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逃避行

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グロテスクな現実世界からしばしのお暇。
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2022年3月の記事一覧

〆スイーツ

〆スイーツ

cafe MUJIに行って1日の〆を食べる。
私が選んだのは、コーヒーゼリーパフェ。
¥450
【笑】の札と共に待つ。
濃厚なソフトクリームに、ほろ苦いコーヒーゼリーの組み合わせが、ワイルドな大人のニュアンスを醸し出している。
ハイウェイをバイクで走る長髪の美女、そんな感じのデザート。美味。
横の席にいたお爺ちゃんとお婆ちゃんと孫の万歩計の話が、炊き立てご飯並にホカホカしてて可愛かった。
癒しで満

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ワイルドステーキ 200g

ワイルドステーキ 200g

お腹が空いたのでお肉を食べに行く。
いきなりステーキにて、ワイルドステーキを200g、コーントッピング。
正直全然足りなかった。
400gでも全然胃袋は歓迎してたと思う。
お肉はあればあるほど美味しい。
ところで食事中に見つけた会員制度。
食事の回数でグレードアップしていくらしい。
そのグレードに合わせて、10回来れば1枚のタダ肉券が貰えるというからなかなか太っ腹ではないか。
と思いきや、それには

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サウナのある生活

サウナのある生活

乱れきった自律神経を整えるため、いざサウナラボへ。
ラボの入り口は、油断してると見逃してしまうそうなほど小さく、低い。
自分が入っていいものか、少し悩んだ。
でも入り口はどう見てもここしかないし、目の前の扉を開けるしか道は他になし。
頭が高ーい、頭が高ーい。
お辞儀をしながら扉を開ける。
気分はAlice in wonderland!
受付を済ませて、ロッカールームでポンチョとサウナハットを被れば

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ウロウロ

ウロウロ

なんだか呑みたい気分だったので、屋台に入った。
と言っても人生初めての屋台にビビって、なかなか入れず周りをウロウロしていたら、優しいお兄さんが「どうぞー」って言って入れてくれたのだけど。
電車の時間まであと40分。
私の前には、ジントニックと、餃子と、明太子入りだし巻き卵。
熱々の料理を口いっぱいに頬張れば、外の寒さも、1人の寂しさも無かったことになる。
本当はビールも呑もうと思ったのだけれど、い

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落胆、奇跡、失恋

落胆、奇跡、失恋

2か月に一回の美容室。
行きつけのその美容室に、実はお気に入りのアシスタントくんがいた。
低い声でおっとり喋るセンター分けの男の子。
顔もなんだかかっこいい気がする。
でも、アシスタントに誰がつくかは運次第。
今日はその人がアシスタントに来ないかなー。
なんて淡い期待をしても、そう簡単に奇跡は起こらない。
担当のスタイリストと髪色について話してると、その人の声が右耳から聞こえた。
低音の落ち着いた

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低気圧、頭痛、雨

低気圧、頭痛、雨

その日は雨が降っていて、決まって頭痛がするから身体も重かった。
なぜこんな日に出かけなければいけないのか。
2か月後の天気が分かれば、今日は一日中布団の中に潜っていられたのに。
2か月前の自分が憎い。
まぁ、そんなことを言っても美容室の予約はしてしまってるし、当日ドタキャンするほど私は非常識な人間ではないし。
出掛ける準備はちゃんとする。
こんな私を気遣って、予約の時間を17:30にしてくれた1か

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スポーツ日和

スポーツ日和

決して花束を持っていくような場所ではないということは分かってる。
ただ、溜まりに溜まったストレスを発散するために私はそこに行かねばならなかった。
バッティングセンター。
バットにボールが当たっているのか、いないのか。
そんなことはもうどうでもいい。
わたしの鬱憤が振り回せられればそれで良かった。
時々バットに確かな感触あり。
それだけでもう十分だった。
次はボーリング。
真っ直ぐ投げたつもりが左に

