記事一覧
異世界で幻獣の友達つくりました。第4話
ラルド達とすっかり打ち解けた私は一家と川の字に敷いた布団で爆睡した。もちろんダン様の隣は私だ。本当は同じ布団の中で眠りたかったけれどそこまで言う勇気はさすがに……ね。
翌日の朝。
「ハナメ! 起きて! 大変だよ、緊急事態だ!!」
耳元で大声をあげられ体をゆさゆさ揺らされて、うぅ~んと私は重いまぶたをゆっくりとこじ開ける。せっかくダン様ときゃっきゃうふふするいい夢を見てたのに~起きたくない~…
異世界で幻獣の友達作りました。第3話
初めてのお泊り!うっそうとした森をしばらくラルドと歩いた。
「ハナメってどこの国から来たの?」
「えっと……結構遠い国から、かな」
「一人で旅するなんてすげぇな! 俺、他の国どころか村を出たこともないよ。着いたら旅の話聞きたい!」
「たいした話はないよ? まだ旅に出たばっかりで……」
「そうなのか? あ、だからテント張れなかったのか!」
「見てたのね……」
そんな話をしながら。
異世界で幻獣の友達作りました。第2話
火を起こせ! テントを張るんだ!!
まぶたの裏に感じる強い光がだんだんと消えていく。
破裂しそうにドキドキする心臓。
どんな世界だろう?
何が待っているんだろう?
始まる前から大冒険だな……。
アステルムの声が言った。
「着いたぞ。目を開けるのじゃ」
期待と不安で頭がはちきれそうになりながら、私はゆっくりとまぶたを開いた。
現れたのは、森だった。
名前のわからない色んな種類の樹と、花と、雑
異世界で幻獣の友達作りました。第一話
アステルムとの出会い
私には友達がいない。できたこともない。
でも空想上にはたくさん友達がいる。王女様、騎士、ドワーフ、エルフ、他にもたくさん。
中でも一番大好きなのは魔法使い。火や水、時には天気も操り、時々実際に私を助けてくれるんだ。遅刻しそうな朝に晴れさせてくれたり、参加したくない体育祭に雨にしてくれたり。決まってそういう時は空に向かって感謝するんだ。
「ありがとう!」
すると