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服薬をはじめましたと保護者に言われたら

こんにちは。Mr.チキンです。
特別支援学級で教員を12年間しています。
今日は保護者から服薬の報告を受けた時に、具体的にやるべきことをお話しします。

保護者の方から「服薬を始めました」と言われることがあります。
ADHDなら、ストラテラコンサータインチュニブが有名でしょうか。
エブリファイもよく聞く薬の名前です。
今回は、教員が保護者から「服薬を始めました」と相談されたら、
どのようにすればよいかまとめてみました。
※あくまで教員側のおさえとしてです。Mr.チキンに薬学的な知識はありません

①服薬している薬の名称・量をしっかりと確認する

服薬している薬の名称・量を確認しましょう。
お医者さんはコンマmg単位で薬の量を調整します。
量によって効能や副作用の出方が変わるようです。
また、「ADHDの薬です」と一言で言っても
コンサータ:飲み始めから強く効き、徐々に弱まる
ストラテラ:少しずつ効いていき、持続時間が長い
など、効果の出方などが大きく異なります。
薬品名までしっかりと聞くことで、副作用の出方をある程度予測できるようになります。

②管理職に伝える

報・連・相は大事です。
この後の番外編にもありますが、
場合によっては特別支援教育コーディネーターが医療機関に出向くことも考えられます。
管理職が把握しておくということは、
子どものために組織として動くという観点からも大事です。

③養護教諭・特別支援教育コーディネーターに伝える

薬の飲み始めは副作用が大きく出ることも考えられます。
具合の悪さの原因が何なのかを特定するためにも、
保護者から服用の話が出たら、すぐに養護教諭に伝えましょう
また、特別支援教育コーディネーターにも伝えましょう
ボランティアの方やT・Tで入る先生に情報を伝えてくれて、
記録の補助をしてくれるなどの調整をしてくれるかもしれません。

④薬の名称で検索し、プリントアウトしたものを同僚に配る

薬の名称を検索しましょう。

こちらのサイトは、素人であっても分かりやすいものになっています。
特に

主となる作用
副作用

この二つの部分に赤ペンで丸を付けて渡すことで、
注目すべき点が分かります。
副作用は子どもにとってはとてもつらいものですが、
理解が無いと、「怠けている」「ふざけている」とネガティブな評価になってしまうことがあります。
しっかりとした理解を促すことが、子どもの利益につながります

⑤子どもの変化を記録する

①でお話しした通り、お医者さんはコンマmgで量の調整をします。
場合によっては学校での様子を聞かれることもあります
先ほど調べた情報の中の副作用の部分に合致するかだけでも良いので、
記録をしておきましょう。
ただ、ほかの子もいる中で記録はなかなか難しいですよね。
そういった場合は特別支援教育コーディネーターに伝えて、
ボランティアやT・Tの先生の活用をできないか相談してみましょう。

⑥保護者・子どもに寄り添う

お薬を始めるということは、保護者や子どもにとってとても負担の強いことです。
保護者の方の中には、「薬を子どもに与える」ということにものすごく悩んで決断される方もいます。
また、薬の中にはとても苦いものもあります。子どもはそれを我慢しながら飲むのです。それだけで「頑張ったね!」と褒められることです。
まずは否定しないこと、寄り添うことを大切にしていきたいですね。

番外編:医療機関を訪問し、薬の効能や治療・指導方針を確認する

これは番外編です。
私も特別支援教育コーディネーターの時にはよく医療機関に行きました。
保護者と一緒に薬の説明を聞きに行き、学校の生活の中での注意点などを確認したり、
「苦い」「のどが渇く」「血糖値が急激に変化するため、おなかが減りやすくなる」などの子どもが実際に困るような薬の作用について、教育側の人間として直接話を聞いたりします。
医療機関と教育現場は方針が違います。
その調整を行うことが必要な場合は、実際に会って話をすることが一番だと感じています。


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