小余綾 麻季

小余綾 麻季です。 こゆるぎ まき と読みます。 ともかく、ヨロシクです!

小余綾 麻季

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マガジン

  • つぶやき

    つぶやきです(笑)

  • 小余綾麻季の「短編集」

    短編小説。

  • 小余綾麻季の「どうでもいい」日常

    大事だと思っていたことをほうっておけると、どうでもいいと思っていたことが浮上して、本当はそっちが大切なんだって思えるようになる。 本当の自分の住処は、そこにあるよね。

  • 如月詩集

    物語の断片のようなもの。夢の切れ端のようなもの。

  • 如月 小さな物語集

    如月kisaraの短編集をまとめています。 役に立つ何かはなく、ちょっといい話でもない。 ただ、読後にほわ~んと安堵するようなものを書いています。

最近の記事

スーイッシュを探す旅 第4話

≪ エピローグ ≫ 私が森を抜けたとき、空は晴れ上がっていた。 西に傾きかけた太陽が、晩秋の木々を輝かせている。 夢に導かれて幻の花スーイッシュを探し、 この森に入ったのは今朝早くのこと。 落ち葉を踏む自分の足音が、妙に新鮮に聞こえた。 何時間くらい森の中を歩いていたのだろう。 途中のことはよく覚えていない。 気が付けば、森の出口に立っていたのだ。 そんなに長くいたつもりはないのに、 太陽の位置からして、かなりの時間・・・ 7時間ほどだろうか、森を彷徨っていたことになる。

    • スーイッシュを探す旅 第3話

      ≪時の淵≫ ー 魔女 ー ハイエルがまず馬車を降りた。 その後に7人が続く。 数学者、植物学者、考古学者、まじない師、占星術師、黒髪の少女 最後にカード占い師が降り立った。 一人一人に手を差し伸べながら、ハイエルは 「ようこそ、時間の淵の入り口へ。」 と、にこやかに言った。 そして、おもむろに振り向いたとき、あっ!と声をあげた。 「なんだい、その驚きようは。」 ハイエルの後ろに立っていたのは、御者のテオではなく 杖を持った一人の老女であった。 「まさか、わたしの

      • スーイッシュを探す旅 第2話

        ≪ 旅に集う者たち ≫ ー ハイエル・ノイマンとスーイッシュの伝承 ー ノイマン家所有の森は深い。 空間的に広大であるというだけではなく 時間的にもまた深いのだ。 歴史が古いなどという意味では決してない。 文字通り、時間のふところが深いのである。 たとえば・・・ 森で一夜を過ごし、出てくると数分しか経っていなかったとか 妖精のもてなしを受けて数年暮らし、戻ってみると わずか数日のことであったとか そんな事例が山のようにあるのだった。 どれも証明のしようがなく、森

        • スーイッシュを探す旅 第1話

          ≪ あらすじ ≫  この世に存在しないが、この世でしか見つけることができない。   そんな謎の伝承を持つ植物、〝スーイッシュ“を探す8人プラスαの物語。 森役人の家に育ったハイエルは、家に古くから伝わる伝承に興味を持つ。 それまでただの伝説に過ぎないと軽く受け流されていたスーイッシュに強く惹かれ、スーイッシュを共に探す仲間を集めた。 ハイエルを含め、集まった8人の内7人は男性であり、実はその7人は異なる時代に生きる同じ男性だった。 残る1人は唯一の女性で、スーイッシュの

        スーイッシュを探す旅 第4話

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        • つぶやき
          3本
        • 小余綾麻季の「短編集」
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          3本
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          44本
        • 如月 小さな物語集
          6本
        • 如月小説・物語集
          6本

        記事

          マガジンで「つぶやき」をまとめることができた! なんや、できるんかい! と自分でツッコミ入れてますww

          マガジンで「つぶやき」をまとめることができた! なんや、できるんかい! と自分でツッコミ入れてますww

          どこかに手軽に日記を書きつけておきたいのだが、適当な場所が見つからない。 ここの「つぶやき」を利用すればいいかな、と思うけれど 何かどうもしっくりこない。 「つぶやき」だけでまとめられたらなあ。 マガジンではそれはできなさそうだし。

          どこかに手軽に日記を書きつけておきたいのだが、適当な場所が見つからない。 ここの「つぶやき」を利用すればいいかな、と思うけれど 何かどうもしっくりこない。 「つぶやき」だけでまとめられたらなあ。 マガジンではそれはできなさそうだし。

          エリーゼのための小説明

          日本の、小さな片田舎の、さらに小さな とある地方自治体の出納課で 私は働いている。 毎日帳簿をつけるのが私の仕事である。 この仕事を長くやっていると 文字と数字の羅列から、 どんな問題が発生してどう解決したのか、 までが透けて見えることもある。 それを見る限り いろいろ細かいトラブルや課題はあるにせよ 民たちは、おおむね平和に暮らしているようだ。 ある日、ふだん通りに帳簿をつけているとき、 私の脳裏に 古いヨーロッパの、春の野原が 幾度となく過ぎることがあった。 なんだろう

