見出し画像

【心理学】自分を責めると色々損をする

突然ですが、皆さんは仕事や恋愛で失敗してしまった時に「なんで自分はあんな事をしちゃったんだろう?」と自分を責めてしまった事はありませんか?



この記事のオーディオバージョンを聴けます。
再生ボタンを押すだけで流れます↓

心理学の実験や研究では「なんで自分はこうなんだろう」と考えてしまう人は、うつ病になりやすくなったり、ストレスが溜まりやすかったり、メタ認知力が下がってしまう事がわかっています。

ちなみにメタ認知力とは近年優秀なリーダーが優れている能力として注目されていて「自分自身を俯瞰して、客観的に観察する力のことを言います。

優秀なリーダーは自分を客観的に分析する能力に優れているのは、データで出さずともなんとなく感覚的にわかりますよね。

このメタ認知力について詳しく知りたい方はこちらの記事でもっと詳しくお話ししているので、是非ご覧ください↓


と言うところで本題に入っていこうと思います。



自分に「なぜ?」を問う行為


それでは早速本題に入っていこうと思いますが、読者の皆さんは仕事で失敗しちゃった時にこう考えた事がありませんか?


「あれ、失敗した。なんで自分は間違えたんだろう。」


自己嫌悪と言うか戒めというか反省というか、そうする事で次のミスを減らすために、こうやって自分で「なんで?」みたいに自分を分析した経験はありますか?

例えばまひろ(筆者)も最近「なんで自分ってこうなんやろ」って思った事があって、ホルモンについての話なんですけど、男性ホルモン女性ホルモンってありますよね。

男性ホルモンの中には、テストステロンっていう名前の成分があって、この成分が多ければ筋肉がつきやすかったり、論理的な性格になったり、まあ性欲が強くなったりするって事がわかるんですよね。


男性の皆さんは、やはり筋肉をいい感じにつけたいし、女性からしても筋肉がちょうど良いぐらいに付いている男性の方が魅力を感じますよね。

そして何と言っても、ビジネスで成功を収めたいという夢があるので、物事を論理的に考えられたりするためにも、やっぱりなんとしてもテストステロンを多くしたいわけです。


だから僕も自分のテストステロンを増やしたいと思っていて、最近その自分のテストステロンの量を測ったみたら、その数値が0.96だったんですよ。

日本の男性の平均数値は0.95なのですが、ただこの数値は0.95より数値が下の方が男性的で、この0.95より数値が上だったらどちらかと言うと女性的なんですよね。

だから僕の0.96という数値はどちらかと言うと、女性脳よりなんですよね。

この数値を見て「うわーまじかよ」と思って普通にショックだったのですが、一回僕以外にも誰か他の人の数値を測ってみようと思って、彼女にこのテストステロンの数値を計らせてみたんですよね。


すると数値が0.92で、平均的な男の人より男らしいって事が分かりました。

しかも0.92って結構良い数値やし…

本人は「まあでもそういうとこあるかもね」とか冷静に言っていたのですが、彼女の方が男らしいってなんやねん…

こればっかりは「なんで俺ってこんなんなんやろな」って最近思いましたね…


ただ、僕だけでなくそういう経験がある方って多いと思うのですが、こういう時に

「なんで自分はこうなんだ?」

って考えたりしませんか?


これが本日僕がお話ししていく内容なのですが、この「なぜ?」って自分に問うこと(内省)ってメタ認知力を無意識に下げる言動なんですよね。



「なぜ自分はこうなのか?」(内省)は考えるな


この考え方って、はたまた世間一般の常識的な通念に反していますよね。こうして実際に深く知っていくと社会の常識って必ずしも正しくないんだなって事が露骨にわかるものです。

ではなぜ自分に「なぜ?」を問うて、内省をする事はメタ認知力を下げてしまうのかというと、これもこの記事でお話しした

組織心理学者のTasha Eurichらが行った研究で「80~90%の人間が自己評価を正しく行えていない」と同時に得られたデータなのですが、内省をする人は自己評価の精度が低く、おまけに仕事の満足度と幸福度も低かった事がわかっているんですよね。


後これはオーストラリアのシドニー大学とマッコリー大学が共同で行った研究でも同じ結果が出ていて、この研究ではさらに内省をする人うつ病、不安症、失感情症になりやすくなる事がわかっています。

要するに「なんで自分はこうなんだろう?」ってよく考えば考えるほどうつ病とか失感情症になったり、不安とかストレスが溜まりやすいという事です。


ではなぜ「自分はこうなのだろう?」と考える人はこのような結果になりやすいのかというと、上でもお話ししてきましたが人って内省する時に「なぜ?」ってよく自分に対して問うんですよね。



多くの人は自分に「なぜ?」を問う


例えば仕事で同じミスをした時に

「なんで自分は同じミスを犯したのだろう?なぜ注意しなかったんだろう?」

と考える事が多いのです。

まあよくありますよねこう言うことって。


ただ、実はこうやって自分に「なぜ?」を問う事、内省をする事って問題解決の観点からしてめちゃくちゃ効率が悪いという事がわかっています。



自分の行動や決断については考えるだけ無駄


というのも、もうこれはミシガン大学が40年以上にわたって行った研究でわかっている事です。


いつもまひろは心理学の研究とか実験のお話をしていますが

「その実験ってほんまに正しいんかよ?」

って読者の皆さんは思った事はありませんか?


