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パパの味

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ちょっと風変わりな父親や子どもの頃の食べ物(記憶内のほんのりレシピ付き)などなど家族の思い出をお話しします。 関東平野のすみっこで、家族5人で過ごした昭和後期の親子の話。 「… もっと読む
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26.思いつきで北海道旅行②

26.思いつきで北海道旅行②

記憶が曖昧なのでルート通りではありませんのでご了承ください…それで続きを躊躇してましたが、思い出した順番に綴ります。

父のワゴン車で仙台に行き、カーフェリー『だいせつ』で1泊して北海道の苫小牧へ着いた。
そこから支笏湖温泉へ。
インターネットなどない時代だから、母が知人から借りた本に出ていた丸駒温泉のホテルを慌てて予約していたらしい。
テレビで観る北海道の欠片と、1冊のガイドブックを片手に旅が始

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25.思い付きで北海道旅行!①

25.思い付きで北海道旅行!①

小学5年生の夏休みだった。

「北海道へ行くぞ!おやじさんとおふくろさんも一緒に誘え」

突然、父が宣言して、母方祖父母も誘って、北海道へ行くことになった。
そこからはてんやわんやの大騒ぎ。

父が仕事で朝から夜遅くまで不在がちな我が家では母が、旅行の準備をせざる得ない。

知人から旅の本を借りて、そこに出ている旅館を予約したり、どこでどう調べたのか、カーフェリーの予約もした。
もうオムツは取れて

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24.爆睡のスターウォーズ

24.爆睡のスターウォーズ

どうせ父の関係者は、私の書いたものは読まないと思うので、今日は父の趣味である映画の想い出話。

娘の私から見たらどう考えても、『人生全て思いつき行動』な父にしては、一般的でまともな趣味ではあるが、父本人が周囲に映画が好きなことを秘密にしているらしい。

なぜ秘密にするのかと聞いてみたら、いちいち言うのが面倒とのことだった。
おそらく映画のジャンル・監督・俳優・撮影国などなど細部にわたって聞かれるの

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23.クリームシチューは子供の好物…とは限らない

23.クリームシチューは子供の好物…とは限らない

モンゴルの諺にこんなのがある。

【顔の広い人は大草原のようで、ひとりぽっちの人は手のひらにすぎない】

人の交友関係を表しているものだけど、私の父は大草原タイプ。

おかげで私の胎教は…という話は、また今度にして、生まれる前から父の周りはいつも他人が大勢いる。
子どもの頃は、大人だけでなく、よその子たちも「おじちゃん」と慕い、まとわりついていたし、父自身も我が子優先というタイプではなかったので、

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22.かくれんぼいちご

22.かくれんぼいちご

私は女性にしては食べるスピードが速いらしいけれど、子どもの頃は食べるのが鈍くていつも叱られていた。
叱られていても、読んだ本の中に「よくかんで食べよう」なんて書かれていれば素直に実践もしていた。

幼い頃の私は、全てにおいてのんびりしていた。
本来、のんびり屋が私の本質なんだと思う。

親にしてみれば、ギリギリまで起きなくて、身支度も遅くて、食べるのも遅い。
幼稚園や学校が、家から割と近くにあった

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21.砂抜きアサリの末路

21.砂抜きアサリの末路

私は美味しいものを食べることは大好きだが、料理すること自体はあまり得意ではない。
印象よろしくないから、公言するなとあちこちで言われるけれど、こればっかりは作り始めたらバレることなので仕方ない。

そのせいで、「できないの?」と下に見られたり、「だから結婚できないんだ」とか言われ続けてきた故に、自分は料理が得意ではないから、結婚にも向かない人間なんだと思い込んでいた。
若かりし頃、仲間とのアウトド

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20.日曜日は寝て曜日?

20.日曜日は寝て曜日?