          エリーゼのための小説明

          ずいぶん前に、「日記日記した日記が書きたい」と言っていた知人がいて、最近の私もそんな気分。 その時のその人と同じ気持ちかどうかはわからないけれど、しきりに彼女の言葉が思い出される。 「日記日記した日記が書きたい」

          ずいぶん前に、「日記日記した日記が書きたい」と言っていた知人がいて、最近の私もそんな気分。 その時のその人と同じ気持ちかどうかはわからないけれど、しきりに彼女の言葉が思い出される。 「日記日記した日記が書きたい」

          ヨハンの目次録

          第一章 ヨハネ君の置手紙 ヨハネの黙示録の第1章から第22章まで 目次だけを羅列してみたら面白いかな? 「ヨハネの目次録」というタイトルでどうだろう と、ふと思いついた。 しかし いかんせん、私はキリスト教をよく知らない。 聖書なんてほぼ読んだことがないので (大学の一般教養の英語でマタイの福音書を読まされたのが 唯一の、私が聖書と触れた機会である。) 文章作成するにあたって とりあえずWikipediaを開いてみた。 そこでは各章ごとにタイトルがついてなくて 他のサ

          ヨハンの目次録

          枯草物語

          バスカヴィル家に仔犬が産まれたと聞いて 笑った・・・Aに そわそわした・・・Bに 「早く見に行こう」と立ち上がった・・・Cに 以下、D、E、F、G~Zまで 我が愛しき26名の旧友たちに この駄文を贈ろう。 いや、書く前から「駄文」だなどと決めつけてはいけない。   いやいや、もうわかってるから     なんでもいいから早く続きを書きなさい   なんて声も聞こえてくるけれど それは、多分EとHの声だ。 (*注:ドイツ語っぽく「エーとハー」と読んでもらえるとうれしい。 アー

          「新世界」

          今日はドヴォルザークの交響曲第九番「新世界」を聞いた。 朝からなぜか、新世界の第一楽章のフレーズが 頭の中で繰り返し流れてきていて あれこれしているうちに、そのうち止んでいたのだけれど 午後、そうだそうだ、新世界を聞こうと CDをセットした。 そうそう、このベタな感じというか いかにもな感じ? 悪く言えばダサい(ごめんなさい) 音楽のことなんて、なーんもわかっちゃいない私の妄言なんで 許してくだされ。 でも、今日はこれが聞きたかったんだよなーっと。 思い返せば、高校時代

          ものづくし

          〈前書き〉清少納言の「ものづくし」とは何の関係もありません。 「うつくしきもの」や「もののあはれ」の「もの」ではなく 「物」物体そのもの・・・のこと。 (「物質」というとずれてしまいそうなニュアンスの「物」) 物に誘われ、物に運ばれていく世界の風景を 描いてみたくなりました。 第一話 針箱の付喪神道具も、長年使っていると精霊が憑き、付喪神とやらになると聞く。 つくもがみ・・・九十九神とも書く。 私が母から受け継いだ裁縫道具などは、 祖母の代からのものも多く残っていて ま

          空を旅するキツネ

          こんにちは 空の旅人、キツネです。 たくさんの質問をありがとう。 今日は、みんなからいただいた質問の中から 「空を旅することは楽しいのか?」 ということについてお応えするよ。 「空には雲の他に、特に何もないのに、 なんで楽しいのですか?」 って意見がすごく多かったんだけど 僕が旅している空は、そりゃあもう、 これ以上ないってくらい楽しいところなんだ。 地上から見る空とは違うってことだよ。 地上では、夜にならなきゃ見えないお星さまも 空を旅する僕には、 昼間っから訪ね

          空を旅するキツネ

          雷神

          遠く、遠くで雷鳴 「もうすぐ行く。」 と、かすかなメッセージが 読み取れる 表を閉めて、窓も閉めて 心の扉だけを 開いて待つ やがて 雷が、大粒の雨を伴って 私のところにやってきた ああ、雷神 私の願いを あの時の私の願いを 覚えていてくれたんだね 「叶えてやろう。 ただし、行動するのはお前自身だ。」 雷神は、なかなかに厳しいことを言う 苦笑いが漏れる 知っていることは できることとは関係がない 知識をしこたま溜め込んで 動けなくなるぐらいなら 知識を捨てて、身軽

          宇宙という名の少年

          昔、宇宙という名の少年が 何もない空間に 寝そべっていた 私はその少年の耳に両手をあてて こっそりと内緒話をするように 小さな声で囁いた 「私、これから〇〇したいのよ」 「いいんじゃない」と少年は応える そんな夢が、夢物語ではなかったのだと 知った今年の夏

          宇宙という名の少年

          今は無き

          今は無き、庭の木々を おもう 槙のこずえ 南天の実 金木犀が舞い散り かおる秋の日 駐車場を作るためにコンクリートで埋められ 砂利を敷き詰めた庭に あの頃の面影はなく 誰かが、誰かの物語の 終焉を告げた日に 今は無き、庭の木々をおもう