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【詩】

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心に浮かんだまま書き殴られたものたち。
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2022年11月の記事一覧

「酒」-第三者視点-

「酒」-第三者視点-

「お酒の飲み過ぎは辞めなよ。」
-大して飲んでねぇ。

「酒に逃げてどーすんの?」
-勝ったから酒飲むんやで。

「薬飲んでるんだから控えなよ」
-ごもっとも。

「心配してるのにそうやって、
無下にされると馬鹿馬鹿しくなるよ」
-酒飲めなくなった時が終わりや。

「控え目にしなよ、度数強いんだから」
-中途半端が一番悪いんや。
このBARの酒程上等な酒はねぇ。

生きる為の燃料として
今日の私

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「酒」

「酒」

酒は逃げ場では無い
己が一番理解している
酒は勝者が飲むものよ

マスターとの約束
「これ以上、身体傷つけんのは駄目。」
朋輩との約束は一度破ってしまったが
再びこの約束は守り通そうと決めた

酒は飲むもの
呑まれるものではない
三時間四杯
度数は七十を超えるか超えないか
こんな上等な心地にさせてくれるなら
そんじょそこいらの居酒屋よか
余程満足出来るひとときよ

燃料は再び充填された
使い果たす

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「旭日昇天」

「旭日昇天」

七時間睡眠を目標に
推し事を我慢して早く寝た
朋輩、上司、主治医、朋輩
刻んでしまった事に後悔は無いが
ドス黒い霧は晴れていた

六時より少し前に目覚めた
部屋はまだ暗かった
あざらしのぬいぐるみを抱き締めて
「おはよう」を言った

珈琲を入れて、朝焼けを眺めた
煙を燻らせながら
朝陽をぼーっと眺めた
台所は放置二日目
玄関は書類まみれ
-まずは、ここを何とかしよう。

蛍光灯をひとつつけて
弁当

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「十字架」

「十字架」

朋輩との約束を破って
腕に十字架擬きを刻んだ
生きている事を実感する為に

私は生きてる
刻まれたそれが教えてくれた
私は生きてる
美味しい晩御飯が教えてくれた
私は生きてる
推し様の素敵な声が教えてくれた

スーツに漆黒のネクタイ
剃る気力も無かった無精髭
闇金屋みたいな物騒面
明日にはしっかり整えよう

揺籠みたいな三日月
灯火みたいな紙煙草
儚く吸われる白紫煙

今日はもう布団に潜ろう
主治

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「憂鬱」を照らす朝陽

「憂鬱」を照らす朝陽

東向きの窓から朝焼けが見える
この家に住み、秋の終わり
何度か見た美しい光景

我 在るべき意義を求め
我 在るべき意味を無くす

朝焼けが心を浮き彫りにする

貴様の心を照らしてやろう
貴様の本心なぞそんなものだ

そう確かに囁かれた

血を流せ
お前は生きてる

太陽に照らされたそれは
見たくもないものなのに
どうして、どうしてだろう
とっても美しく映えた

歪んだ思考に
馴染めない普通に

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【入浴日記】「己を語る詠」

【入浴日記】「己を語る詠」

私の名前は或樹木
苗字との画数から決めたらしいが
詳しい事は二、三度聞いたけど
画数以外は覚えてないな。

私は極めつけのの貧乏人
陥らない術もあったが、
知るのが余りにも遅すぎたね
あの四年間は色々な意味で
良い経験だったなぁ。

私は借金に追われて毎月を送る

親父から借りた引越の初期費用
調子に乗っていたクレジットカード
お袋から利子をつけるくらいならと
四年間通わせてもらった大学費
そのお

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「不良」

「不良」

体調不良
熱、咳、鼻水、喉の痛み
-どうか、お大事に。
--どうか、お大事に。
もし此処に来たくても、
ご時世もあるから、その言葉で
片付けるしかないよね。

気分不良
面倒臭いから行かない
行きたくても動けない
心が沈んで浮かばない
-気持ちの問題でしょう。
裏でその一言で片付けられる事もある。
でも、私はこう言ってあげたいんだ。
いや、こう言われたいんだ。
--そんな時もあるよ、無理せんといて

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「笛吹童子」

「笛吹童子」

その長髪の童子は
強い風に吹かれて
悲しい笛を吹く。

悲しい笛色に誘われ
悲しみに浸る人が導かれる
童子はその人を悲しみが溢れる
悲しみと隔離された世界へと拐かす

私の目の前で
髪を振り乱しながら
童子が笛を吹いている
曇天模様の突風の中で
童子は笛を吹いている

「晴れる時には楽になるよ」
「晴れる時には新しい世界だよ」
「晴れる時には七色の明日に微笑むよ」
-だから、こっちへおいでよ。

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或雨夜の独言

或雨夜の独言

朋輩から、
「日頃の行いが良いからだよ」
と言われた
私としては当たり前と思っている事が
傍から見れば良い事かもしれないし
悪い事なのかもしれない
それは、当事者が判断する事だろう

竜巻注意報の発令された夜
雨が風に乗って窓を叩く
昨日の朝を思い出した
コンクリートに佇む
轢かれそうな蟷螂を
轢かれないようにと
草木に乗せてあげたっけ

私は蟷螂が好きだ
双対の鎌を掲げて
強く在ろうとする姿

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「朝霧」

「朝霧」

昨晩、渇き切った海の底へ私は沈んだ
黒塊と寄り添うように、哀しさに包まれた
仲間の助けもあって、寝る間際に水底から
光差す水面へと浮かび始めた
眠っている間に、水面へと浮かび上がっていた

目覚めたのは六時を知らせる鐘だった
心は重たく、再び沈みそうになる
乾いた大地に佇む、
渇いた大海原へと。
だけれども、その道程を阻むものあり

外を見ると、深い深い霧。
昨日、どうやって底まで行ったんだっけ。

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「乾渇」

「乾渇」

潤いを与えられてもすぐ乾く

此の心何を求むか分からずや

儚くも散る流星になりたいな

始まりの時から終わりが始まった

スーツ脱ぐ気力すらなく横になる

あの川の橋に架かるは人柱?

有り得ない妄想ばかり広がった

透き通る星空の点いつのもの?

ひょっとしてもう枯れ果てた星かもね

乾く皮膚渇く心は何求む?

分からぬが故に心は苛まれ

我は今何を理由に息をする?

分かりたく無いから思考を

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