現在では物理学の実験方法が心理学を含めた各学問で体系化され、実際に心理学でも実験的な方法が取り入れられているケースが多いのですが、昔って心理学の実験をする時、直接被験者に質問をしていたんですよね。

例えば離婚の原因を調べるってなったら

「なぜあなたは離婚したのですか?」

って何百人何千人に認知プロセスを直接聞いて「あ、この理由が人が最も離婚する理由なんだ!」って昔は人の心理を調べていたのですが、ある時

「果たして人って評価、判断、問題解決、行動の開始などの高次の精神的プロセスに直接アクセスできでんのかな。できてないんじゃないの?その結果正しくないんじゃないの?」

って実際に疑問の声をあげた人がいたんですよね。


話を戻すと、ミシガン大学が調べた実験とはこれなんですよね。

「人って本当に自分の心の中の動きとか感情とかを確実にで把握できてんの?」

ってことを40年以上にわたって調べたんですよ。

じゃあその結果何がわかったのかというと、人は高次の精神プロセスを探ろうとしても、その大部分をそもそも知る事が脳の構造的にできず、こうして自分の意識上で認識できないものが多いすぎるので人は勝手に「真実だと感じられる答え」を作り出すことがよくあるのですが、それすらも大体間違えているって事がわかったのです。

もうズタボロですね。人間はね、他人までもならず自分のことすら全く理解できてないんですよ(笑)

✔︎簡易メモ

・人は自分の評価、判断、問題解決、行動の開始の原因を探ろうとしても、その大部分をそもそも知る事が脳の構造的にできない。
・自分の意識上で認識できないものが多いため人は勝手に「真実だと感じられる答え」を作り出すことがよくあるが、それすらも大体間違えている


どういうことかと言うと例えば

「なぜあなたはその仕事が好きなんですか?」

って聞いて

「この仕事をしているとね、毎日いろんな人と会えて話せるし、そういう自分が話したことのない人達からいろんな経験を聞けたり価値観を共有できてとても勉強になるんだ!僕はこれが好きなんだよね!」

っていかにも頭が悪そうな回答をする人って結構いると思うのですが、僕の頭の悪いという予想通り、人は「自分がなぜこの仕事を好きなのか」を理解できないのです。

それにこの前の記事でもお話ししましたが「経験」から物事を学ぼうとする人間はメタ認知力が低いですよね。

こういう事言う人って大体アホなので良かったらメモ取ってください、よくいます。


まあただ、頭が悪いとか良いとか関係なく人って自分の評価、判断、問題解決、行動の開始みたいな高次の精神プロセスにはアクセスできないんだよって事がこの研究でわかった事です。

簡略すると「なぜ自分はこうなんだろう?」って考えても人はわからないし、自分なりの答えが見つけられたと思っていたとしても、それは大体自分が勝手に作り出した妄想だと言うことです。

だからこうやって自分に「なぜ?」を問う行為は、自己評価が客観的評価とずれてしまい、メタ認知力が下げてしまうんですよね。


まあ「自分はなんでこうなんだろう?」って考えても正しい答えは出ないし、うつ病になるだけなので意味がないのです。

ただこんな事実ばかり話していると

「じゃあどうすれば人は間違えを修正できるの?反省せずにただただ根拠なく前向きに生きろって言うのか?」

って疑問に思う方がいらっしゃると思うので、解決策についてお話していきます。



✔︎「何が?」と自分に問う


って感じで組織心理学者のTasha Eurichらが行った研究によると自分に「なぜ?」を問う人はメタ認知力が落ちる上に、うつ病になったりと色々損をしていることがわかったのですが、それと同時にメタ認知力が高い人がやっていた内省の傾向も判明しました。

それは「何が?」を自分に問うこと。



例えば、今あなたは仕事がうまくいってなくてミスを沢山するしどうも頭が回りません。

こういう時に人って

「なぜ自分は集中できないんだ?なんで上手く自分は仕事ができないんだ?」

って考えがちになるのですが、そこで

「何が今自分が仕事に集中できない状況を作っているのか?自分の何を改善すれば仕事がうまくいくのか?」

って考える人はメタ認知力が高いんですよね。

これは心理学者のJ. グレゴリー・ヒクソンとウィリアム・スワンの行った実験で

 大学生の集団に対して、生徒達には「社交性、好感度、人の関心を惹きつける力」に関するメタ認知をしてもらい、実験者はあえてそれに対して否定的なフィードバックを与えました。(お前はここがダメだ!みたいに。)
その内数名に対しては「なぜ」自分がそのような人間なのかを考える時間を与え、残りの学生には自分が「何」か(自分はどのような人間なのか)を考える時間を与えました。そして、学生にその否定的なフィードバックの正確性を評価させると、「なぜ」を考えた学生は、自分が知ったこと(否定的なフィードバックの内容)に対する言い訳と否定に力を注ぎました。しかし「何」を考えた学生は、この新たな情報(否定的なフィードバック)によりオープンで、そこから学ぶ姿勢を示したのです。

この実験から何が言えるのかと言うと「なぜ?」を自分に問う人は自分を省みず「何?」を自分に問う人は自分を省みるということです。


なぜ?→何?に変更するだけですから、結構簡単ですよね。

こうすることによって、正確なフィードバックを自分に与える事ができて、ストレスや精神病の原因が解決して、メタ認知力が上げられると。

真面目な人や賢い人ほど自分の行動の改善は試みるものですが、次からは「何が?」と自分に問うてみる事をお勧めします。



と言う感じで長々続いたメタ認知力シリーズを終えたいと思います。

まひろのnoteではこんな感じでゆるーく心理学とか仕事とか脳科学とかお金とか、たまに恋愛のお話なんかもしていますので、これからもよろしくお願いします🌟



それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が参加している募集

自己紹介

もらったら社会貢献のためにユニセフに募金します。 ※こいつは嘘をついています。募金せずに帰り道でコンビニに寄ってたばこ買うに違いありません。