記事一覧
「六人の嘘つきな大学生」朝倉秋成
すごかった。本当にすごかった。
私が最近読んだ本で1番よかった。
構成がすごいし、面白い。最後の方の文章で嶌さんが足に障がいを患っていたことを読者に明かすが、これにより前の文章、出来事の捉え方が180度変わる。具体的には、共に就職活動の最終面接に挑んだ人たちの印象がガラリと変わる。
それだけでなく、序盤の読んでいて違和感を覚えていたものの正体が明らかになる。(嶌さんが歩くのが遅かった理由など。た
アルジャーノンに花束を ダニエル•キイス
「どおかニーマーきょーじゅにつたいてくださいひとがわらたり友だちがなくてもきげんをわりくしないでください。ひとにわらわせておけば友だちをつくるのわかんたんです。ぼくわこれから行くところで友だちをいっぱいつくるつもりです。」
これは本書の最後から2番目の文章である。この文章はチャーリーの人生に対する結論だと思う。
知的障害をもつチャーリーは利口になりたいと願っていた。利口になれば母や家族が喜び
島はぼくらと 辻村深月
めっっちゃよかった。
他の辻村作品ほど重すぎないが、島に住んでいることで生じる一人ひとりの思いや悩みが描かれている。青春のきらきらした要素もあり甘酸っぱいところもあって好きだ。だけど冴島の高校生4人ははしっかりしていて、一人ひとりちゃんとした考えをもっていて思いやりがある。
この人はいいひと、わるいひと、ではなく1人の人間には良い面と悪い面両方をあわせもっている。それぞれをちゃんと評価できる
試着室で思い出したら本気の恋だと思う 感想
恋人がほしくなるというより、人を好きになりたい、恋したいなぁと思う本だった。
「ちゃんと欲しがる女ほど、欲しがられる女になる」という言葉はとても印象に残った。
恥ずかしい話だが、私は彼氏がいる時でさえあまり甘えたり、愛情を欲しがったりすることができない。この本を読んで、それは傷つくのが怖いからだと気づいた。それでも楽しかったのは彼がそれでも愛情をくれたからだったんだなぁと思った。今度からは少しず
「優しい音楽」瀬尾まいこ 感想
心がふわっと温かくなる本。
個人的には「がらくた効果」が一番好きだった。
人と暮らすのは大変なことかもしれないけど、徐々に他人が他人じゃなくなっていくことで、新たな一面を知ったり、新たな関係性が芽生えたりする幸せがあるんだなと思った。上手くいかなくなったら、初心を思い出したり、以前は他人だったんだ、他人のままだったらどう接してただろうということを考えてみれば上手くいくのかもしれないなぁと思った。