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経営幹部

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経営幹部に必要な記事。 施設を越えた経営幹部間の意見交換のプラットフォームとなることが目的。一部有料。
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#マネジメント

なぜ、管理監督者と医療従事者は対立するのか

なぜ、管理監督者と医療従事者は対立するのか

経営者および管理監督者と現場の医療従事者の対立の要因

 わが国の医療業界は、少子高齢人口減少社会の影響により、病院経営はとても厳しくなると考えられています。組織が生き残るためには、外部環境に適応するだけでは不十分であり、経営者や管理監督者の視座は常に外部環境の進化の先にあることが重要と考えられています。つまり、経営者や管理監督者は、ビジョナリーであることが求められていると考えることができます。

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スタッフに機会を与えるとき、マネジャーに必要な覚悟とは何か?

スタッフに機会を与えるとき、マネジャーに必要な覚悟とは何か?

私は現在、全国病院経営管理学会リハ専門委員会の正幹事を務めています。リハ専門委員会では、リハ専門職で学会の個人会員の方を対象として今年度からオンラインサロンを始めました。オンラインサロンは、年3〜4回の頻度で、1回あたり1時間程度、さまざまな意見交換を行なっています。
 昨夜のオンラインサロンでは、スタッフへの機会の与え方についてが話題となりました。育成を目的としてスタッフに機会を与えても、結局そ

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3分でつかむ『心理的安全性』

3分でつかむ『心理的安全性』

1965年に登場した『心理的安全性』という言葉。最近では、あらゆる場面で見聞きするようになりました。ただし、時折、誤用されていたり誤解されているなと感じることがあります。
 本noteでは、『心理的安全性』の要諦を端的に整理します。

もともとは、組織に使われていた『心理的安全性』。ハーバード大学教授のエドモンドソン氏が、「対人関係のリスクをとっても大丈夫という、チームメンバーに共有される信念のこ

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マネジメントに係る先人のお言葉

マネジメントに係る先人のお言葉

自然科学と社会科学の両方に触れた私の感覚では、新しい知見は、自然科学においては「上書き保存」、社会科学においては「別名保存」される印象があります。つまり、自然科学では常に新しい知見が求められる一方、社会科学ではどちらも求められているような感覚があるのです。
 今回は社会科学領域の一つであるマネジメントに焦点をあて、別名保存され続ける先人の言葉を整理します。多くの方々が活力を得られる記事になれば幸い

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なぜ、企業は倒産してしまうのか?

なぜ、企業は倒産してしまうのか?

経営者を除き、自身が勤めている企業が倒産することは、理解はしつつも実感は持てない方が多いと想像します。事実、私の交友関係で勤務先が倒産したという方は一人しかいません。
 下の図は、東京商工リサーチによる全国企業倒産状況等の5年間のトレンドです。これを見ると、毎月数百の企業が倒産していることがわかります。

では、病院は倒産しないのでしょうか。下の図は、医療機関の倒産件数の推移を示しています。これを

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マネジメント教育をせずにプレイングマネジャーを課すのは大罪という仮説

マネジメント教育をせずにプレイングマネジャーを課すのは大罪という仮説

医療従事者の監督職の多くは、プレイングマネジャーではないでしょうか。

2019年のリクルートワークス研究所の調査では、87.3%のマネジャーがプレイングマネジャーであったようです。
 本noteでは、病院に勤務するマネジャーがなぜ忙しいのか。そして、その忙しさの緩和に必要な能力は何か。そして、プレイヤーとマネジャーの適切な割合はどのくらいかを短く整理します。

病院に勤務するマネジャーはなぜ忙し

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指導とハラスメントの境界線

指導とハラスメントの境界線

2022年6月7日の日経メディカルに、興味深い記事が掲載されていました。仁邦法律事務所の弁護士である桑原博道氏の寄稿です。2022年4月に全面施行された「改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)」を踏まえ、指導とパワハラを分ける4つのポイントについて、過去の裁判例から解説されています。
 本noteは、桑原博道 弁護士の記事を引用し、表にまとめました。詳細は、文末のリンク先をご確認ください

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なぜ、権限委譲が必要なのか?

なぜ、権限委譲が必要なのか?

 本noteは、筆者の後任の方から質問された、「どのようなことを意識して権限委譲してきたか?」という問いに対する私なりの回答を整理したものです。
 あくまで個人的な思考の整理であり、立派なことを申し上げるつもりもありませんし、教師としての身分もないことを申し添えておきます。

丸投げと権限委譲の違い 権限委譲と聞くと、単に他者に仕事を振る(丸投げする)ことをイメージする方もいますが、私はそうではな

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なぜ、若いうちの苦労を避ける傾向に我々は嘆くのか?

なぜ、若いうちの苦労を避ける傾向に我々は嘆くのか?

 最近、Twitterを流し読みしていると、若いうちに進んで苦労しようとする人がいないといった嘆きが目につくようになりました。実際のところ、どうなんでしょうか。
 下の図は、日本生産性本部[1]による、働くことの意識調査結果のうち、「若いうちは進んで苦労すべきか」と言う問いに対する回答のトレンドです。平成23年度から急激に「苦労すべきだ」と回答した割合が減り、「好んで苦労すべきではない」と回答した

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