多胡島伸佳(Nobuyoshi Takojima)

株式会社IGNITION 取締役/CMO 早稲田大学在学中にレスリング全日本選手権を2…

多胡島伸佳(Nobuyoshi Takojima)

株式会社IGNITION 取締役/CMO 早稲田大学在学中にレスリング全日本選手権を2度制覇。卒業後、コーチとして学生の指導に携わったのちに、2021年に株式会社IGNITIONを共同創業。環境と健康と教育を三位一体として考え、「地球と人を健康にする」という理念を掲げています。

記事一覧

アクアポニックスとは?次世代型食料生産システムについて解説!

アクアポニックスとは アクアポニックスは、魚の飼育(水産養殖)と植物の栽培(水耕栽培)を組み合わせた持続可能な食品生産システムの一つです。 注目すべきは、その環…

【農福連携・前編】農福連携の高いハードルを考える

農福連携とは 農福連携とは、その名の通り、農業と福祉の連携を指す言葉です。 この二つの分野が交わることで生まれる新たな価値と可能性に注目が集まっています。 特に…

ESGへの取り組み方がわからない方へ

ESGとは ESGとは、 E:環境 S:社会 G:ガバナンス を指し、 今この3要素を満たした企業を優先的に投資の対象にする動きが生まれています。 そこで今回特に、 ESG…

"200%"止まらないリンの需要、止まらないリンの枯渇

リン価格変動表 リンってなに? リンと聞いてピンとくる人は少ないのではないでしょうか?しかしリンは人間が生きていく上で紛れもなく欠かせない元素なのです。 例えば…

"0.5%"有機農法って綺麗事なんじゃね?

有機農法のイマ 日本の現在の有機農法の作付面積割合「0.5%」。 2050年までに25%まで拡大するという国際公約(みどりの食料システム戦略)は果てしなく困難な目標設定で…

”11.8%”にみる日本の危険信号

エネルギー自給の実情が変わりつつある 日本は長い間エネルギーを輸入に頼って、低いエネルギー自給率でも安定的な生活を送ることが可能な国でした。ただここに来て、これ…

”1000%”人口爆発に地球が追いつかない

1000% 人口爆発に地球が追いつかない 産業革命がもたらしたもの 産業革命によって地球の人口の増加が支えられて来ました。その結果、急激な人口増加、いわゆる人口爆発…

「ゼロリスク社会」の罠 佐藤健太郎 著

近年になって組織運営において「コンプライアンス」の項目は特に敏感に取り扱われている。社によっては社内にコンプライアンス専門の部門が設置され、どの企業もコンプライ…

勤勉は美徳か? 大内伸哉 著

労働について昨今の状況も踏まえながら改めて再定義した本だった。正直私にとってはそもそも勤勉を美徳とも思っていないし、雇用契約も会社に忠誠を誓うことで会社に生活を…

自助論 S.スマイルズ 著 竹内均 訳

この本の原著は1858年に刊行されていて、著者のスマイルズがさまざまな視点から数多くの賢人を例に挙げ、そこから学びを得るといった具合の内容になっている。この本を通し…

「私」のための現代思想 高田明典 著

「私」という存在を哲学的に、現代的に解釈、再定義した本だと言える。哲学とイメージすると本質的でありつつ、かつ抽象的な概念を今までイメージしていた。ゆえに現実世界…

「命令違反」が組織を伸ばす 菊澤研宗 著

さまざまなプロジェクトを回す上で合理性は常に意思決定の検討材料となる。合理的であることは経済性に優れていて、時間の捉え方がインスタントになった現代社会において非…

人見知り

「君って人見知りだよね」 私が嫌いな物言いの一つである。大抵いわゆる"コミュ力の高い"人が言ってくるのだが、私に言わせれば、あなた方にはデリカシーがない。 私はど…

コーチング

医者は大げさに診断するものだから、と話す指導者を今まで幾度なく見てきた。むしろそれが定説であるかのような風潮すらある。リアルな現場を見ている者からすれば、医師は…

1067勝

 近年はAIの台頭が目覚ましい。米オックスフォード大学の研究によれば、今ある職業のおよそ47パーセントがあと20年でAIが取って代わるという。そのAIの波はスポーツの…

「新たな」東京五輪

 近代オリンピックの転換点となったとされているのが1984年のロサンゼルス五輪である。それまで表立っていなかったオリンピックの商業主義化を進め、そのビジネスモデ…

アクアポニックスとは?次世代型食料生産システムについて解説!

