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他人事と自分事の境目

ほんの数日前まで、自分には縁のないことだとして、遠くを眺めるような物事だとしても。
ある一瞬で、それは自分の身に起こり得ることだ。

昨日、仕事中に姉からLINEがあり、ちょうどひと息ついたところだったので文面を見てみたら。

父の身体には癌があり、入院と手術をおこなうことになるという内容だった。
詳しいことはまだ内科、外科の医師による話し合いが持たれている段階らしく、いつ手術を行うかなどはまだ決定してはいないという。

ここ最近、その病気に関して深く考えることが多かった。けれども、それはあくまでもひとつの知識や読み物として考えていたことで、どちらかと言えば「他人事」だった。いつか、私自身の身にも起こるかもしれない。家族にも起こるかもしれない。

かもしれない、という可能性に逃れるばかりで、深く考えさせられる読み物、としか私自身捉えていなかった。捉えたくなかったのかもしれない。私には、起こらない出来事なのだと。想像力の欠如と言ってしまえばそれまでだけれども、私は想像したくなかったのだ。

けれども、こうして現実として目の前に突きつけられた時。さあっと暗くて深い影が広がってしまったら。

母は、姉は、私は。そして父は。どうしていくのが一番いいのだろうか?
私は離れて暮らしている。頻繁に帰ることはできたとしても、看病というよりはお見舞いレベルでしかないだろう。
母も姉も、それぞれ持病を抱えている。

どうにもまだ、頭のどこかでは納得し切れていないのだろう。何となくぼんやりとして、考える事を避けようとしている。

こころの中では「なったもんはしゃーない。治療に向けて気を強く持とう」と思っているのだけれど。

他人事と自分事の境目なんて、何もありはしないのだ。横断歩道の白いラインをまたぐくらいに簡単に、その物事は訪れる。

#日記



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