原則~意図的な感情表出~

バイスティックの7つの原則~意図的な感情表出~

前回の記事ではバイスティックの7原則より、「個別化」を取り上げました。

今回は「意図的な感情表出」についてまとめてみます。
こちらの原則の内容と、それに対する自分の意見や支援場面での意識について記載していきます。

意図的な感情表出とは“クライエントの感情表出の自由を認めること。特に否定的な感情や独善的な感情を表出させることでクライエント自身が自分の外的・内的両面の状況を俯瞰しやすくすることを目

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バイスティックの7つの原則~個別化~

バイスティックの7つの原則~個別化~

「バイスティックの7つの原則」をご存じでしょうか。
社会福祉士や精神保健福祉士などの支援職には馴染みのある対人援助のテクニックです。

対人援助は人と人のことなので、どうしても相性というものが影響します。それはつまり、支援にはその支援者ごとの「色」が出るということ。要は対応に幅が出るわけです。
そりゃまあ、人ですからね。ですが、その幅がとんでもなく広いのも考えものです。
対人支援における原則、基本

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障害とはなんぞや

障害とはなんぞや

「障害」と呼ばれる状態を始めて知ったのはいつだったでしょうか。

「障害とはなんぞや」という視点は、支援をする上で出てくる疑問で、その後の支援の検討や、支援者の自己研鑽を行う上で必要な視点だと考えます。

今回は私が「障害」と呼ばれるものを知っていった経緯について振り返り、支援者として関わる中でどのように捉えるようになったかをまとめてみます。

「障害」との出会いと変遷私は小学生の頃、道徳だか総合

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精神保健福祉士を目指すあなたへ~国家試験の思い出~

精神保健福祉士を目指すあなたへ~国家試験の思い出~

社会福祉士・精神保健福祉士国家試験、近づいてきましたね。2月の予定とのこと。まさに今が追い込みの時期でしょうか。
自分も当時はこの時期に追い込みをかけていたのだと思います。
当時は学校も追い込みモードで、基本的には自己学習の時間でした。冬休み期間も学校に行って、先生の作ってくれた問題集を解いて、クラスメイトと確認し合って、問題出し合って。先生がふらっと来てくれて解説してくれたり、お菓子をおごってく

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精神保健福祉士を目指すあなたへ⑨~倫理綱領と専門性~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑨~倫理綱領と専門性~

精神保健福祉士には、専門職として「倫理観」が求められます。
その内容や考え方の方向性をまとめたものが、『精神保健福祉士の倫理綱領』です。
これは国家試験でも問題として出されますが、それ以上に、精神保健福祉士として忘れてはいけない点が記載されています。

「倫理観」または「価値観」は、その人が育ってきた環境に左右されます。
ひとりの人間としての私と、精神保健福祉士である私は、場合によっては違う視点、

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精神保健福祉士を目指すあなたへ⑧~現場実習について~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑧~現場実習について~

精神保健福祉士に限らず、福祉系の国家資格には現場実習が設けられています。
大学によっては3年時に、養成校などの専門学校は夏・冬に2回に分けてなど、国家試験対策と並行しておこなうところもあると思います。
実習に入る前には、教員と、もしくは実習先の担当者と「実習計画」のようなものを作成します。実習の目的、それに沿った内容の検討をおこなうものです。

私はまず、この計画づくりに非常に悩まされた記憶があり

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精神保健福祉士を目指すあなたへ⑦~「きく」ことについて~

精神保健福祉士を目指すあなたへ⑦~「きく」ことについて~

みなさんは「きく」こと、得意でしょうか。
「きく」といってもいろいろな種類がありますね。今回は特に「質問する」といった意味での「きく」について書いてみようと思います。

学生の方はグループワークや演習で面談のロールプレイをしたことがあるのではないでしょうか。
私の場合、精神保健福祉士の養成校で先生を対象者と見立ててロールプレイをしました。自身の設定は精神科に勤めるワーカー。初診で来た対象者に対して

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