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つれづれなる日々のこと

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2018年4月の記事一覧

普段は乗らないバスに揺られて

普段は乗らないバスに揺られて

ゴールデンウィーク、前半の三連休。
カレンダー通りにお休みがあるって、本当にありがたいことです。

いつもの休日だと結局だらけて過ごしてしまうことも多いのですが、こういったまとまった連休だと「今のうちにやらなくちゃ!」みたいな危機感があって、がぜん張り切るタイプです。冬物のクリーニングをまとめて出すとか、買いあぐねていた辞書を思い切って購入するとか。

ゴールデンウィークに限ったことではないのです

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結婚生活はコントだと思えば、たいていのことは笑っていられる。

結婚生活はコントだと思えば、たいていのことは笑っていられる。

「ちょっと何言ってるかわからない」
普段の会話の中で言われると、かなりの確率でムッとする言葉だ。だけど、これがサンドウィッチマンのコントならば、笑いがおきるタイミングでもある。

先日、結婚記念日をむかえた。夫とは早いものでもう九年も一緒に暮らしている。大学生の頃から知っているので、知り合い歴は二十年を迎える。そう考えると付き合いは長い。ただ付き合いが長くても、夫の考えていることはいつになってもよ

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季節のねじをまく鳥の声。

季節のねじをまく鳥の声。

桜の花が散り、次は私たちを見て! と言わんばかりにつつじの花が堂々と咲き誇っている。花は、今どの季節かを知らせてくれる。けれども、耳から季節がひとつ巡ったことを教えてくれるものがある。

それは、鳥のさえずりだ。

普段聞こえる鳥の声はすずめやからす、公園に行けば鳩がいるくらいだろうか。しかし、そろそろ春の陽気を感じ始める三月あたりから、ホーホケキョと高く、辺り一面に響き渡る声を耳にするようになる

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ボーっと生きてるとチコちゃんに叱られる。

ボーっと生きてるとチコちゃんに叱られる。

「ボーっと生きてんじゃねぇよ!」
先日実家に帰ったときのこと。母と姉の会話の中で、時々出てきた言葉だった。どうやら、我が家で流行っているらしい。言葉だけを聞くと結構厳しい叱責だけれど、二人は笑いながら話していた。

私は「なにそれ? なんや、えらいガラ悪いやん」と、不思議そうにたずねたところ「あれ? 知らん? おもしろい番組が始まってんで。あ、明日の朝も放送されるし、見てー」と、姉に言われた。

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匂いと臭いの違いについて考えてみる。

匂いと臭いの違いについて考えてみる。

良い匂いと感じるか、臭いぃ……と感じるかは時と場所によって違うし、その匂いを嗅いでいる人の体調や、思い出補正がかかっていることもあります。

先日、駅ビルの中を歩いていたら、強烈なニンニク臭に襲われました。もう、ちょっと鼻を摘みたくなるほどの。周囲には眼鏡屋さんとかマッサージのお店しかなく、恐らく誰か近くを通った方の体臭、または口臭だったのかも知れません。ドラキュラ伯爵でなくても、ちょっと遠ざけた

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よく見て、感じて。観察から始めよう。

よく見て、感じて。観察から始めよう。

一か月前に投稿されていた、ヤマシタサトシさんのこのnote。

すでに読まれた方が多いと思いますが、私はつい最近になって読みました。

続けて読んで加藤貞顕さんのこちらのnote。

両方とも「観察すること」の重要性を書いてらして、確かにその通りだなぁと強くうなずく内容でした。

観察した先に、何が見えてくるか。何が見えてこないか。気付かないことや見過ごしてしまうこともたくさんあるとは思います。だ

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日常の中にある強さ

日常の中にある強さ

どんな顔をして会えばいいのかな……。
金曜の夕方、仕事を早めに上がらせてもらって私は実家へ向かった。
新幹線で約2時間。乗ってしまえば本当にあっという間に着いてしまう。帰宅ラッシュと呼ぶほどには混雑していない在来線に乗り換える。早く帰って話を聞きたい気持ちはもちろんあった。けれども、父親の病気についてうまく感情が処理しきれてもいなかった。

