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ものまねが本物になる日

放送作家の菊池英夫さんが書いていらした「ものまね」に関するnoteを書いていらした。

これを読んで、最近考えていたことと似ているなと感じた。やや、角度は違うのだけれども。

ものまねって、世間的に考えるとあまり良いものではないのだろうか?
真似をする、似たような行動をとる。これって、小さい子供が親の真似をしながら成長をすることだなと思うのだ。久しぶりに会った友人と、その子供。もう小学生になっていて、子供ではあるけれど、もうある程度自分の意見ももっていた。うまく言葉や行動に移せないだけだ。その子を見ていると、なにやら自分の意思を通したいときには、友人とそっくりな口調で話しだして、妙に面白かった。
親だったり、身近な人の真似をして子供は育つんだなぁと改めて感じた。

スポーツや芸術などでも、うまい人の真似をして自分の技法に取り入れるというのもあるだろう。技術を盗む、というとあまり良い言い方ではないかも知れない。けれど、上達するには見よう見まねでも真似をする。その中で、マネだけではなくて自分だけの形を見つけていく。

ものまね芸人は「似ている/似ていない」だけを判断されているようにも思う。けれど、ものまね自体が本物になった事例もあるので、ものまねを侮ってはいけない。

アニメ「ルパン三世」の主人公ルパンの声優として、活躍されている栗田貫一さん。私が子供のころ、たぶん30年近く前には清水アキラさん、コロッケさん、ビジーフォー(モト冬樹さん、グッチ裕三さん)と並んで「ものまね四天王」と呼ばれ、さまざまなものまねの番組に出演されていた。

ルパン三世のものまねが上手で、子供ながらに「ルパンみたいー」と、テレビを見ながら喜んでいたことを覚えている。
もともとルパン三世の声を演じてらしたのは山田康雄さん。山田康雄さんがご病気になられ、ルパンの声を吹きこめなくなった。その代役として、栗田さんはルパンのものまねではなく、ルパン本人になった。

ルパンとして演じはじめたころは大きな葛藤もあったにちがいない。しかし、いまや「ルパン三世part5」として、この四月から新シリーズも放送されている。

ものまねが本物になることだってあるし、ものまねが本物を凌駕することだってあるだろう。ものまねだから、マネしてるだけだから、と卑屈になっているとそこからの成長は少ないかもしれないけれど、「いろいろとマネをしてでも取り入れてみたい」と思い、模索をつづけること。

コピー・ペーストという意味でのものまねではなく、ものまねを自分の中に取り込み、進化させつづけることができれば、自分自身のなかで芽吹くものが出てくるに違いない。ものまねを侮ることなかれ。それはいつか、本物になるかもしれないのだから。




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