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花屋

花屋

小さなお花屋さんを見つけた。
気をつけなければ見逃してしまうくらいひっそりとした花屋さんだった。
中から人の良さそうなおばあさんが優しく手招きしてたから入った。
中に入ると、沢山の色とりどりの花が迎えてくれた。
妹はかすみ草を買って、私は白いバラを買った。
家に帰ってウォッカの空き瓶に早速飾った。
花を愛でる生活の始まり。

まぁきっと、そのうちドライフラワーになるのだけれど。

3時のおやつ

3時のおやつ

椿と梅を堪能した後はカフェで3時のおやつを食べる。
目の前の池には鯉が泳いでいた。
異様にデカい。
君は自分の大きさに気づいているのか?
そんなことを考えていたら、ケーキと紅茶が運ばれてきた。
本当は椿のケーキが食べたかったけど、一つしかなかったので妹に譲った。
もうすぐ名古屋に旅立ってしまうので、オサキニドウゾ。
私はバナナのムースケーキを食べた。
甘いものは何だっておいしい。
冷たい風が吹いて

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椿と梅

椿と梅

今日は本当は映画館の予定だったのだけれど、気がついたら椿を見に行っていた。
石橋文化センター椿園。
ピンクや赤、時々の白い鮮やかな椿が豪奢に咲き誇り、ぽとりぽとりと落ちていた。
枝についていれば人々に愛でられるのに、一度枝から落ちてしまえば躊躇なく踏みつけられる。
花弁ごと落ちる椿の潔さに祝福を。
そうそう、梅も結構咲いていた。
椿は青空に届きそうなくらい背が高いものがあったけど、梅は思ったより背

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空溶ける

空溶ける

コバルトブルーの温泉が有名な束ノ間という温泉に行ってきた。
ここに行くのが最大の目的だった。
そのために魅力的に思えた人力車のお誘いも断った。
携帯の充電が残り少なかったけど、迷って辿り着かなかったら意味がない。
人力車のお兄さんが言ってたけど、ちょっと山の方にあるみたいだから、ナビを繋げずに向かうのは、私の命を守るためにもやめた方がいい。
赤色の悲鳴をあげているiPhoneにもう少しだけ頑張って

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エンターテイナー

エンターテイナー

世界一美しい村と言われるイギリスのコッツウォルズ地方の村を再現したフローラルヴィレッジ。
中は小動物とお土産屋さんでいっぱいだった。
うさぎやリスに餌をあげて可愛いと歓声をあげている彼女を愛でる彼氏や、インスタ映えをと、必死に可愛い角度を探して撮影する女子の隣を通り過ぎながら、美しく造られた長閑な町並みを散策した。
100円払えば可愛い小動物に餌をあげることができるから、みんな喜んで100円を箱の

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癒しを求めて

癒しを求めて

湯の坪街道にでる。
由布院駅をまっすぐ行ったらすぐに着く。
いくら方向音痴の私でも、いくらなんでも、無事にたどり着くことができた。
それくらいまっすぐ行ったところにある。
ここには2、3年前にも行ったことがある。
その時の記憶がまだ頭の片隅にあったようで、でも、ずいぶん変わったように思える。
コロナのせいでどざしてしまっているお店もチラホラ見かけた。
コロナマエニモドリタイ。
人は思ったよりいた。

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未知の領域

未知の領域

毎度毎度、なぜこんなに体が重いのか。
重力が周りの倍ほど働いている私の体を、なんとか地球に戻そうと湯布院へ向かった。
切符を買う暇がないくらいバタバタでぎりぎりなのはいつものこと。
日田駅から由布院駅へ。
ここからは未知の領域だった。
1時間近く山と民家と時々学校。
そのうち学校や民家がいなくなって、山だけになった。
たどり着く駅に人はもちろんいない。
この先に自分が行きたい場所はちゃんとあるのだ

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