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Hawaii Life

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わたしの目に映るハワイ
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ハワイ流 キャンプへ行こう

ハワイ流 キャンプへ行こう

久しぶりに大好きな場所へ2泊3日のキャンプに出かけた。
まずは準備だが、ハワイの人はとにかくたくさんの物を持って行く。家族友人が揃うようなキャンプでは、発電機やトイレをレンタルしたりと家の快適さをそのまま野外に持っていく感じ。
しかしわたしは、なるだけ少なく小さい荷物で挑みたいとパートナーのまるちゃんに釘を刺すので、トラックの荷台だけで収まった。
それを見た家族が「わー わたし達ならトレーラーつけ

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ライチの季節

ライチの季節

ライチという果物はご存知だろうか?
わたしの住む農園にはライチの木がたくさんあり、毎年今頃の季節には真っ赤な実が食べ頃だよーと知らせてくれる。
歯で皮をひと噛みすれば、パリッという音がして白い実が顔を出す。
甘くてジューシー、湿度がある暑い日にはうーんと唸り声が出るほどにおいしい。
聞くところによると、ハワイ島ヒロのライチは特においしいらしいのだ。

さて、ライチが食べ頃になるとうちの農園でもSN

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人は突然いなくなるけれど、愛という光はいつまでも残る

人は突然いなくなるけれど、愛という光はいつまでも残る

胸の少し下で重ねられた手。
なめらかなブラウンの細い腕は、ハワイの太陽の下で産まれ生きた証だ。
長い指の先には、つい最近ネイルサロンで塗られたであろうワイン色の爪が綺麗に並んでいる。
そっと手に触れる。
2週間近く司法解剖のため戻ってこなかった彼女は、きっと随分と変わった姿になっているのかと心配したが、その手は冷たくも優しい柔らかさがあった。
ホッとすると同時に寂しさが溢れてきた。
もう魂はそこに

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ただきれいに

ただきれいに

ハワイもロックダウンになり、ここに住む人たちだけの島になります。
ステートパークも閉鎖されたらきっと海がきれいになるだろうと考えると、ハワイの自然にとっては
元の姿をとり戻す時間になるのでしょう。
人が動かない世界の中で、みるみるうちに汚れが消え、生き物が蘇るのだと思うことで
このできごとは無意味ではないのかもしれないと感じます。

わたしの周りの人々も、お家をきれいにしたり、時間をかけてお料理し

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記憶のフレグランス

毎日高波がが岩を叩きつける音や、鳥たちの声、南国の雨の音を聞いている。
遠くから吹く風が今、ジャングルの木を揺らして通り過ぎた。
大きく揺れる木々を見ている。
旅から戻るとただこうして座り、音を聞き続ける。
ハワイは音。
自然の音が朝も夜も止むことはない。
ここが今わたしが在る場所。

こうしていくつもの場所で、人生が創られていった。
その時々に在る場所で、一から出会ったすべてのもの。
カリフ

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赤ちゃん三昧

赤ちゃん三昧

『カラダをクレンズすると赤ちゃんを授かる率が上がるのではないか』
というのは自分が妊娠した時に感じたことです。
暴飲暴食のパーティーガールから、ベジタリアンのヨガガールに転身してすぐに赤ちゃんがやってきました。
なぜこんなことをまた考えているかというと、最近うちでクレンズをした数人が妊娠出産をしていることに気づいたからなんです。
この仮説を説明するすべはないし、立証する気もありませんが、
そういう

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甘えられない人

甘えられない人

もうボロボロだった。

2週間で家を売るためにはまず、家財道具をすべて倉庫に移す。
空っぽになった家に”ステージャー”という、インテリア雑誌から抜け出たような内装を演出をする人々が、家具や小物を次々と運び込む。
家はみるみるうちに、買い手の心を惹きつける魅力的な物件になった。

