シェア
megane@麻酔科医
2021年7月22日 02:56
麻酔って、なんでそうするんだろう?かつて自分が麻酔科研修をしていた頃、疑問だらけでした。「どうしていま鎮痛薬を増やすんだろう」とか「なんでこの吸入麻酔薬の濃度なんだろう」とか上級医によって言うことも違いました。教科書をみても、はっきりとした答えがないこともありました。しかし、麻酔はしなければなりません。決断をしなければなりません。どう考えて行動を選択していけばい
2021年2月13日 18:28
麻酔維持期とは患者さんの状態が安定している時期です。しかし、勝手に安定するわけではありません。麻酔科医が作り出しているのです。ふだんの安定した状態はホメオスタシスのおかげつぎのことをふだん意識することはありますか?息をする脈拍や血圧を一定に保つ体温がさがらないようにするありませんよね!これらのことは無意識に、運動をしている間にも、寝ている間にも、ちょうど良くな
2021年2月8日 21:01
「言い訳」からはります「麻酔科の先生って、麻酔中遊んでますよね?」本を読んでいたり、スマホをいじっていたり、寝ていたり現場を見たことがある人はそう感じるかもしれません。麻酔科医は想像以上にいろいろな「内職」を維持期にやっています。「患者さんをみてないじゃないか!」批判はごもっともです。日本麻酔科学会も「安全な麻酔のためのモニター指針」で現場に麻酔を担当する医師が居て、
2021年2月2日 02:29
手術をうけた患者さんが再び手術になることは珍しくありません。膀胱癌の再発でTUR-BT片側人工股関節置換術後で反対側も開頭血除去術後ではずした頭蓋骨をもどすなどなどこのような「手術歴のある患者さん」の麻酔依頼を受けたとき麻酔科医は以前の麻酔記録を確認します。麻酔科は基本的にチームで診療することが多く、同じ患者さんの麻酔担当をすることはまれです。なので、
2021年1月23日 23:51
麻酔記録をながめるとき、私は気道情報からみます。気道はトラブルがあると「死」に直結する麻酔科医の重大な関心ごとです。何か問題があるなら、次の麻酔の時にどうするのか考える必要があります。次の麻酔で記録を役立てるひとつ記録の例をみてみましょう。挿管難易度:難使用デバイス:喉頭鏡 Mac#3BURP:ありcormack grade:3施行回数:2合併症:酸素飽和
2021年1月1日 17:41
「お昼休憩にいってきてください!」同僚の麻酔科医がお昼の交代に来てくれました。さて、あなたは何分休憩しますか、、?麻酔科のお昼は短めこの時の休憩は長くても約30分です。麻酔科医の多くは30分休憩できたら「ゆっくりごはん食べられたなぁ。歯磨きまでできた。」と感じます。ここで麻酔科医のお昼感覚についてのアンケートをひとつ紹介します。twitterで「お昼休憩はどのく
2020年11月12日 00:04
患者さんは寝る前に酸素が出てくるマスクをします。「マスクからガスが出て寝るんですよね?」よく質問されますが、答えはNoです。実際にはマスクからは酸素しか出ていません。点滴からお薬を入れて眠るのが主流です。* お子さんや一部の方はガスで眠ることもあります。ではなぜマスクをするのでしょうか。結論から言うと、これは時間かせぎなのです。え?どういうこと?って思いますよね。これを説
2020年11月23日 04:12
麻酔導入のパートでもっとも重要なのがマスク換気です。患者さんに麻酔薬が入って眠りにつくころ薬の影響でだんだん呼吸が弱くなっていきます。息をしないまま放っておくことはできません。そのままにしたら、もちろん死んでしまいます。そこでマスク換気です。マスクを顔に密着させて、それにつながったバッグにたまった酸素を肺に送りこみます。患者さんの呼吸は、すべて麻酔科医にゆだ
2020年11月20日 01:58
メパッチとはその名の通り目をおおうテープのことです。「目」+「patch(当て布)」メパッチはニチバンの商品名です。一般名は「角膜保護用テープ」角膜を守るため道具なのです。保護しない場合、乾燥による角膜剥離や、液体、破片混入による角膜炎の可能性があります。麻酔科医がなんで貼るの?もちろん麻酔科医が貼らなくても、看護師さんでも誰でもいいと思います。ただし、「正確
2020年11月28日 21:28
この記事は 1500文字程度 約2分半 で読めます。挿管とは?患者さんを眠らせるために鎮静薬を投与すると、その副作用で呼吸が止まります。呼吸を補助するためは様々な手段がありますが、その一つが挿管です。口からのどの奥、肺の手前まで管を入れていきます。麻酔中は人工呼吸器に管をつないで、自動的に酸素を出し入れします。確実な気道確保ともいわれ、呼吸の止まった患者さんによく使わ
2020年12月5日 04:05
挿管というと、「喉頭展開」に意識がいきがちです。喉頭鏡でぐいっ、とやるおなじみの光景ですね。挿管する手前の一番重要なところ、というイメージですが他の下準備にも注目するべきです。他の手技にも言えることですが、成功の9割が下準備にかかっています。きちんと計画する、ちゃんと準備する。それでほぼ決まり。あとのことは細かいことなんです。挿管の下準備、それは「流れ」をちゃんと
2020年12月12日 02:32
挿管の時に「口が開かないな、、」ということありますよね。開口がイマイチな患者さんは確かにいます。でも、ちょっとまってください!やり方の問題で開口できていないだけかもしれません。この記事では最大開口させるための基本と、その解剖学的解説をしていきます。意外と教科書に載ってないんですね!図解で説明します。すぐに実践できるので試してみてください。この記事は1600文字で 3分
2020年12月21日 01:32
点滴をとる。そもそも点滴をとる目的はなんでしょうか?手術室では、薬を入れる、急速輸液する、輸血をする、の3つが考えられます。全身麻酔導入では「薬を入れる」が点滴の主な役割です。最低限、薬が入れば細い点滴でもなんでもよいということです。が、確実に血管内に入っていなければなりません。点滴は麻酔科医にとって生命線です。眠くなる薬も、痛みを取る薬も、血圧を調整する薬も全て点滴から入
2020年12月21日 00:49
昔、人工呼吸器がなかった頃麻酔中は麻酔科医がずっとバックをもんで「手動で」換気をしていました。今はこれを自動でやってもらうわけです。その為には指示(呼吸器設定)をしなければなりません。挿管直後の人工呼吸は「とりあえず」の設定でOKです。なぜなら呼吸器設定はバチっとはじめから決まるものではないからです。患者さんの状態をみながら調整していきます。とりあえずスタートしてみて、それか