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スーイッシュを探す旅 第4話
≪ エピローグ ≫
私が森を抜けたとき、空は晴れ上がっていた。
西に傾きかけた太陽が、晩秋の木々を輝かせている。
夢に導かれて幻の花スーイッシュを探し、
この森に入ったのは今朝早くのこと。
落ち葉を踏む自分の足音が、妙に新鮮に聞こえた。
何時間くらい森の中を歩いていたのだろう。
途中のことはよく覚えていない。
気が付けば、森の出口に立っていたのだ。
そんなに長くいたつもりはないのに、
太陽の位
スーイッシュを探す旅 第3話
≪時の淵≫
ー 魔女 ー
ハイエルがまず馬車を降りた。
その後に7人が続く。
数学者、植物学者、考古学者、まじない師、占星術師、黒髪の少女
最後にカード占い師が降り立った。
一人一人に手を差し伸べながら、ハイエルは
「ようこそ、時間の淵の入り口へ。」
と、にこやかに言った。
そして、おもむろに振り向いたとき、あっ!と声をあげた。
「なんだい、その驚きようは。」
ハイエルの後ろに立ってい
スーイッシュを探す旅 第2話
≪ 旅に集う者たち ≫
ー ハイエル・ノイマンとスーイッシュの伝承 ー
ノイマン家所有の森は深い。
空間的に広大であるというだけではなく
時間的にもまた深いのだ。
歴史が古いなどという意味では決してない。
文字通り、時間のふところが深いのである。
たとえば・・・
森で一夜を過ごし、出てくると数分しか経っていなかったとか
妖精のもてなしを受けて数年暮らし、戻ってみると
わずか数日のことであ
スーイッシュを探す旅 第1話
≪ あらすじ ≫ この世に存在しないが、この世でしか見つけることができない。
そんな謎の伝承を持つ植物、〝スーイッシュ“を探す8人プラスαの物語。
森役人の家に育ったハイエルは、家に古くから伝わる伝承に興味を持つ。
それまでただの伝説に過ぎないと軽く受け流されていたスーイッシュに強く惹かれ、スーイッシュを共に探す仲間を集めた。
ハイエルを含め、集まった8人の内7人は男性であり、実はその
マガジンで「つぶやき」をまとめることができた!
なんや、できるんかい!
と自分でツッコミ入れてますww
どこかに手軽に日記を書きつけておきたいのだが、適当な場所が見つからない。
ここの「つぶやき」を利用すればいいかな、と思うけれど
何かどうもしっくりこない。
「つぶやき」だけでまとめられたらなあ。
マガジンではそれはできなさそうだし。
エリーゼのための小説明
日本の、小さな片田舎の、さらに小さな
とある地方自治体の出納課で
私は働いている。
毎日帳簿をつけるのが私の仕事である。
この仕事を長くやっていると
文字と数字の羅列から、
どんな問題が発生してどう解決したのか、
までが透けて見えることもある。
それを見る限り
いろいろ細かいトラブルや課題はあるにせよ
民たちは、おおむね平和に暮らしているようだ。
ある日、ふだん通りに帳簿をつけているとき、
私の