私の父は、土日祝日、夜遅くまで関係なく仕事をする人だ。
昔は携帯電話なんてなかったし、父自体がマメに連絡する方じゃないから、母はいつ帰るかわからぬ父の帰りを夕飯の支度も中途半端に待っているので、相当大変だったらしい。

それでも毎日、私たちのために一生懸命働いてくれてるんだからと、母は父に向かっては文句を言わなかったんだから、偉いというか根性あるなぁと思う。

『パパは帰りが遅い、日曜日も仕事』

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19.ルービックキューブの憂い

19.ルービックキューブの憂い

一番最初に世間に「ルービックキューブ」なる立体パズルが登場した時、私は小学4年生だった。

まずは、家が自営の同級生男子たちが、こぞって買い出し、学校に持ってきてカチャカチャやり始めて、それから徐々に教室内に広がっていった。
ルービックキューブは、明らかにおもちゃだけれど、学校に持ってくることは、なぜか禁止にならなかった。

登下校時にもカチャカチャ、

休み時間もカチャカチャ、

「何面できた?

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18.大きな消しゴムと小さな消しゴム

18.大きな消しゴムと小さな消しゴム

今回は、父ではなくて母の話。

子どもがなくすと困る文房具ナンバーワンは、消しゴムじゃないかと思うけど、どうだろう?
私はよく落としたり、家に忘れたりして苦労する子どもだった。

確か小学校低学年だったと思う。
しょっちゅうなくす私を見兼ねてか、母が通常の5倍はあると思われる大きな消しゴムを買ってきてくれた。
スーパーの文具安売りコーナーにあったんだろう。
確か80円か100円の値札シールが貼って

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16.ひきわり納豆愛

16.ひきわり納豆愛

今も昔も我が家の朝ごはんには納豆登場頻度が高い。
安くて美味しい納豆だが、安いとはいえ、家族みんなで好きだと必然的に量が必要。

時には生卵が入ったり、ネギがたくさん入っていたり、母がいろいろかさ増し工夫をしてくれてた。

中でも好きだったのは、細かく刻んだ沢庵の入った沢庵納豆。
柔らかい納豆と歯応えのある沢庵が絶妙で、私は大好きだった。

そして、子どもたちの好みより父の好みが優先される我が家で

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14.最強の家庭教師?パパと面倒臭がりな性格

14.最強の家庭教師?パパと面倒臭がりな性格

本は好きなだけ与えてもらえてたし、庭で自由研究・観察に勤しむという自由学習小学生から、中学生になった時、初めて『受験』ということが視野に入ってきた。
小学生の時よりテストの回数は減ったけれど、かかるプレッシャーは格段に大きくなった。
今だからいうが、成績自体は中の上位置をキープしてて、ベラボーに悪くはなかった。
それでもなぜか、小学生の時はできた理数系が 中学生になった途端、訳わからなくなった。

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13.くさいはっぱ

13.くさいはっぱ

前から両親に聞いてはいたが、新事実発覚した話。

我が父は、和の薬味にするもの…葱に柚子、茗荷、三つ葉、そして紫蘇等を好んで食べる。
それ故なのか、私は、ようやくひとり歩きを始め、覚えたての言葉でおしゃべりする幼児の頃には、既に「くさいはっぱ」として紫蘇を認識していたそうだ。

紫蘇は青紫蘇、スーパーでは「大葉」として売られてるあれだ。

かつて聞いた話では、「パパのすきなくさいはっぱ」と言って、

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17.「ボク、おなかすいた!」

17.「ボク、おなかすいた!」

最近、本人が自ら言っているので間違いないのだが、うちの父は、なんでもその場の思い付きで行動する。
本人はそれでもいいが、ハッキリ言って周囲の人間は慌てふためく。
それが如実に現れてたあの時の話。

前にも話したかもしれないが、私が子どもの頃、父は毎晩仕事の帰りが遅かった。
だから、たいていの場合、夕飯は子どもたちだけで食べることになる。
母はいつ帰宅するかもわからぬ父と、食べ盛りの子どもたちへの配

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15.ランニングエッグ

15.ランニングエッグ

今でこそ、TKGと呼ばれてアレンジが様々ある卵かけごはんだが、私が子どもの頃は、卵かけごはんといったら醤油味一辺倒だった。
アレンジといえるものといったら、味海苔をちぎって乗せたり、ご飯の上に乗せた味海苔を箸で押さえて小さなおしし(お寿司)を作る。
もしくは、卵かけごはんの上に、海苔の佃煮か納豆をかけて食べる。
そんな程度。
今みたいなアレンジがあの頃あったら、どんなだったろうかとふと思う。

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