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アスファルトの下の魑魅魍魎 -鑓水篇-
辺見じゅん『呪われたシルク・ロード』(1975 角川書店)を読んだ。
過去に多摩美術大学八王子校に通っていたということもあり、今までに読んだ民俗学の本のなかではダントツにおもしろかった。
大まかに言えば、これは八王子 - 横浜間の近代日本の「絹の道」を走った有形無形様々なものを、とくに八王子市内の鑓水という土地に絞って1970年代前半にリサーチし記述した本だ。
それらは以下となる。
・鑓水
境界としての「輪」の氷解と昇華、そしてルーツへの着地(『思い出のマーニー』について)
『思い出のマーニー』
(※ネタバレあります)
派手ではないが丁寧に作られた、陰影を多く含みつつも前向きなひと夏の成長の物語。
アニメとともにジョーン・G・ロビンソンの原作も読んだ。
原作のアンナはアニメでは映像として視覚的に表現される行儀の良さや女の子らしい立ち居振舞いが欠けている点を差し引いても、
孤独感を抱えており思慮深い点は共通するが、子供っぽいずるさや野生味を併せ持った造形だと感じた