記事一覧
雨の日の匂いと大人とこども
雨は自然の匂いを際立たせる、
先日、東京は冷たい雨が降った。
玄関を出て、傘を携えて外階段を降りていくと、階段脇に植えてあるローズマリーの香りと雨で湿った土の香りが鼻をついた。
嗅覚は五感の中で人の記憶と最も結びついているらしい。わたしは、校庭で遊んでいた小さな頃のことを思い出した。
雨上がりの校庭で土の匂いを感じながら、靴が汚れるのもズボンの裾が濡れるのも気にせず走り回っていたこと。
鉄棒
コートのポケットに文庫本を入れる
冬は寒いからきらい。
でも、コートを着るからポケットに文庫本を入れられる。
それだけは、冬のいいところだと思う。
いつからか、ほんのちょっと出かけるときにもバッグを持つようになった。
ポケットに、コインケースと文庫本だけを入れて出かけていた小学生のころを、懐かしく思う。書いていて、そんなに手ぶらで出かけることなんてあったかしら、とも思ったけれど。
普段電車に乗るとき、わたしはあまり本を読まな
中学受験の裏側で差別されていたこと
「女子はしっかりしているから」そういって女子に雑用を押し付けるのは教師の常套手段だ。
褒めれば喜んでホイホイ手伝うと思っているのだろうか。
わたしは中学受験のある共学の中学校に通っていた。
男女比は1対1。
ちょうど今の時期は中学受験の時期で、学校は「受験休み」があった。
一部の生徒を除いて。
中学2年生の1月。担任の男性教師はホームルームで言った。
「クラス委員の男女と委員会をやっている女子