アクアポニックスとは?次世代型食料生産システムについて解説!

アクアポニックスとは

アクアポニックスは、魚の飼育(水産養殖)と植物の栽培(水耕栽培)を組み合わせた持続可能な食品生産システムの一つです。

注目すべきは、その環境への低い影響と高い生産効率性にあります。

本記事ではアクアポニックスの基本的な仕組みと、環境問題への対策としてのポテンシャルについて解説します。

アクアポニックスのシステム

アクアポニックスのシステムは、魚と植物が互いに利益を得

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【農福連携・前編】農福連携の高いハードルを考える

【農福連携・前編】農福連携の高いハードルを考える

農福連携とは

農福連携とは、その名の通り、農業と福祉の連携を指す言葉です。

この二つの分野が交わることで生まれる新たな価値と可能性に注目が集まっています。

特に社会貢献に取り組みたい企業が企業価値を高める目的において、

SDGsが求められる潮流に乗りながら会社のステークホルダーを巻き込む施策として有効です。

農福連携が生まれた背景

日本は少子高齢化が進む一方で、地方の過疎化や都市部の過

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ESGへの取り組み方がわからない方へ

ESGへの取り組み方がわからない方へ

ESGとは

ESGとは、

E:環境 S:社会 G:ガバナンス

を指し、

今この3要素を満たした企業を優先的に投資の対象にする動きが生まれています。

そこで今回特に、

ESG経営がどのような場で必要とされるのか、SDGsとどのように両立を図っていくのかについて

解説していきたいと思います。

これは、とりわけ気候変動対策への取り組みが重要視されるこの時代に

Z世代に向けてのアプローチ

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"200%"止まらないリンの需要、止まらないリンの枯渇

"200%"止まらないリンの需要、止まらないリンの枯渇

リン価格変動表

リンってなに?

リンと聞いてピンとくる人は少ないのではないでしょうか?しかしリンは人間が生きていく上で紛れもなく欠かせない元素なのです。

例えばあなたの骨格を形成している骨ですが、これはリン酸カルシウムで構成されていて、リンとカルシウムが主原料になっています。また細胞がリンの受け渡しをすることでエネルギーを生成し、我々は身体を動かすことが可能になっているのです。

人類におけ

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"0.5%"有機農法って綺麗事なんじゃね?

"0.5%"有機農法って綺麗事なんじゃね?

有機農法のイマ

日本の現在の有機農法の作付面積割合「0.5%」。
2050年までに25%まで拡大するという国際公約(みどりの食料システム戦略)は果てしなく困難な目標設定であることは容易に伺えます。

しかしこれも考え方で、一部のユーザーにみで支持されていた「有機農法」という食料生産を今一度見直し、そして今後の持続可能な未来に向けての新たな取り組みの契機にすることが現時点での最適解のように思います

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”11.8%”にみる日本の危険信号

”11.8%”にみる日本の危険信号

エネルギー自給の実情が変わりつつある

日本は長い間エネルギーを輸入に頼って、低いエネルギー自給率でも安定的な生活を送ることが可能な国でした。ただここに来て、これまでと同じようにエネルギーの安定供給が保証されない可能性が出てきました。

特に日本の場合は2011年の東日本大震災をはじめとする原発事故をきっかけに原子力発電は縮小され、発電のほとんどを火力発電に頼っているのが実情です。

そして、その

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”1000%”人口爆発に地球が追いつかない

”1000%”人口爆発に地球が追いつかない

1000% 人口爆発に地球が追いつかない

産業革命がもたらしたもの

産業革命によって地球の人口の増加が支えられて来ました。その結果、急激な人口増加、いわゆる人口爆発を迎えます。これに伴い、人類の文明もさらなる発達を遂げた反面、ここに来てこの構造に限界が来ています。

産業革命と人口爆発における大きな要因は化学肥料と化石燃料の獲得です。これにより人類は水と食料と熱を安定的に得ることに成功しました

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「ゼロリスク社会」の罠 佐藤健太郎 著

「ゼロリスク社会」の罠 佐藤健太郎 著

近年になって組織運営において「コンプライアンス」の項目は特に敏感に取り扱われている。社によっては社内にコンプライアンス専門の部門が設置され、どの企業もコンプライアンスの遵守を徹底している。コンプライアンス違反が明るみになり、メディアからのバッシングを受け、一般消費者の客離れが起きてしまうといった問題もいくつも発生している。

