【麻酔記録】マスク換気の記録もお忘れなく
麻酔記録をながめるとき、
私は気道情報からみます。
気道はトラブルがあると
「死」に直結する
麻酔科医の重大な関心ごとです。
何か問題があるなら、
次の麻酔の時にどうするのか
考える必要があります。
次の麻酔で記録を役立てる
ひとつ
記録の例をみてみましょう。
挿管難易度:難
使用デバイス:喉頭鏡 Mac#3
BURP:あり
cormack grade:3
施行回数:2
合併症:酸素飽和度80%まで低下
コメント:体位・頭位を整えるも視野は変わらず。
最終的にMcGRATHでなんとか成功。
そんなに
酸素飽和度が下がるまで
やるなよ
という声が聞こえてきそうですが(笑)
この患者さんが
次回麻酔をうけるとき、
麻酔記録をみた担当麻酔科医は
気道管理計画を立てていきます。
「あ、前回挿管が難しかったんだな。」
「今回は、はじめからMcGRATHでやろう。」
「なんとか成功、ってことはそれでも難しかったのかな。」
「一応、ガムエラスティックブジーも用意しておくか。」
となるわけです。
抜管のときにも役立てる
この患者さんを
抜管する時も
挿管情報は重要です。
抜管後、
気道トラブルが
起こる可能性があるからです。
「再挿管をする必要があるかもしれないな。」
麻酔科医は必ず備える必要があります。
「McGRATHとガムエラスティックブジーを用意しておこう。」
この時も
さきほどと同じ思考になるわけですね。
マスク換気の記録もお忘れなく
そして、意外と
忘れられがち
軽視されがち
なのが
「マスク換気」の情報です。
一昔前の手書き麻酔記録。
マスク換気について書く欄がないですね。
他の記事でも
書いたのですが、
挿管は酸素化の
イチ手段に過ぎません。
挿管ができなくても、
マスク換気さえできていれば
患者さんが重篤な状態になることはありません。
またひとつ例をあげましょう。
マスク換気:V3
コメント:片手マスク換気できず。
経口エアウェイ使用し、両手法で換気可能。
麻酔科医の思考過程は、、
もうお分かりですね!
「次回は経口エアウェイを用意して導入しよう。」
「抜管のときは経鼻エアウェイを準備しておこう。」
となります。
ちなみにマスク換気の分類については
JSA気道ガイドライン2014を
みてみてください。
まとめ
それでは最後にまとめです。
●気道情報は重大なトラブルを避けるため重要である。
●記録をもとに次の気道管理計画を立てる。
●マスク換気情報もお忘れなく!
最後まで
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