見出し画像

#37”飛び入り”面接官:フラット型組織になれるか!?〜デイサービスの挑戦〜

以前、【週一時短ママさんスタッフが「面接官」になる】という取り組みを紹介しましたが、ついに”飛び入り参加”もしてくれました。

===========

介護の現実で苦しむ

今回、営業日の拡大と更なる現場クオリティの向上のため、再び採用活動を行いました。
年明け〜春先にかけて、かなりアクセルを踏み込んでいたので、取るべきアクションの選択や目的設定、ペルソナの選定も早々に進んでいました。

そして、採用活動を始めて1週間で「初面接」まで達成できました。
介護業界の過酷な人材不足の現実から見ても、かなりありがたい結果でした。

その後も矢継ぎ早に二件ほどの応募を頂き、合計三件もの面接予定を1週間で設定することができました。

そして、ここからが本番です!

昨日その面接第一号のAさんがいらっしゃいました。
メッセージのやりとりの段階からかなり丁寧で、好感の持てる方でした。

<約束の時間・・・>

「こんにちは〜!」

はい、きたー!第一印象良すぎ〜〜〜。

挨拶を済ませ、早速お話を始めました。
Aさんのお話の中で、胸が締め付けられるようなエピソードがありましたので、少しだけ紹介します。

<前職において>
・6年以上もの間、社会保険に入れてもらえなかった
・人員基準を満たしていない中働かされた
・朝4時までサービス残業
・同僚が二人失踪している(業務過多等を理由に)
・ありえない人数の入浴介助の後、休憩なしで昼食の準備

むちゃくちゃな環境です。

でも、そんな状況だったにも関わらず、Aさんは、なんだか話づらそうに、しかも、”自分も悪いところはあった・・・”と、おっしゃっていました。

確実に管理側・経営サイドの不手際です。
というより違法なことが多すぎます。

そんな環境でも、「利用者さんのためになれば」との思い、それだけ、たった一点、一点突破で働いていたそうです。

それを聞いた僕も、同席していたスタッフも言葉を失いました。。

・・・たまたま来たw

そんなAさんのお話を聞いていた時、

「どーもー!お疲れ様でーす!」

ー・・・あれ?なんで??

お休みのスタッフ:ゆかりん(呼んだことない)が立っていました。とびきりの笑顔でw
さらに、息子さん二人も自転車で来てくれていました。

「あ、ちょっと、シフトの件で言い忘れたことあったので、言いに来たんです〜!」

ーLINEでもいいじゃ・・w

「まあ、いいじゃないですか〜!w」

(・・・職場なのか・・ここは・・?w)

これが一番共感する方法

ーちょうどいいんで、今、面接してるんですけど、ちょっと話してくれません??

「ええ〜!私話せないですよ〜できないですよ〜!」

うん。座ったね。
自分から。座ったね。w

「何を話せばいいんですか〜w」

先ほども書いたようなAさんのお話をゆかりんにもしてもらいました。

・・・・

「なるほど〜。」
「私も、結婚する前ですけど、大きな施設で働いていたことがあったんですけど、同じように、利用者さんと向き合えないことに悩んでというか、とてもわかりますね。大変ですよね。。。」

Aさんもゆかりんも、二人とも若くしてこの業界に入り、結婚や出産を経験されています。
似た環境で、二人とも人一倍優しさに溢れているからこそ、分かち合える想いが大きかったようです。

面接で、いくら僕が話しても真に共感しあえることができるのか、分かりません。できるように全力で面接に臨みますが、それでも出来ているのか、分かりません。

でも、ゆかりんとの話を横で聞いていて、二人にしかない「共感」がとても感じられました。

多分、Aさんは、うちのチーム・職場のことをとてもよく理解し、共感してくれたと思います。
実際に苦しみ、多くの人生経験を経て、今楽しそうに働いていて、なぜ楽しいのかを、「面接官」ではなく、実際に隣で働くことになる仲間が語る以上に説得力があるものはありません。

応募して来てくださった方への共感として、また新たな道筋が見つかったように思いました。

内容より空気感

ーどうですか?なんか、なんとなく伝わりましたか??

ゆかりんとの面談を経て、Aさんに聞いてみました。

『とっても楽しそうに話してくださったので、とても伝わってきました!』
『私も、そういったこと(働く楽しみ、幸せ、働きがい、働き方)を大切にして仕事をしたいので。』

よく職場の説明会・イベントや面接で、「うちは働きやすいですよ!」などと、スーツを着たおじさんが言っていますが、
やっぱり、実際に働いていて、時間を過ごしていて、楽しんでいる人の話ほど説得力のあるものはありません。

いかに職場環境が優れているか、いかに福利厚生が充実しているか、いかに給料がいいか。

そんなことを言葉ズラで、現場にもいない人が喋っても、本質的な意味は伝わりません。
「どーせ言葉だけだろうな。」
そう思われても仕方ありません。

大切なのは、「いい内容」を伝えることではなく、
「空気感」をきちんと体感してもらうことが重要です。

ゆかりんの面接中も、何度もお願いしました。
「きついこと、辛いことを言ってあげてほしい!」
どんなに楽しい仕事でも職場でも、瞬間瞬間で感情が揺さぶられるような「辛いこと」はあります。
それも含めて、自分たちの全てを晒し、応募者の方に判断してもらう姿勢を忘れてはいけません。

僕らが選ぶのではなく、

僕らが選ばれるチームになりたい。


ゆかりんの面接を横目で見ながら、そんなことを考えていました。


颯爽と帰って行ったゆかりん。


<終わり>





この記事が参加している募集

コンテンツ会議

シニアの方々が、主体的に・楽しく生活し続けられるよう、頑張ります!少しでもご協力頂けると幸いです。