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七つ目の大陸

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#動物

微笑みの巾着

微笑みの巾着

カーン、カーン、カーン
「集まれーい! 訪ね人だ! 皆、集まれーい!」
 来訪者を知らせる鐘の音が、集落中に鳴り響く。その甲高い音を耳にした者たちは、皆一様に警戒心を高めた。
 数十もの足音が向かった先は、集落の素朴さにそぐわないほどの重厚な門扉。鐘をこれでもかと鳴かしている見張り台の男は、額から汗を流しながら足元に集まる人々を眺めていた。
「ふう、こんなもんか」
 見張り台から見渡せるのは、ヤマ

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脅威との邂逅

脅威との邂逅

 夜の帳に包まれて眠る皆を眺めるのは、火の番を務めるノイ。我こそが番をと意気込んでいたピーシャルはそうそうに眠りにつき、懸命に眠気と戦っていたレガもまた、襲い来る睡魔に体を預けていた。
 パチパチとつつましく鳴る音、控えめに揺らめく酸素の燃焼。ノイの体に傷を刻んだ炎とは、似ても似つかぬ穏やかさ。
「お頭、まだ起きてるんですかい?」
 転がしていた体を起こしてきたブリンゴが、あたりの岩に腰かける。そ

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遅参の胸中

「いやー、何とかなったな。とりあえず外には出れた」
「荷物はほとんど無いけどね。この後どうするつもりなんだよ」
「うるさいな! どっちにせよ、燃えてしまってどうもできなかっただろ?」
 二頭のタカダガを並走させながら口論を始めるピーシャルとレガ。ブリンゴはピーシャルの後ろでぐったりとして、しがみつくのに精一杯の様子。
「あんたたち。良くやってくれたね」
 終わりそうになかった口論にノイが一言口を挟

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塵の街

塵の街

 降りしきる塵を保護色として身に纏うイーブス。カラスほどの大きさをした灰色の鳥類は、塵で視界が遮られることの無いように頭部が庇のように出っ張っている。
 細かく地面を蹴ることで空を舞うが、それを飛行と呼ぶには少々物足りない。その飛距離は一蹴りでおよそ十メートル。
 そんなイーブスの群れを一斉に舞わせたのは、東地区の地区長であるドゥアンの大声だった。

「な、何をする!」
 トロスらが住む西地区とは

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タカダガ飼いの少年

タカダガ飼いの少年

 タカダガが道を行く。その蹄が立てる音は、土でできた道に積もった塵に吸い込まれる。
「道を空けろ! 物資の配給だ!」
 荷台を牽くタカダガの手綱を握っている男。布であしらった服は所々の糸がほつれている。男は手を大きく降り、皆に到着を知らせた。
 その知らせは広場に集まっていた者たちに伝わり、知らせを受け取った者たちが広場から四方へ駆けだした。降り積もった塵が一斉に宙に舞う。
「配給だ! 配給が来た

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西地区の英雄

西地区の英雄

 レガの父トロスが広場に着いたとき、そこには既に二千人以上もの人がいた。人の波は一定の流れを作っており、その行きつく先は、タカダガが牽く荷台に腰かける男の元だった。
「よしよし、今回も勝つぞ」
 トロスよりも一回りは若い、恰幅の良いその男は、自らの元に集う人々の様子を、悦に浸って眺めている。彼はトロスらの住む西地区の地区長。街いちばんの膨らんだ腹を一度さすると、集まった人々に聞こえるように声を張っ

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