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【連載詩集】No.32 記憶の居場所。


 冷えたレモン水でもすすめるように

 あなたがわたしにさらりとくれた

「ぜったいに忘れないから」

 という言葉を思い出している


 平成最後の夏、たとえ明日

 わたしがいなくなったとしても

 あなたがわたしを憶えていてくれるなら

 それはわたしが生きた証だ


 だから

 あなたがわたしに

 そう言ってくれたように

 わたしもあなたを

 ぜったいに忘れないだろう


 星の数ほどいるたくさんの人

 失くしていく時間の中で

 記憶の居場所をくれたことが

 わたしはとてもうれしかった


 こんな

 暑い夏の夜には

 わたしもあなたのために

 記憶の居場所をつくろう


 椅子を綺麗にみがいて

 満天の星空が見える

 涼しい居場所をつくろう


 いつでも遊びにおいでよ

 風通しのよい縁側で

 ビールでも飲もう


 今日もどこかで

 できるなら笑顔で

 生きていてくれるだけで

 わたしはずっとしあわせだ


 




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