食べかけのあんぱん。

筑波大 リトルトゥース

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最近の記事

「六人の嘘つきな大学生」朝倉秋成

すごかった。本当にすごかった。 私が最近読んだ本で1番よかった。 構成がすごいし、面白い。最後の方の文章で嶌さんが足に障がいを患っていたことを読者に明かすが、これにより前の文章、出来事の捉え方が180度変わる。具体的には、共に就職活動の最終面接に挑んだ人たちの印象がガラリと変わる。 それだけでなく、序盤の読んでいて違和感を覚えていたものの正体が明らかになる。(嶌さんが歩くのが遅かった理由など。ただ単に女性であり、あまり運動が得意なタイプではないのかな?とスルーしていた。)

    • 告白 湊かなえ

       とにかく衝撃を受けた。  夕方から読み始め,ぶっ通しで夜遅くまで読んで読破してしまった。  登場人物全員がどこか狂気めいている。  読み終わって,この小説は全て主観的に描かれていることに気づいた。章ごとに語り手が異なり,それぞれの章で事件の出来事をそれぞれの解釈で語っているので,それには当然感情が混ざり,事実が捻じ曲げられていたり思い込みが潜んだりしている。  このことをふまえ,もう一度この作品を読み返したい。一つの出来事に対してそれぞれの人が何を事実だと思いどう認識してい

      • アルジャーノンに花束を ダニエル•キイス

         「どおかニーマーきょーじゅにつたいてくださいひとがわらたり友だちがなくてもきげんをわりくしないでください。ひとにわらわせておけば友だちをつくるのわかんたんです。ぼくわこれから行くところで友だちをいっぱいつくるつもりです。」  これは本書の最後から2番目の文章である。この文章はチャーリーの人生に対する結論だと思う。  知的障害をもつチャーリーは利口になりたいと願っていた。利口になれば母や家族が喜び,また友達もたくさんできると思っていた。そこで彼は知能が向上する手術を受け彼のI

        • 「手紙屋」喜多川泰

           「就職先が制限された将来への入り口ではない」だからどこへ行っても自分のやりたいことはできる。就職はゴールではなくスタートである。  私は小学校から中学校、高校、大学に進学する度にどんどん自分の道を狭めていき、就職はその狭めた道の先に見えるものだと考えていた。だから就職のその先に道の選択肢はないと考えていた。だからこの言葉を読んで驚いた。就職してから自分の考えを実行し、夢を叶えることができる。もし本当に合わなかったら転職することもできる。就職は夢を叶えるための手段であってゴー

          島はぼくらと 辻村深月

           めっっちゃよかった。  他の辻村作品ほど重すぎないが、島に住んでいることで生じる一人ひとりの思いや悩みが描かれている。青春のきらきらした要素もあり甘酸っぱいところもあって好きだ。だけど冴島の高校生4人ははしっかりしていて、一人ひとりちゃんとした考えをもっていて思いやりがある。  この人はいいひと、わるいひと、ではなく1人の人間には良い面と悪い面両方をあわせもっている。それぞれをちゃんと評価できる島の人たちは大人だなと思った。一度悪い面をみてしまったらそこにしか注目しなくなっ

          島はぼくらと 辻村深月

          「ナナメの夕暮れ」若林正恭

           私も世の中を器用に生きていけない人間なので、若林さんにものすごく共感できた。  器用に生きてる人は、すぐに攻略法をみつけてすいすいと進んでいく。私は一つの行動をするのに何日も悩むのに。  最近のことで言えば、どうすればこの人たちと仲良くなれるかな?今日の言動はあまり良くなかったかな?なんと言えば正解だったかな??と私がウジウジしているうちに後からきた器用な人はみんなと仲良くなって重要な役割をはたしてる。仲良しだけには少し荒い言葉を使い、私には凄く気を使ってくる感じが本当に

          「ナナメの夕暮れ」若林正恭

          試着室で思い出したら本気の恋だと思う 感想

          恋人がほしくなるというより、人を好きになりたい、恋したいなぁと思う本だった。 「ちゃんと欲しがる女ほど、欲しがられる女になる」という言葉はとても印象に残った。 恥ずかしい話だが、私は彼氏がいる時でさえあまり甘えたり、愛情を欲しがったりすることができない。この本を読んで、それは傷つくのが怖いからだと気づいた。それでも楽しかったのは彼がそれでも愛情をくれたからだったんだなぁと思った。今度からは少しずつでも自分から何かを伝えていきたいとおもう。 本書にも「みっともないほどに、人を

          試着室で思い出したら本気の恋だと思う 感想

          「優しい音楽」瀬尾まいこ 感想

          心がふわっと温かくなる本。 個人的には「がらくた効果」が一番好きだった。 人と暮らすのは大変なことかもしれないけど、徐々に他人が他人じゃなくなっていくことで、新たな一面を知ったり、新たな関係性が芽生えたりする幸せがあるんだなと思った。上手くいかなくなったら、初心を思い出したり、以前は他人だったんだ、他人のままだったらどう接してただろうということを考えてみれば上手くいくのかもしれないなぁと思った。 瀬尾まいこさんの小説は、私自身苦しすぎてないてしまった小説もあるが(「幸福の

          「優しい音楽」瀬尾まいこ 感想

          「僕の人生には事件が起きない」 感想

          おもしろかった! 軽くよめるエッセイ。 オードリー若林さんの本と同じような感じかなぁと思っていたけど、こちらはかなり軽めだった。 本を読んだ感じでは、岩井さんより若林さんの方が断然闇が深そうです。笑笑 どっちも好きだけど! 面白い事件は毎日おきないから、「普通に生活している日常を面白がりたい。」という言葉はいいなぁと思った。日常をつまらないと思いがちだけど、視点をかえたりスマホを手放したりして眺めてみれば、発見や楽しさはそこら辺にあるんじゃないかなぁって思った。私も探してみ

          「僕の人生には事件が起きない」 感想

          完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 感想

          よかったぁ。 あちこちオードリーという番組が好きで、若林さんに興味を持って購入。 クスッと笑いながら、若林さんの世の中での生き方を知ることができる。私も考えすぎてしまう性格だが、その性格のままでも世の中を生きやすくする方法はあるんだなと思った。私は何も考えずに(側から見ると)毎日楽しそうに生きている人に憧れていたが、私は絶対にその人のようにはなれないのだ。自分の性格を認めて、その上で楽しく生きられるような方法を探していこうとおもった。

          完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 感想