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ロードス島伝説(著:水野良)【はは、読書紹介は今日、滅んだぞ】

「ロードス島戦記」と言えば、
日本の「指輪物語」風ファンタジーラノベの、
元祖になった作品ですが、

その「戦記」には前の時代の英雄の人たちがちょこっとだけ出てきたのでした。
いわく、英雄王とか暗黒皇帝とか呼ばれる人たち。
物語の最初の方では、主人公たちは英雄たちのそばで、まだワチャワチャやっているだけの存在です。そこから成長していくんです。

あれ以来、日本のラノベが「指輪物語」風に汚染されてしまい、
昨今のフリーレンまで含めて、すべてどこかで見たことある世界観になってしまったと、誰かに苦言を呈されたことまであります。それはともかく。

出典:思い出せない時もある

それはともあれ、
英雄王や暗黒皇帝、聖女や賢者たち。
けれど、そうした人たちはかつて、
たった1人の勇者に従っていたのでした。
その1人の勇者について書かれた、いわば本編の前日譚。

その時代にもロードス島には大きな危機が発生しますが、
時代の英雄として彼が登場するのです。

いわゆる勇者アビリティなんてものは、この世界にはないので。

ただ小国の王子という身分と、
聡明で将来有望という評判だけがあった、
ただの美少年の貧乏王子さまでした。

ある時、王と姫(主人公の妹)が行方不明に。
そして南からは怪物が出現して、
北には年来の宿敵である強国。
ふたつの敵に挟まれて王子は決断を迫られます。

そして彼は国の危機に、
あっさりと自国を北の強国に献上してしまいました。

自国の国力ではもはや国民を守り切れない。
ならば他国の領土となればいい。
そうすればその他国は自分の領土を守ろうとするだろう。

自分の立場が無くなろうとも、
国民を守ることが出来ればそれでよい。

そういう決断ができる王子なのです。
その心意気、まさに勇者!

***

皮肉なことに自分の国を亡くしてからの彼は、
急速に英雄としてスターダムになっていきます。
性格や志の異なる英雄たちが、彼をリーダーとして慕ってきます。

清濁併せ呑み、公正と公平を忘れず、
勇気と才能と決断力のある彼は、
まさに理想のリーダー。
これを勇者と言わずして何が勇者か。

しかし。
彼の名が抹殺されて歴史から消えたのには、理由があったのだ。

******

という感じの「ロードス島戦記」の前日譚。

シリーズを読んできた方なら、
もちろん文句なく感慨深く読めるのですが、
一見さんにもさほど混乱せず入っていける「前日譚」という設定は、
これだけ単品で読むのにも向いているんじゃないかと思います。

フェイトシリーズで同じことを言ったような気がします。

ロードス史の時系列(歴史年表)では、たぶんこれがいちばん最初。
前の話を読んでないとわからない、というのが基本は無いと思うのです。

まあ初期設定まで丁寧に再説明してあるかはちょっと覚えてないですが、
なんとなく文脈判断で乗り切れる程度ではあると思うし。
読解力があれば何とか。

***

これを紹介する理由として私には以前から、
ファンタジーに出てくる勇者たちが、
いわゆる政治力を発揮しないことに若干の不満がありました。

ワンピースのルフィみたいにカリスマを持っている人物なら、
そのカリスマ的魅力について作品できちんと語られますよね。
あれはもう政治力と言えるものなんです。

でも勇者たちって、ゲームの世界が多いからか、
単に戦士としての出番しかないのが多い気がする。
(ちゃんと魅力も描かれてはいるんだろうけど)

現実世界での勇者はやはり、
異質な人たちを従えていくだけの圧倒的なカリスマ、ビジョン、
つまり政治力がないとダメなんじゃないかと思うのです。


理想のリーダーってなんだろね?

それを勉強するために、
この辺から入って、
その少し上のカリキュラムとして、
反逆のルルーシュ辺りを観てもらって、

楽しみながら知ってもらえたら嬉しい。
歴オタはそう思ったのでした。

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