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偶然性を偶然性としてだな
朝、喫茶でモオニングを。大阪某所、或る書店の開店を目掛けて電車に飛び乗る。南へ、南へと逸る気持ちのままに、Ben E. Kingの聞こえたあの街へ。
ふと向かいの窓に映る、私の背後に広がる風景が目に映った。自身のものと合わせて、三重の硝子を通して生まれた、その古めかしい色合いに見惚れたのも束の間、額縁はマンション群に塗り潰される。元来、世界は閉じるものである。
なんとも野蛮でお下品な買い付け、
好きこそ浄福の第一歩
きのうのこと。
目が覚めたのは針が五時を指そうかという頃合で、飲み残しの日本酒がツンと鼻を刺した。外はまだ暗い。暖房も炬燵も働きっぱなしだったようで、部屋はちと温すぎる。寝起きの気怠さは便所の冷気へと溶けゆき、ゆうべ観た『テルマ&ルイーズ』がふと脳裏を掠めた。微睡みの中、眼に写った跳躍。少なくとも再び横になる気にはならんかった。
傍にあった『眞晝の海への旅』を開く。漕ぎ出したらば止まらぬ。日常
ドリアン・グレイと崖
昼休み、手早く軽食を平らげてから近場の喫茶へ。オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの画像』を読み進める。初っ端から口先だけの、薄っぺらい台詞が諄いくらいに並べられているのだが、そのある種巧みな言葉に魅了される人物の描写には妙な説得力がある。
さて目下の関心事は現代に於いてドリアン・グレイはドリアン・グレイたることが可能であるか、なる手垢のこびりついた問い一一 おっと危ない。脳内に蔓延るヘンリー