ここまでで、すでにクタクタだったにもかかわらず、その舞台セットのような家で生活しなければならない。
家を見に来る人から電

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歳を経て見えてくるもの

歳を経て見えてくるもの

わたしが小さい頃の祖母、 あの白い割烹着を着てチリチリっとしたパーマをあてていた祖母は,
今のわたしくらいの年齢ではなかったか。
記憶にあるおばあちゃんの年齢になってきたなぁ。

でも30代 40代の頃に戻りたいかといえば、はっきりNOと思う。
あんなに手探りで、感情がいつも波立って、でも先のことなど考えずに
突っ走った時代は一度でたくさん。
体験をある程度積んできた今からが楽しいに違いないと思っ

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ハリケーンの支度

ハリケーンの支度

巨大ハリケーンがやってくる。
太平洋の真ん中の、小さな小さな島ハワイ。
慣れたものとはいえ、今回のように大きいのが来る時は
支度をするのだ。

去年は隣近所の窓ガラスに”X”のテープが貼られたが、
効果なしと判断したのか、今年はやめたようだ。
わたしも車のガソリンを入れたり、ランタン用のガスを余分に買った。
うちにはオイルランタンも二つあるので、大きな明かりがこれだけあれば
大丈夫。
カセットコン

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ハワイに四季はあるのか

ハワイに四季はあるのか

以前パートナーが「今は春?なんなの?」と言うのを聞いて
たいそう驚いた記憶がある。
日本で生まれ育ったわたしには、四季の感覚が染み込んでいるし、
長く暮らしたカリフォルニアやオレゴンだって季節は変わった。
四季の変わり目を感じて、”そろそろ秋だから”
なんて言いながら、暮らしの中の何かを少しだけ変えるのも楽しみだ。

それが四季はなんなのか、と聞く人がいるのだ。
ハワイには四季がないの?

ところ

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ハワイのフルーツ

ハワイのフルーツ

ご存知だろうか。
ハワイ島には土がないことを。
わたしがこの島に移住したときに、一番驚いたことは
土がないことだった。
前に住んでいたオレゴンでは畑を作っていたので、
まずは畑、と思っていたら肝心の土がない。
土がない場所があるなんて、考えたこともなかった。

この島はほとんどが溶岩でできている。
古い噴火地区に少し土があるくらいで、
どこへ行っても真っ黒な溶岩に覆われている。
だから畑をするには

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溶岩が流れるそばで

溶岩が流れるそばで

キラウエア火山の噴火は、
レイラニエステートという住宅地からはじまった。
あっという間に住宅地が大地に戻っていった。
8番目の亀裂から吹き出した溶岩は衰えることなく、
今では巨大な火の河になって、海へと流れ落ちる。
ほんの二ヶ月で、ハワイ島の形は変わった。
落ちた溶岩が大地になり、新しい島まで現れた。

今回の溶岩は2つの大きな住宅地を通り、
700以上のお家が溶岩の下に消えた。
住宅だけでなく、

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ヨガナンダの奇跡

ヨガナンダの奇跡

この家に引っ越して間もないある日、
郵便物を取りに出た隣のおばあちゃんが
「ようこそ お隣さん」と話しかけてくれた。
「ナナ(おばあちゃん)ってみんな呼ぶのよ。そう呼んでね。」
ナナとの最初の出会いだった。
彼女はもうすぐ90歳らしい。
そんな歳にはとうてい見えなかった。

ご近所さんと顔見知りになったある日、
ナナのお誕生日パーティに呼ばれた。
ナナはみんなの真ん中に座り、背筋を伸ばしてワイ

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蘭の花

蘭の花

オレゴン州に住んでいたわたしがハワイへと移住したのは、
一人息子のイオが高校3年のときだった。
離婚はしても、父親の家とは近所だったので、彼は両家を行き来していた。
いつも普通に会っていたのが、ハワイとなるとそうはいかなくなった。

イオは州立大学へと進学し、友達と家を借りて住み始めた。
勉強と仕事とで忙しい日々を送っていた。
わたしの新しいライフも、そうそうオレゴンへ遊びに行けるような
余裕のあ

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