贈る人がいなければ、わたしの眼前に今菓子は無い。
おばあちゃんがくれたお菓子。
わたしが生まれた頃には母方の祖父が既に故人で、3年前に父方の祖父が、2年前に父方の祖母が相次いで亡くなった。
唯一生きている母方の祖母が、わたしと妹にお菓子をくれた。
どうしてだろう、
わたしは、自分の生命にあまり興味がないのに、いつか当たり前に死んでしまう家族のことを思うと、堪らなくなる。
泣きたくなる。
幼い頃はさも当たり前のように受け取っていた祖父母からの愛情の、なんと有り難く尊いものか。
母方の祖母はいつまで生きるのだろう。
一度そう考え始めてしまうと、祖母がくれたお菓子のリボンを解くのすら、勇気がいった。
人から何かをもらうというのは、その人が生きていないとできないことで、祖母が生きていなければ、このお菓子はわたしに食されることはなかったのだと思うと、胸がきゅっと締まる。
大切にいただきます。
むじゅん
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