金曜の夕方に母と姉は病院に呼び出されていて、今後の治療に

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冷めた湯の中で縮こまる

冷めた湯の中で縮こまる

打ち合わせやら、何やらと仕事が忙しくなって少しホッとしている。忙しいと、その漢字が示す通り、心を亡くすことができる。

いま、少しでもぼんやりとする時間があると心の中は不安で満たされてしまうからだ。忙しく、集中して行える仕事が舞い込んだことは、ありがたかった。

今ひとつ、ハッキリとしていない状況の中で不安に悩まされる。なんだか、冷めた湯の中でじっとしているようだと思うのだ。

せまく、真っ直ぐに

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他人事と自分事の境目

他人事と自分事の境目

ほんの数日前まで、自分には縁のないことだとして、遠くを眺めるような物事だとしても。
ある一瞬で、それは自分の身に起こり得ることだ。

昨日、仕事中に姉からLINEがあり、ちょうどひと息ついたところだったので文面を見てみたら。

父の身体には癌があり、入院と手術をおこなうことになるという内容だった。
詳しいことはまだ内科、外科の医師による話し合いが持たれている段階らしく、いつ手術を行うかなどはまだ決

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ものまねが本物になる日

ものまねが本物になる日

放送作家の菊池英夫さんが書いていらした「ものまね」に関するnoteを書いていらした。

これを読んで、最近考えていたことと似ているなと感じた。やや、角度は違うのだけれども。

ものまねって、世間的に考えるとあまり良いものではないのだろうか?
真似をする、似たような行動をとる。これって、小さい子供が親の真似をしながら成長をすることだなと思うのだ。久しぶりに会った友人と、その子供。もう小学生になってい

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月曜日には、彼女のご機嫌うかがいを。

月曜日には、彼女のご機嫌うかがいを。

「おはようございまーす。さ、今週もよろしくお願いします!」月曜日の仕事は、ご機嫌うかがいから始まる。ご機嫌をうかがう相手は私の相棒、Windows、surface proさんだ。

surfaceさんは、ちょうど二年くらい前から平日の昼間はほぼずっと一緒に過ごしている。surface proというタブレットタイプに、キーボードを取り付けてもらっている。

ペンシルやらなんやら、私には使いこなせない

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カバンの中には、何が入っていたのだろう?

カバンの中には、何が入っていたのだろう?

ここ最近、私の心を捕らえて離さないものがある。それは「カバン」だ。

はあ? と思われるかも知れないけれど、気になることがあったのだ。教訓もなにもない、ただの日常の話なのだけれど。

私の勤め先であるカフェは、交差点の一角にある。大通りから一本入った裏道で、さほど人通りが多いとは言えない。横断歩道は道路上に表示されているけれど、信号機が設置されているわけではない程度だ。

カフェは全面ガラス張りに

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せめて、スタートラインには立ちたかったのに。

せめて、スタートラインには立ちたかったのに。

2015年3月1日。

小雨がぱらつく寒い空の下。私は大根一本と参加者に配布されるTシャツを持ち、泣きそうになりながら、とぼとぼとと砂浜を見ながら歩いていた。

エントリーしていたマラソン大会。スタート時間に合わせて会場に到着していたのに。私は一秒も走ることなく、会場を後にした。

「最近運動不足だし、ちょっとランニングでも始めようかな」

軽い気持ちで夫と話していたのは2014年の秋ごろのことだ

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潮干狩りに対する、情熱と冷静のあいだ

潮干狩りに対する、情熱と冷静のあいだ

夫と暮らして早九年。知り合ってからの期間を含めると、もう二十年にもなる。なんとなく分かり合えるようになってはいる。けれども、依然として私には理解できないことがたくさんある。

そのひとつが「潮干狩りに対する情熱」だ。

毎年三月下旬ころになると「今年のポイントはこのあたり」と、カレンダーをペラペラめくりだす。大潮で、潮が十分に引いた日が潮干狩り日和だ。雨が降っても、関係ない。むしろライバルが少ない

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