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むじゅん日記

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むじゅんが、日々のちょっとしたときめきを綴ります
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2021年4月の記事一覧

「すえたる菊」

「すえたる菊」

「すえたる菊」
萩原朔太郎
『月に吠える』より

わたしは大学最後の年を迎え、焦っている。

将来どうしていけばいいのか。

考えるだけで、投げ出したくなり、涙が出てくる。

どうしたら、これから生きていけるのだろう。

目の前のことに手一杯で、周囲の同級生たちが当たり前にできることができない自分に鬱々としていた時、久しぶりに未来リナさんの動画がYouTubeで目に入った。

なんて温かい力を持っ

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贈る人がいなければ、わたしの眼前に今菓子は無い。

贈る人がいなければ、わたしの眼前に今菓子は無い。

おばあちゃんがくれたお菓子。

わたしが生まれた頃には母方の祖父が既に故人で、3年前に父方の祖父が、2年前に父方の祖母が相次いで亡くなった。

唯一生きている母方の祖母が、わたしと妹にお菓子をくれた。

どうしてだろう、

わたしは、自分の生命にあまり興味がないのに、いつか当たり前に死んでしまう家族のことを思うと、堪らなくなる。

泣きたくなる。

幼い頃はさも当たり前のように受け取っていた祖父母

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岡本かの子『過去世』

岡本かの子『過去世』

『文豪たちが書いた耽美小説短編集』(彩図社文芸部編纂,2015,彩図社)収録、岡本かの子の『過去世』を読了。

「古墳の中の空気をゼリーで凝らして身につけているようだった。」

「だんだんと募る夕闇の中に銀の食器と主客の装身具が、星座の星のように煌めいた。」

はっと息を飲むように美しく、巧みで、非現実的なのにありありと想像できてしまう著者の比喩表現には目を見張った。

岡本かの子の作品を読むのは

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空の辞典

空の辞典

『空の辞典』
小河俊哉
2014 雷鳥社

久しぶりの講義を受けて疲れたわたしは、大学内にあるブックストアに立ち入った。

決して広くはない大学生協の本屋の一角に、この本はあった。

見覚えのある空色の表紙。

わたしは、思いもよらない出合いに感激した。

なぜなら、ずっと手元におきたいと思っていた本のひとつだったからだ。

雷鳥社さんは、わたしが密かに応援している出版社。

その本が大学内の本屋

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文字を書いて、書いて、書いて。

文字を書いて、書いて、書いて。

おやすみ書写。

文字を書くのか好きすぎて、これはもはや中毒に近い。

今日は、合わせて6時間くらい文字を書いていた。

文字を書くこと。
それが純粋に好きだ。

朝は文字を書くことから始まり、夜も文字を書いて終える。

明日からは、久しぶりに通学が再開される。

わたしは、物事を学ぶのは好きだが、単純に予定があって外出するということを好まない。

だから、なんだか不安でもやもやする夜だけれど、な

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