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私が述べる真剣な教育の話

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大学で「教育」という分野に向き合っていきながら、自分なりの真面目さを使って分かりやすく表現したマガジンである。
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#聴覚障害

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#6 

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#6 

ロイロノートを使ってみて色々と気付くことはたくさんあります。筆者の場合は、オンライン授業を始めた当初に行った助詞の学習方法をロイロノートでうまく活かすように実践する取り組みを模索しながら進めてきました。

ここでは「夏」の季節にあったことを課題掲示から読み取り、自分が相手に伝えたいことを解答している。Sくんが解答したのは次の通り。ここで使われている色分けは、先日の授業で学習したことを覚えており先生

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「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#5

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#5

 この当シリーズを執筆してもう5回目となりましたね。といえ、前置きに「オンライン授業の“必要なこと”を考える」#1〜6を合わせて、10回分の記事では、私が現在取り組んでいる仕事から感じたことの記録として綴じてきました。

「オンライン授業の“必要なこと”を考える」シリーズの趣旨はこのように意識して執筆している。特に#4を読んで頂ければ今回の当シリーズでも考えさせられることになるじゃないか。を筆者か

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「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#4

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#4

日本語には、決まった表現のルールがいくつか細かく分かれている。人間関係によって、使い分けすることに留意することも多い。だから、人間みんなが生まれながらにして、日本語が得意でもない。自分は得意し、上手に使っているんだと思うことはない。人の受け止めは多様なので、この人の日本語はおかしい。とか複雑な表現で分かりにくいけれど、なんとなく高い目で話しているそうだなというイメージを受け止めることもあるかもしれ

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「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#1

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#1

まず最初に話すのは、こちら。小学5年生の子どもとの初めて授業をした1〜2ヶ月の授業テーマを話したい。

●果物、野菜、乗り物、文房具や家具、家にあることば

●家族構成、学校教育、仕事で出てくることば

このカテゴリーそれぞれにあることばの絵を示すことで、子どもは視覚的に正しく答えられるか。小学1年生だと思って教えるところから始めた。ところが保護者の不安にあったように小学5年生なのになんと指文字で

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「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び-序章-

「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び-序章-

実は、また1歳取った30代の私は、この日から決めていることがある。これを取り組む姿勢を作るために今回の記事執筆からもう少し思考を巡らせた内容として皆さんに伝えればと思っている。

まず、私は先日の投稿で以下の通りの流れで何度かオンライン授業に触れてきた。受ける生徒側の感じた側面と教える教員側の感じた側面両方を併せ持っている私にとっては、このオンライン授業の実践が自分の蓄積した経験談となっている。

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オンライン授業の“必要なこと”を考える#1

オンライン授業の“必要なこと”を考える#1

序章では、私が取り組んでいるオンライン授業についてきっかけとその背景を簡単に述べていたが実に言うと2つの側面がある。

1、大学生としてコロナかの影響で対面授業が出来ず、オンライン形式で受講しながら履修していること

2、仕事として生徒を引き受けてその児童生徒の実態を把握した上で適切な指導内容をオンラインを通して分かりやすく提供する立場にあること

の2通りを同時並行しながら、生活している私の日常

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オンライン授業の“必要なこと”を考える#3

オンライン授業の“必要なこと”を考える#3

#2では 、オンライン授業をするにあたっての教える側の心構えを執筆してみた。今回は逆に受ける側の立場になって書いてみる。私は昨年、コロナ感染対策のために対面授業のはずがオンライン授業に変わったために受講するにあたって苦労したことがあった。この詳細については、先日の投稿「オンライン授業を考える」で書いているので読んでもらいたい。

ただ受ける側の立場を通して感じたことは何か。

1、きこえる人より視線

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オンライン授業の“必要なこと”を考える#5

オンライン授業の“必要なこと”を考える#5

タブレット活用における情報機器活用の割合はここ1年、急増している現状だ。政府のGIGAスクール構想によって、当初予定した計画より前倒しで学校ごとに一人一台のタブレット端末を活用させることの普及率を向上するという政策が急ピッチで進められている。以下、政府の挙げるGIGAスクール構想とは何か。(「GIGAスクール構想に想うこと」の投稿と合わせて読んで頂ければと思う。)

Society 5.0 時代に

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オンライン授業の"必要なこと"を考える#6

オンライン授業の"必要なこと"を考える#6

今回は、今までの執筆傾向と異なって、あるイベントに参加して傍聴した感想を交ぜて伝えていきたい内容を紹介する。あるイベントとは、昨年(2020年)11月に行われた第16回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムである。大学生時代、そして教職員勤務時代もよく参加していた例年恒例のシンポジウムであるが今回コロナ禍を踏まえ、初のオンライン開催となったことで久しぶりに参加した。その中で感じたことを2点取り扱

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オンライン授業の“必要なこと”を考えるー序章ー

オンライン授業の“必要なこと”を考えるー序章ー

私が現在、取り組んでいるオンライン授業についてちょっと落ち着いてきたので何回か執筆し始めて少しずつ伝えていきたいと思う。取り組み始めてからもうすぐ半年経過となっている今、今後のあり方を含めてどのようにしたいのかを色々と巡りながら試行模索している日々である。なお、過去に「オンライン授業を考える」を執筆した内容と重複する部分はあるので、こちらも合わせて読み返して頂ければ良い。これから執筆することは【“

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勉強とは、本質を考えることー後編ー

勉強とは、本質を考えることー後編ー

前編では、私の苦しい過去経験から勉強を教えることに疑問を持つべきだということを執筆してきた。「勉強とは、本質を考えることー前編ー」を読んで頂く上で続くお話になる。勉強を教える・学ぶということは、両方とも人生においてとても重要だということは過去の投稿でも何度か伝えている。これは一人一人それぞれのきっかけや背景だったりして様々な考えがあるだろう。でも共通していることは、何にも得ない人間と色々と得る人間

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勉強とは、本質を考えることー前編ー

勉強とは、本質を考えることー前編ー

私がこうして欲しい学校の教育というのは、今の時代に必要な形だと思う。これをリアルに表現して実現する学校というのはまだまだ少ないし、私立では出来るところが多い。でも公立学校というのは、文部科学省の決められている学習指導要領だったり、教育委員会の指示でやらなきゃいけない制限だったりして根本的な教員としてのやりがいが本当に子どもたちのためになっているだろうか。という疑問視は積み重なるほど、矛盾ばかりだ。

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高校の教科書は変わる!

高校の教科書は変わる!

新聞やテレビ報道などで大きく取り扱われていた「新学習指導要領に伴う高校教科書検定」が発表された。2022年度から学ぶ高校生にとっては、新しい学びの始まりである。同時に教員もこれまでの教材研究の在り方や指導法についても見直す大きな時期になるのである。(以下、北海道新聞記事3月31日付より引用)

例年通りの教科書検定の話で、教職員にとってはどういう内容を指導するべきかどうかという計画を立てる上での重

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