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アイドルマンガ『湯島坂四十六回転』第二話 #ジャンププラス原作大賞

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湯島坂461stシングル「幸せの在り処」の発売が決定する。

センターは湯島坂きってのビジュアル担当・白川澄。

櫻子と澄は、学生時代の親友であり、セレクション時代からの最大の戦友だった。その縁もあり、櫻子は大いに喜んだ。澄のメディア露出やメンバー一丸となったプロモーションにより、湯島坂の人気にじわじわと火が付きつつあった。

しかし、シングル初披露ライブの直前、澄の致命的なスキャンダルが報道され澄は無期限活動休止に追い込まれる。MVの撮り直しも時間的に不能、ライブも中止かとファンは騒然となる。

しかし、初披露ライブは予定どおり結構された。そしてその夜、センターには櫻子が立った。澄のピンチは私がひっくり返すしかない、と自ら志願したのだった。その風格漂う圧倒的なセンター像に、負の空気感は一気にひっくり返った。

初披露ライブが終わった夜、櫻子は必死に連絡を取り澄の元へ走った。澄は櫻子への感謝を述べながらも、「私が居たらせっかく船出したばかりの湯島坂を根っこから腐らせてしまう」と言い残し、理解を求め、静かに去っていく。

澄を引き留められなかった無力さに、櫻子は真子の前でメンバーの誰にも見せたことのない大粒の涙を流し、夜が明けるまで泣きはらした。



第三話へつづく。