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Medical-4. 胸腔体積の増加
前回の記事では、
胸腔が閉鎖空間であることは、
呼吸を考えるにあたり
重要な概念であるにも関わらず、
音楽家の呼吸の世界においては
言及されない空間であると伝えた。
しかしながら他方では、
◯◯呼吸法といった
まことしやかなメソッドによって、
音楽表現においては
呼吸がいかに大切なのか
といった論調が繰り広げられている。
もちろんこの論調が
解剖学の観点から
とてつもなく乖離しているかと言えば
Advance-4. 胸膜腔を拡大する
胸郭の働きのひとつに
身体の外側からの力に対して
呼吸器を守るという機能があります。
・身体の前側には
→ ネクタイのような胸骨(きょうこつ)
・身体の後ろ側には
→ 背骨の一部である胸椎(きょうつい)
・身体の横側には → 肋骨(ろっこつ)
これらの骨がカゴのように組み合い、
上半身の上半分に空間を作って
呼吸器を守っています。
さて、前回の記事では
この胸腔の内側の空間を
胸腔(きょ
Basic-4. ”入れ物”を大きくする
さて、では
肺の”入れ物”の話に入っていこう。
前回の3.では
「息を吸うのは”入れ物”を動かすんだ」
というお話をしました。
でも、でもだよね。
「肺の”入れ物”を動かすって
結局どうするのさ?」
と思っている可能性は120%のはず(笑)
“入れ物"というくらいだから
何かに【囲まれて】いるはずだよね。
囲まれていなければ
“入れ物”にはなり得ない。
では何に【囲まれて】いるのか?
Medical-3. 胸膜腔のはたらき
肺胞内に外気を導入するために
ヒトは陰圧呼吸を行っている。
ではここで
陰圧呼吸について再度考えたい。
陰圧呼吸:Negative Pressure Breathing
この場合のNegativeとは
大気圧>胸膜腔内圧であった。
(無論、細目においては
齟齬相違が生じる表現方法ではあるが、
概念においてである事を了承願いたい)
胸膜腔内圧が大気圧(≒肺胞内圧)と
概ね等しくなった時点にお
Advance-3. 肺の外側の空間
前回の内容では
吸気時の肺の動きは
“受動的"であると学びました。
吸気時においては
肺自身が動くのではなく
肺は"動かされるもの”という事実が、
吸気を理解するためには
不可欠です。
さて、では
“受動的”である以上は
肺を動かす外部のエネルギーが
存在するという事です。
では外部のエネルギーとは
一体何なのでしょうか。
そのエネルギーは
【 気圧の差 】
と理解することが出来ます。
こ