そうした一企業が起こした不祥事がメディアによって拡散され、不祥事の程度の

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勤勉は美徳か? 大内伸哉 著

勤勉は美徳か? 大内伸哉 著

労働について昨今の状況も踏まえながら改めて再定義した本だった。正直私にとってはそもそも勤勉を美徳とも思っていないし、雇用契約も会社に忠誠を誓うことで会社に生活を保障してもらおうとする制度と捉えている。ゆえに被雇用者の立場にたったこの本にはあまり共感することは少なかった。しかし労働の起源や根本的な概念について学べたのは良かった。

人生の中で一番長く使う時間を幸せに過ごす

これは人生の幸福度を上げ

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自助論 S.スマイルズ 著 竹内均 訳

自助論 S.スマイルズ 著 竹内均 訳

この本の原著は1858年に刊行されていて、著者のスマイルズがさまざまな視点から数多くの賢人を例に挙げ、そこから学びを得るといった具合の内容になっている。この本を通して改めて実感したのは、人の考えは人の性格によってそれぞれだし、持って生まれた環境、時代背景によっても移り変わる。しかし決して変わらない信条、思想、哲学も同時に確かに存在していて、それこそが現代までに語り継がれる財産であり、本のタイトルを

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「私」のための現代思想 高田明典 著

「私」のための現代思想 高田明典 著

「私」という存在を哲学的に、現代的に解釈、再定義した本だと言える。哲学とイメージすると本質的でありつつ、かつ抽象的な概念を今までイメージしていた。ゆえに現実世界と哲学とをリンクさせることは難しいように思えたが、現代社会にも多くの気づきを与える一冊だった。

特に印象に残っているのは、人間にとっての正しさの定義である。著者によれば、人は「正しくあろう」とする存在だと言う。ここでいう正しさとは何か、こ

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「命令違反」が組織を伸ばす 菊澤研宗 著

「命令違反」が組織を伸ばす 菊澤研宗 著

さまざまなプロジェクトを回す上で合理性は常に意思決定の検討材料となる。合理的であることは経済性に優れていて、時間の捉え方がインスタントになった現代社会において非常に重要な要素だ。そうした時代においてそもそも合理性とは何なのかを別角度から見つめる1冊だった。

太平洋戦争における日本の敗戦を現代のビジネスでの教訓とする書籍は非常に多い。特に『失敗の本質』は太平洋戦争での敗因分析をもとにしたビジネスの

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人見知り

人見知り

「君って人見知りだよね」
私が嫌いな物言いの一つである。大抵いわゆる"コミュ力の高い"人が言ってくるのだが、私に言わせれば、あなた方にはデリカシーがない。

私はどうしても言葉の受け手の感情、雰囲気を考えると会話が後手後手に回ってしまう。初対面で質問攻めなどもってのほかだ。しかしただ単純に相槌を打っているわけでもない。その間、相手はいかなる人物かを見定めているのだ。

おかげでこの人は人の話を聞く

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コーチング

コーチング

医者は大げさに診断するものだから、と話す指導者を今まで幾度なく見てきた。むしろそれが定説であるかのような風潮すらある。リアルな現場を見ている者からすれば、医師は机上の空論を述べてくる人物ほかならないのだろう。

当の選手からすればそもそも怪我をした事実は受け入れがたく、なんとか出来るのではないかと自分自身に暗示をかける。まして指導者の顔を見れば休む選択肢は限りなく0になる。こうなればもう医師の介入

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1067勝

1067勝

 近年はAIの台頭が目覚ましい。米オックスフォード大学の研究によれば、今ある職業のおよそ47パーセントがあと20年でAIが取って代わるという。そのAIの波はスポーツの世界でも確実に広がっている。統計学的指標を基に分析を行い、選手のコンディション管理もAIが行うとはひと昔では考えられなかっただろう。

 AIは膨大なデータを基に考えうる選択肢を導き出し、その中から最適な答えを導く、いわば確率論だ。故

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「新たな」東京五輪

「新たな」東京五輪

 近代オリンピックの転換点となったとされているのが1984年のロサンゼルス五輪である。それまで表立っていなかったオリンピックの商業主義化を進め、そのビジネスモデルは現在まで引き継がれている。過熱する商業化に否定的な意見も年々大きくなっているが、今のオリンピックの規模を考えると商業化は必要ではないのかという声にも理解はできる。

 1972年ミュンヘン大会のテロ発生、76年モントリオール大会の大赤字

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