夏の余命は七日間 01
【一】 陽炎揺れる一本道を、一台の軽自動車が駆ける。
「あーあ、貴重な夏休みだってんに。何で仕事させられてんだよ。」
ぼやくのはハンドルを握る友成。加熱式煙草を灰皿に押し込み、缶に差し込んだストローでエナジードリンクを飲む。
「君たち下見係はこれしか仕事無いんだからいいでしょ、旅費だって経費で落とせるんだから。タダで旅行行けるだけありがたいと思わなきゃ。私は実行委員長で他にも仕事山積みなの!」
語気を強めながらも口元の緩みが隠せないのは後部座席・助手席後方に座る恵。顔の周