- 運営しているクリエイター
2024年4月の記事一覧
第15章 運命の女神−2
Vol.2 仙石原
シヴァ:教祖は、あなたに興味を持っています。
セレン:なぜ?
シヴァ:あなたは、我々には向かい、降り注ぐ不幸の豪雨を前にしても、我々に牙を向けてきた。その、行動力に。その執念は、教祖の心すらも動かしているということですよ。
セレン:教祖の心を動かしても僕には何の嬉しさもない。
シヴァ:まあまあ、そう言わずに。我々からすれば、素晴らしいことです。我々が教祖の心を動かすこ
第十五章 運命の女神-1
Vol.1
「私が貴方と初めて出会ったのは小学生の時。多分覚えてないと思う。」
黒奈は、僕の方を見ていった。僕は黒奈の言う通り、何も覚えてはいない。黒奈と出会ったのは大学生に入学してからだったからだ。
「あれは、私が九州に空手の遠征に行った時。鹿児島県の鹿屋という場所にあるバラ園に行くことになったの。バラなんてあの頃の私には興味はなかったけど、両親はせっかくの九州ということではしゃいでいたわ。私