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呪術廻戦の映画おもしろかった!優生思想はやっぱあかん‼️

みなさんこんにちは!
3連休はいかがお過ごしでしたか??


私はのんびりと家で映画を観ておりました!
アニメ呪術回戦の映画です!


呪術廻戦は以前アニメと漫画を読んだことがあるのでだいたいの人物や世界観は分かっているていでで映画を観ました。

今アニメ「渋谷事変」編がちょうど放送されていますよね。なので、今のうちに映画を観ておこうと思いました!


映画を観終えて感想が主に2つありました!
今から書くことはネタバレになる可能性もあります!


感想①愛と大義は呪い

愛と正義は暴力とよく言いますが、純愛と大義も実はただの呪い場合もあるのではないかと思いました。

これは私の経験ですが、元恋人のことを忘れられないと友人に相談したら、「それは今親しい人たちとうまく親しくなれず、憧れるような人に出会えてないからなんじゃない?」って言われて、そうかも!って思ったことがあります。

居場所感がなく、現実に満足せず孤独感がある、だから、「あの人なら分かってくれたのに」とかつて居場所を与えてくれ、尊敬もできた元恋人を求めていたのかもしれません。

映画呪術廻戦の主人公乙骨も、呪術学校で仲間や居場所、そしてこうなりたいという憧れの人ができたから、恋人のリカとの呪いを解くことができ、リカも成仏できたのでしょう。


感想②援助はつらいお

この呪術廻戦というアニメ、悪役の夏油が一番興味深いんですね😂

というのも夏油がこじらせていった展開は、現実世界であるあるだと思うんですよね。


そもそも呪術廻戦は、呪いという人間の嫌な部分や残酷な部分から湧いてくる怪物を倒していくのであり、術師は否が応でもその汚い部分と向き合わざるをえません。

特に夏油の戦い方は、呪いを飲み込んでコピーするのであり、人間の汚さを自分自身に取り込むのです。


呪術師の高い能力をもつ夏油は、弱き者を助けると情熱を持ち闘っていくのですが、向き合い取り込まざるをえない怨みや嫉み、仲間の死、そして相変わらず汚い部分を持つ人間や人間社会、助けてくれている術師に感謝もせずむしろ差別をしている人間たちに、夏油は追い詰められていきます。

そして夏油は、弱き者を助けなければいけないという情熱を捨て去り、呪いを生み出すような弱い人間たちを抹殺すればよいという、優生思想を選び取ってしまうのです。


この夏油のような心の変化は、介護や看護といった対人援助職、国際貢献や国際援助、社会支援やアライ、ボランティアなど、援助する側に立つ人によく起こることではないのでしょうか?


人々を助けたいといった熱い信念で援助に関わる人が、弱い立場に追い込まれた人達と接するにつれて疲弊し、やめていくことがよくあります。
援助をしていくなかで、あまりにも残酷な現実や弱い立場に追い込まされた原因の酷い出来事に触れ、他者への信頼を失ったり、思い描いていた現実を打ち砕かれたりします。

私も以前、差別に反対する団体の手伝いをしたことがあるのですが、その手伝いはネットに書かれているヘイトを目にしなければならず、気が滅入りました。
知らなくてよいことを知りましたし、こういうのにずっと関わってる人たちは本当に大変だなと思いました。

また、助ける対象の社会的弱者が、助ける側の思い浮かぶ存在だとは限りません。
その社会的弱者は差別主義かもしれません。ろくでなしかもしれません。
ときに援助者を拒んだり、それこそ恨みを抱くこともあります。人間なのでね。


患者に熱心と向き合うと評判の高い精神科医が、患者に放火されてしまうということもありました。

アフリカ現地で支援を行っていた知人は、支援していく中で自分の常識とは違う言動をとる現地の人たちにイライラし、常に不機嫌になってたと言っていました。
そんな自分が性格悪くなっていくみたいで嫌になり、国際援助の仕事をやめたとのことです。

夏油のように弱い者と向き合うと、より偏見が強くなったり彼らを排除しようという優生思想に傾くことも残念ながらよくあります。
2016年に施設の障がい者を大量に殺戮したやまゆり園事件の植松氏は介護士であり、夏油と同じ側面はあるかと思います。


だからこそ人権という考え、人権教育が必要なのだと思います‼️

かわいそうだから助けたいとか、恵まれていないから、何かを守りたいといった感情論やヒーロー願望ではなく、どんな人でも人として大切にされ、誰も人としての生活を奪ったり見捨てたりする権利はないという概念で援助をすべきだと思います。
そういった人権の教育をしていない術師学校は問題だなと思いました。

そして優生思想もきちんと否定すべきだと思います。
アニメで、特級術師の九十九が夏油に人間を抹殺するという考えもあるということを話すシーンがあります。
特級術師がそれを否定もせず話すのはやはりまずいと思います。
誰も優生思想を否定できなかった、だから夏油はそちらを本音として選んでしまったのかなと思いました。


あと、援助する側へのメンタルケア、呪術廻戦だと術師たちへのメンタルケアがすごく大切だなと思います!
あんな呪いと何度も何度も対面していたらそりゃ闇オチしますよ!!!😭
そういったメンタルサポートも整っていない術師学校は本当ダメだと思います!💢💢
呪いを取り込み人一倍向き合っている夏油が、ここには僕の居場所がなかった、って言うのも分かります!


この映画を観て、呪いや汚いとされる部分があるのも人間らしくていいじゃないか、それを否定せずにうまく付き合いながら私たちの社会をつくっていこうよと思いました。

最後ですが、以前私はホームレス支援に携わっている知人に聞いたことがあります。
色んな方がいるなかで自業自得なんじゃないの?って思いイラついたホームレスはいませんでしたか?と。
でもその知人はこう答えていました。

「私は今ホームレスではないけれど、それはたまたまで、ホームレスになっていたかもしれないし、今後そうなるかもしれない。
私は特に大きな病気にもならず、たまたま今の職に就くために努力できた家庭環境や社会環境があったけど、少し違ったらどうなっていたか分からない。だから自業自得とか自己責任とか思ったことない。」

こういう視点が映画にはなかったなあと思いました。


執筆者、ハイサイ・オ・ジサン

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