夏の余命は七日間 02
Before…
【四】 四人が四人とも高級旅館であったり、リゾート地の絢爛なホテルを想像していたわけではなかった。少し涼しくなった頃に田舎でのんびりできる、まぁ歴史を少なからず感じるような、そんなところだろうと思っていた。だが流石にこれは歴史を感じるどころか、少し強い風が吹けば飛んで行ってしまいそうで、この旅館の最後を見送るのは我々ではなかろうか。
外壁はひび割れ、木造の屋根はところどころ腐り落ちそうで、窓ガラスには割れ目こそ無いが曇り切って中が全く見えない。極めつけは入