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日々雑感

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日々思ったこと、感じたことを特にテーマを決めずに書いています。
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#落語

大吉原展

大吉原展

上野の東京藝術大学大学美術館で開催されている「大吉原展」を見てきました。

多くの落語の噺の舞台となっている吉原ですから、落語好きとしては是非見なくてはと思い、出かけました。

吉原の様子を描いた浮世絵や絵画、花魁の着物など、資料が数多く展示されており、見応えのある展覧会です。
また、約300頁にわたって展示資料の写真はもちろん、解説が多く記載されている図録を、奮発して購入しました。
3,500円

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人生の思い出

人生の思い出

66年間の人生の中で思い出に残っている嬉しかったことや楽しかったこと。
いつも後ろ向きなことや不満しか書いていないので、たまにはこういうことを書いてみようと思う。

【空手】
何ごとにも自信を持てず、引っ込み思案でいつも下を向いている私に業を煮やした父に無理やり入門させられた空手道場。
高校生のとき。
西新宿の古い雑居ビルの4階にあった道場。
恐る恐る行ってみると黒い帯をつけた男性が一人いた。

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双極性障害【落語とビートルズ】

双極性障害【落語とビートルズ】

相変わらずの不調続き。

この2週間ほどは17時まで働くことができずに早退してばかり。
今週は月曜日も昨日も早退しました。
少し前まではいったん仕事を始めれば、そのまま17時まで突っ走ることができたのに、今はそれもできなくなっています。
情けない気持ちでいっぱいです。

早く家に帰ったところで、気分が回復する訳ではないのですが、「今日もダメだった」と自己嫌悪に陥っている気持ちを落ち着けるために先ず

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柳家小三治

柳家小三治

小三治さんが亡くなった。

数多くの噺で私を笑わせ、泣かせてくれた小三治さん。

ときには1時間近くにおよぶなが〜い「まくら」。
楽しかった。
そんなときは決まって「小言念仏」。
いったい何度聴いたろうか。

その場その場の情景が目の前に浮かぶ見事な「芝浜」。
裏長屋、早朝の浜辺、出世して迎える大晦日。
そこに小三治さんはいなかった。
いるのは勝五郎とおかみさん。
嘘をついたことを打ち明けるおかみ

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落とし噺の話【捨てる文化】

落とし噺の話【捨てる文化】

茶道、華道、書道、香道。
私にはいずれも心得がありません。しかし、これらに関する話を聞くにつけ、日本の文化、特に「道」のついたものは「捨てる文化」ではないかと思っています。

余計なものを捨てて極限まで簡素にする。
そこに美を求める。
そのようなものではないかと感じています。

武道にも同様のことが言えるのではないか。
空手道、柔道、剣道、等々。

私に心得があるのは空手道。
これも無駄な動き、余

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落語「心眼」

落語「心眼」

(ネタバレです)
目が不自由な按摩の梅喜(ばいき)。
ある日、しょんぼりして帰宅する。
妻のお竹が理由(わけ)を聞くと、その日は仕事がみつからなかっただけでなく、目が不自由なために悔しい思いをしたと言う。
近所でも評判の良妻、お竹。
梅喜をなんとかなだめすかし、翌日から眼病に効くという薬師様へ願掛けのために二人で日参する。
そして、満願の日、めでたく梅喜の目が開く。
嬉しくてならない梅喜。
帰りに

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盗むこと

盗むこと

世の中には盗んでも良いもの、「盗め」と言われるものがあります。

それは芸や技です。
私が大好きな噺家、柳家小三治さん。
この方の師匠はおにぎり頭の先代柳家小さん。

通常、落語の稽古というのは覚えた噺を師匠の前で一対一で演じ、それに対して師匠が指摘をするものだそうです。
しかし、小三治さんが師匠小さんから稽古をつけてもらったのはただの一度きり。
それも、話し終えると「お前の噺は面白くねぇな」と一

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落語「天災」

落語「天災」

古典落語に「天災」という噺があります。

短気でそそっかしい八五郎。
今日もおかみさんとおっかさんを張り倒してご隠居さんの所へ駆け込んできた。
離縁状を2通書いてくれと言う。
そんな八五郎にご隠居さんは、「紅羅坊奈丸(べにらぼうなまる)」という心学の先生の所へ行って来いと勧める。
ご隠居さんが八五郎に託した手紙を読んで事の成り行きを知った奈丸先生は八五郎を諭す。
「何事も天の成したる災いとすること

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いるだけでいい

いるだけでいい

五代目古今亭志ん生。
昭和の大名人と呼ばれた噺家の一人。
私を落語の世界に引きずり込んだ人。
この人の有名な逸話。
高座で居眠りをしてしまい、前座さんが起こそうとすると、
客席から「寝かしといてやれ!」と声がかかったと聞きます。
志ん生がそこにいるだけで客が喜ぶ。
残念ながら私は高座を見たことはありませんが、
とても魅力のある噺家だったのでしょう。

そして、その息子さんの古今亭志ん朝。
私が見に

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自己紹介

自己紹介

2020年7月17日(金)からnoteを書き始めました。

双極性障害を患う精神障害者ですが、2年ほど前に劇的に改善し、今はほとんどんの問題もなく仕事に通っています。
既に定年退職をしていますが、まだまだ働きたくて、新宿にある企業に障害者雇用のパートで勤務しています。

障害や障害者、日々思うこと、落語、写真のことなどいろんなことについて書いてきましたが、令和6年6月からは落語に関する思いを中心に

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落語「天災」

落語「天災」

古典落語に「天災」という噺があります。

短気でそそっかしい八五郎。今日もおかみさんとおっかさんを張り倒してご隠居さんの所へ駆け込んできた。離縁状を2通書いてくれと言う。

そんな八五郎にご隠居さんは、「紅羅坊奈丸(べにらぼうなまる)」という心学の先生の所へ行くように勧める。

ご隠居さんが八五郎に託した手紙を読んで事の成り行きを知った奈丸先生は八五郎を諭す。

「何事も天の成したる災いとすること

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【柳家小三治】

【柳家小三治】

人間国宝、柳家小三治。

私が最も好きな噺家で、40年以上、観続けています。

最近は1,000人規模のホールでしか観ることはできず、それでも切符が手に入らない。年に何度か寄席に出るときは早い時間から満員になり、なかなか入れないので、ここ暫くはご無沙汰してしまっています。

私は小三治さんが好きで好きでなりません。大好きです。

出囃子「二上がりかっこ」が鳴り、舞台に登場、高座に座り、丁寧にお辞儀

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