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書いている小説

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書いている小説をまとめました。 こちらはホラー小説です。 https://note.com/maki0806/m/m6453eb5d2608
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#眠れない夜に

いのせんとわーるど #2000字のホラー

いのせんとわーるど #2000字のホラー

 駅は人で溢れていた。ホームでは「人身事故の影響により電車が遅延している」というアナウンスが流れている。私はスマホをいじりながら電車の運行が再開されるのを待った。近くに別の駅があれば勿論そっちに行っているけど、最悪にして歩いていける距離にはなかった。学生の自分にはタクシーを使うという選択肢はないので、こうやって待つしかなかった。

 それにしても、何故この時間を選んだのだろう。どうせ死ぬならこの時

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はっぴぃえんど 2000字のホラー小説

はっぴぃえんど 2000字のホラー小説

 はっぴぃえんど

 朝起きて、家を出て、電車に乗る。会社に着いて、仕事して、帰る、そんな日々を繰り返し、気がついたら30代に突入していた。今している仕事は嫌いではないが好きでもない。勿論学生時代に憧れた職種ではない。給料に大きな不満はないものの、少なすぎるとは思わない。だからよく私は「これでいいのだ」と、我に返りそうになる自分に言い聞かす。

 「20歳ならまだしも、この歳で仕事をやめてやりたい

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夢だけど、夢じゃなくなった

夢だけど、夢じゃなくなった

 どうして今日なのだろう?明日でも、明後日でもいいじゃないか。何故、今日なのだろう?

 今朝目覚めると、腰の激痛で起き上がるのにいつもの倍以上の時間を要した。病院でまだ診断を受けた訳ではないが、経験者なのでわかる。これは絶対に「ぎっくり腰」だ。脂汗をかきながらもなんとかトイレは済ませたものの、今日の予定を考えると、「よりによってどうして今日ぎっくり腰になってしまったのだろう」とぎっくり腰を恨んだ

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スタートライン 1

**フィクションの連載小説です。

 このままずっと潜っていたいと切に願った。ずっとこの時間が続けばいいと思った。水中から太陽を見上げるのが好きで、その光にいつも癒されているが、今日はいつも以上に癒してくれていた。その光に心が浄化されていくのがわかる。魚を見たり、珊瑚を見たり、カメとか見たり、洞窟に入るのも好きだけど、こうやって太陽の光にただただ包まれるのも好きだ。生命の起源は海らしいが、細胞レベ

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あの日の僕(第1話)━電車

あの日の僕(第1話)━電車

あの日の僕(第1話)━電車
中央線で思い出したのはあの日々
子供の頃の自分が今の自分を見たら何を思うだろう?



この前、久しぶりに中央線に乗りました。その時、あまり思い出したくない記憶が勝手に蘇ったのです。実は、この電車で0歳から小学6年の誕生日まで通院していました。すぐにある絵本が脳裏に浮かぶ。

小さい頃、電車の中で絵本の「ウォーリーを探せ」を読んで、検診の事考えないようにしていた。だか

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あるインフルエンサー

あるインフルエンサー

フィクションの小説です。
加筆していきます。*10/19完結しました
小説ほかにも色々書いてます。

ある男が0からインフルエンサーになった物語です。

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 これは歴史に名を残すある男の物語だ。

 俺は気づいてしまった。その事に気づけた時、俺は神に選ばれた男だと確信した。
 君は人生を全うした後、自分のその物語を何と呼ぶ?「成功者の人生」だと言える?俺は言える。

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