「勝っても負けても良いんだよ」

こんにちは。今日は遠足の引率でした。低学年の子たちなので、先頭の私は常に子どもの様子を見ながら声掛けをして歩きます。合計2キロ以上を後ろ向きで歩いたので、スネの変なところが筋肉痛の状態です。でも、子どもたちは良い思い出になったようです。
明日は我が子の幼稚園の運動会です。それにちなんで、今日は「勝っても負けても良いんだよ」という合言葉についてお話をします。

勝ち負けにこだわってしまう子

こちらの記事でもお話したことがありますが、学級の中には何人か、”勝ち負けにこだわってしまう子”がいます。もちろん負けず嫌いは悪いことではありません。しかし、それを極端に引きずってしまうために、他のことに手がつかなくなってしまうことや、それがもとで他の子とトラブルになってしまうことがあります。
特別支援学級では、あの手この手で、その子が不利益を被らないように、心のコントロールの練習をお手伝いしています

勝ち負けにこだわってしまう子にしてしまう”対処療法指導”

私たちがよくやってしまう指導に”対処療法指導”があります。
例えば、子どもが勝ち負けにこだわって何かトラブルを起こしてしまったとき

「今やったことはどうだったのか。」
「これからどうすれば良いのか。」

を考えさせる指導をします。
しかし、子ども達は同じことを繰り返してしまいます。
よく、それを特性のせいにする言葉を聞くことがありますが、私は少し違うと考えています。
私の感覚では、”頭で理解しても心がついていかない”のではないかなと思うのです。

「勝っても負けても良いんだよ」

私が今の自治体で仕事を始めたころ、同僚にとてもパワフルな女性教員がいました。青年海外協力隊でアフリカに行き、特別支援教育をしてきた女性です。
そんな同僚の教員から学んだ言葉が

「勝っても負けても良いんだよ。」

でした。
自立活動の遊びの際、ゲームを始める前に

勝っても負けても?

と聞きます。
子どもたちは

良いんだよ~!

と返します。
ちょうど麒麟淡麗グリーンラベルのCMで

良いんだよ!グリーンだよ!

というフレーズが人気を博していたため、子どもたちにもすんなり入っていく指導でした。

形から入ることで心が動く子もいる

もちろんこの合言葉だけで子どもが変わる!・・・わけではありません。残念ながら。
でも、繰り返していくと、子どもたちは変わっていきます
形から入ることで心が動く子というのは一定数いるようです。
まさに、この合言葉で大事なことを伝えていくということのメリットは”心が動く”というところです。
冷静な状態の時に、頭の中に入ってきた情報は、心と連動しやすいのかもしれません。
そして、あらかじめ指導しておくことで、

「勝っても負けても良いんだよね。」

と言って冷静になれた子を褒めてあげることができるのです。
勝ち負けにこだわる子が一番欲しいもの。それは”勝った”という事実では無くて、”勝っても負けても大丈夫。君は君だから、それで良いんだよ。”と言ってくれる安心感なのかもしれませんね。

このゲームで負けて爆発した人を、今まで見たことがない

高学年になると、なかなか”良いんだよ~!”とは言ってくれなくなります。
寂しいものです。
ただ、アレンジをしてみるのも良いかもしれません。
高学年には

先生は、このゲームで負けて爆発した人を、今まで見たことが無い。だから安心してくれて大丈夫だよ。

なんていうと、

先生、俺が爆発する最初の人になるかもしれないだろう?

なんて粋な返しをしてくれる子もいました。
みんなで笑って和やかな雰囲気で遊べると良いですよね!
では、またね~!

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