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【高級旅行と海外名門校の招致】ラグジュアリー戦略こそ地域活性化のカギ?

現在、地方にとって、移住者や観光客を増やすことは、大きな課題の一つです。各地方で様々な取り組みがおこなわれていますが、今回は「ラグジュアリー」という観点から、観光・教育業界の事例を紹介していきます。

ラグジュアリーな旅の事例

例えば、北海道の洞爺湖では、平均単価4万円・スイートルームの単価は20万円を超える高級ホテルが、4月末に開業しました。周辺施設と連携をしつつ、体験型消費の提供も進めるようです。

また、鹿児島には5月中旬、シェラトンが開業します。
鹿児島には既に城山ホテル鹿児島という高級宿があるため、どちらのホテルも富裕層向けにサービスの工夫を凝らしているそうです。

私の住む高松にも、高級ホテルチェーンのマンダリンオリエンタルホテルグループが進出することが、昨年発表されました。サンポートの周りがどんどん変化していくようで、住民としては非常に楽しみです。

洞爺湖・鹿児島の事例のように、周辺環境と協力しながら、貴重な体験消費を提供できることも、ラグジュアリーな観光政策に必要なことだと考えられます

年間学費1000万の学校が岩手県に?

ここまではホテルを中心に取り上げましたが、次に紹介するのは、名門校を招致した岩手県八幡平市の事例です。

岩手県八幡平市は、人口約23000人の都市になります。
市の規模はそれほど大きくないこの街に、イギリスの超名門校ハロウスクールが開校されることになり、話題を呼びました

このハロウスクール、イギリスの本校は1572年に設立されており、ウィンストン・チャーチル元英国首相をはじめ、様々な著名人を輩出している名門校になります。

1年の学費と寮費は、(報道ごとに多少差がありますが)約900万円。
日本の小学6年生から高校3年生までの期間に通う学校になります。

どんな施設か気になり色々と探したところ、以下の動画を発見しました。
気になる方は、ぜひご覧ください。個人的には、とても衝撃を受けました。

さて、こうした名門校が、なぜ岩手県に開校されたのでしょうか?
初代校長のインタビュー記事によると・・・

世界中から生徒を募集しやすく、保護者が子どもに会いに行きやすい国で、豊かな自然と安全を提供できる場所として、日本の安比高原に決まりました。自然環境の素晴らしさは、日本のブランド。世界に誇れるものがあります。都会の雑多なものから離れ、安全な環境で心身ともに健やかに育ってほしいと思っています。

引用:朝日新聞eduA: 
英ハロウスクール、日本に開学予定 どんな教育目指す?なぜ岩手・安比に?初代校長に聞く

また、自然を使った学びの重要性にも言及されています。

都会や人工物で囲まれた中では学べないこと、授業だけではわかり得ないことが、自然の中には多くあると思います。こうしたことをうまくカリキュラムに組み込みます。やったことがなくても大丈夫。未知なるものへの挑戦は大事です。また、ここで身につけたスポーツスキルは社会人になっても役立ちますし、もちろん生涯にわたってスポーツを楽しむことができます。
自然との関わりの中で、人は身体的、心理的な強さを得られます。ハロウ安比校では、最終学年で八幡平山の冬山登山を予定しています。山頂で1泊し、スキーで下山する企画です。計画や準備の大事さ、うまくいかなかった時に考え直す柔軟性、成功した時の誇りや自信、友情の深まり――。こうしたことはポジティブでないとやり遂げられません。困難な状況にあっても前向きに取り組める力をつけてもらいたいと思っています。

引用:朝日新聞eduA: 
英ハロウスクール、日本に開学予定 どんな教育目指す?なぜ岩手・安比に?初代校長に聞く

こうした学びの環境が提供できるのは、確かに地方ならではかと思います。

なお、このスクールの開校は地域経済にも影響を及ぼしているようです。岩手県に国際線が開通し、インターコンチネンタルホテル安比高原とANAクラウンプラザリゾート安比高原、ホリデイ・インといったホテルがオープンしました(※1)。

イギリスは国を挙げて教育の輸出に力を入れており、今後も地方都市に名門校が開設される可能性もあるかもしれませんね。

まとめ

今回の記事では、旅行と学校といった観点から、地方都市におけるラグジュアリーサービスの事例を紹介してきました。

ラグジュアリービジネスは難しい側面も多くありますが、宿泊・教育ともに、「ラグジュアリーな〇〇を提供できる」というポジショニングを取ることで、地域活性化に繋げられる街も出てくるかもしれませんね。

※1: President Online: 「7年間の学費は7000万円」中国で8校を展開する英国の名門ハロウ校が岩手に全寮制学校を開くワケ

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